ECB総裁:インフレリスクは均衡-「短期的上昇圧力ある」

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ 総裁は3日、ユーロ圏のインフレ率が同中銀の目安の2%を上回る期 間が先月示した見通しよりも長引くとの予想を示した。利上げを急が ない姿勢が強調された形だ。

同総裁は政策決定後にフランクフルトで記者会見し、政策金利は 依然「適正」との見解を示すとともに、インフレには「短期的な上昇 圧力」があるものの、リスクは均衡していると言明した。これまでの 展開は「政策にとって意味のある時間枠において物価動向が安定の定 義に沿うというECBの判断を、今までのところ動かすものではない」 とも述べた。

バークレイズ・キャピタルの欧州担当チーフエコノミスト、ジュ リアン・キャロー氏(ロンドン在勤)は「ECBは当面、インフレの 動向を見極める構えだ」とし、「インフレ期待が突然上昇しない限り、 ECBは欧州が再び一丸となるのを後押しするため、緩和的スタンス を維持する公算が大きい」と指摘した。

ソブリン債危機収束に向けた欧州の闘いが続く中で、同総裁は市 場の利上げ観測を抑えようとしているようだ。1月13日の政策決定後 の記者会見では、インフレ抑制のため必要であれば利上げを辞さない 姿勢を示していた。

ユーロ圏の1月のインフレ率は2.4%に加速。エジプトの政情不 安が原油価格を押し上げるほか、景気が堅調なドイツでは賃上げ圧力 が高まりつつある。トリシェ総裁はこの日、「インフレ率は一時的にさ らに上昇する公算があり、2011年の大半において2%を若干上回り、 年末前後に低下し始めるだろう」と述べ、1月会見時の「年末に向け て」低下するとの予想を先伸ばしした。インフレリスクが「上向くこ とはあり得る」との1月の発言も繰り返した。

ノムラ・インターナショナル(ロンドン)の欧州担当シニアエコ ノミスト、イエンス・ソンダーガード氏は「記者会見での発言のトー ンは、ECBが来月にインフレ見通しをめぐるリスクが上昇方向に変 わったと宣言することを示唆するものだ」と述べた。

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