長期金利は1カ月半ぶり高水準、景気期待で米金利高-雇用統計警戒も

債券相場は大幅続落。長期金利は約 1カ月半ぶりの高い水準に上昇した。米国で景気回復を反映した金利 上昇が続いているほか、今晩には強めの内容が見込まれる米雇用統計 発表を前に、先物に加えて現物市場でも幅広い年限で売られた。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、国内債市場 は比較的に売り材料に対する抵抗力があったが、さすがに景気回復や インフレ懸念を受けた米金利上昇には追随したと言い、「これまでのレ ンジ相場をいったんはブレークする格好となった」と指摘した。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回り は、前日比1.5ベーシスポイント(bp)高い1.255%で始まった。そ の後も売りが先行するとじり高に推移した。午後1時前には昨年12 月16日以来の高水準となる1.285%を付けた。いったんは1.275%に やや戻したものの、午後4時5分現在では4.5bp高の1.285%で推移 している。

312回債利回りは週初には1.195%まで低下して、約2週間ぶりに

1.2%台を下回ったが、景気回復を受けた米国の株高・債券安が売り材 料視されると1.215-1.245%での取引となった。その後も米国で景気 回復を示す指標発表が続いている。住友信託銀行の瀬良礼子マーケッ ト・ストラテジストは、米国に連られて日本も金利が上昇しているが、 きのうまでより反応が大きくなっていると話した。

米国で3日に発表された週間失業保険申請件数は予想を下回り、 ISMの非製造業総合景況指数は上昇。これを受けた米国債市場にお いて10年債利回りは昨年12月半ば以来の高い水準となる3.55%まで 上昇。米国株相場は午前に反落した後に切り返して、結局はダウ工業 株30種平均など主要な株価指数が小幅プラス圏で終了した。

中期から超長期まで幅広い年限で売りが膨らんだ。5年物の93 回債利回りは午前に3.5bp高の0.56%を付けて、昨年12月半ば以来 の水準まで上昇した。前日まで買い優勢の展開だった超長期債相場も 反落して、20年物の123回債利回りは5bp高の1.99%となった。

先物は一時1カ月半ぶり139円割れ

東京先物市場の中心限月の3月物は前日比24銭安い139円19銭 で開始。この水準がきょうの高値となって直後から売りが膨らむと、 約1カ月半ぶりの139円割れでの取引となった。一時は55銭安の138 円88銭まで急落したが、午後に入ると徐々に下げ幅を縮める展開とな っており、結局は37銭安の139円06銭で週末の取引を終えた。

先物3月物は2カ月近くも140円中心のもみ合い相場が続いてい たが、きょうの急落でいったんは取引レンジを下放れた。テクニカル 分析上は週明け以降の一段安の展開も見込まれている。一方で、日中 は売り一巡後に下げ渋るなど下値抵抗力を発揮しており、米雇用統計 の内容やこれを受けた米国市場の動向に注目が集まっている。

今晩には米国で雇用統計が発表される。ブルームバーグ・ニュー スの調査によると、1月の非農業部門雇用者数は14万6000人増加が 予想されている。昨年12月は同10万3000人増だった。東海東京証券 の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、米雇用統計が強ければ景気 見通しが強化されるため、きょうの円債市場でも警戒感が強まるとし た上で、先物相場が下げ足を速めるかもしれないと話していた。

来週の現物市場は投資家動向見極め

来週の現物市場では投資家動向を探る展開が見込まれる。岡三ア セットマネジメントの山田氏は、雇用統計発表で今晩の米国市場が揺 さぶられる場合でも、各マーケットがすでに景気回復を織り込んだ感 もあるとも指摘。その上で、「これまでの金利の上限を上抜けたが、10 年債利回りの1.3%を背中にして買い需要は相応に見込める」とも話 した。

312回債利回りは今年に入って1.2%を中心としたレンジを形成 したが、水準自体は年初の1.14%をボトムにじり高となり、この日は 1月19日の直近高値1.26%を上抜けた。米雇用統計発表後の週明け の取引で1.2%台後半の推移となった場合、これまで市場で期待され た押し目買いが入るかどうかがポイントとなる。

半面、内外で景気回復期待が高まっていることで、投資家が買い 控えの姿勢を強めるともみられている。みずほ証券の三浦哲也チーフ マーケットアナリストは、今回の日米景気循環の想定以上の回復は債 券市場の金利低下期待を損なうには十分だったとみており、相場反発 のハードルは高くなった印象があるとの見方を示した。

8日には40年利付国債(2月発行)の利回り競争入札が実施され る。40年債の入札は前回の3回債と銘柄統合するリオープン発行とな り、表面利率(クーポン)は2.2%に据え置かれる。発行予定額は前 回債と同じ3000億円程度。

--取材協力:野原良明 Editors:Hidenori Yamanaka, Joji Mochida

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