2月3日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品 相場は次の通り。

◎外国為替:ユーロ、対ドル大幅安-ECBの利上げ観測後退

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが対ドルで下落。昨年11 月以来最大の下げを記録した。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁 がインフレリスクは「広く均衡している」と述べたことから、利上げ観 測が後退した。

朝方発表された米サービス業の景況指数は2005年以来の高 水準を記録。これに反応し、ドルが上昇した。オーストラリア・ド ルも主要通貨すべてに対して上昇した。貿易黒字や住宅建設許可件 数の経済統計を受けて、景気は底堅いと受け止められた。南アフリ カ・ランドはドルに対して5カ月ぶり安値に下落。エジプトでの反 政府抗議運動の影響で、高利回り資産に対する需要が後退した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの新興市場ストラテジー責 任者、ウィン・シン氏は「市場はECBのタカ派的な姿勢によって、 ユーロに強気になり過ぎていた。トリシェ総裁はこの日、まだ下振 れリスクがあることを非常に明確に示した」と述べた。「エジプト の政情不安が続く中、さらにリスクを回避した取引が見られるだろ う」と続けた。

ニューヨーク時間午後3時58分現在、ユーロは対ドルで1ユ ーロ=1.3636ドル。一時は昨年11月23日以来で最大となる

1.5%安の1.3609ドルまで売り込まれた。前日は1.3811ドル。 ユーロは対円では1.2%下げて1ユーロ=111円25銭。前日は 112円63銭だった。ドルは対円で81円59銭(前日81円55 銭)。

トリシェ総裁

ECBのトリシェ総裁は3日、政策決定後にフランクフルト で記者会見し、インフレ加速は「主として」エネルギーと商品価格 の上昇によるもので、「政策にとって意味のある時間枠において物 価動向が安定の定義に沿うというECBの判断を、今までのところ 動かすものではない」と述べた。

ユーロは1月にドルに対して2.3%上昇した。ECBは連邦 準備制度理事会(FRB)よりも先に利上げに踏み切るとの観測が 背景だった。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場ア ナリスト、オマー・エシナー氏は「インフレ率が目安の2%を上回 っていることに対して、どれほど心地よく思っていなくとも、現実 には、ECBは近く利上げを始める状況ではあまりない」と述べた。

ランド、豪ドル

南アフリカ・ランドはドルに対して一時1.8%安まで下げた。

スタンダード・バンクの為替ストラテジスト、マイケル・キ ーナン氏(ヨハネスブルク在勤)は顧客向けリポートで、「エジプ トの政情不安が市場に大きな不透明感をもたらしている」と指摘。 「ランドが一段安になるリスクがある」との見方を示した。

オーストラリアの昨年12月の貿易黒字と住宅建設許可件数 はいずれも予想を上回った。豪ドルは対円で0.4%高、米ドルに対 しては0.3%の上昇だった。

カストディー(証券管理)業務最大手、米バンク・オブ・ニ ューヨーク(BNY)メロンは豪ドルが年内に対米ドルで最高値を 更新するとの見通しを示した。中国との貿易関係や商品相場の値上 がりが理由。

ドル指数

この日の主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所 (ICE)のドル指数は0.8%高の77.754。

米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業総合景 況指数は59.4と2005年8月以来の高水準、前月の57.1から 上昇した。同指数で50はサービス業活動の拡大と縮小の境目を示 す。

FRBのバーナンキ議長は、ワシントンのナショナルプレス クラブで講演し、景気回復が根付いたと金融当局者が確信するには、 十分な期間にわたり、強い雇用創出が続くことが不可欠だと述べた。

◎米国株:上昇、失業保険申請統計を好感-小売株に買い

米株式相場は上昇。売り先行で始まったが取引後半でプラス圏に浮 上した。米既存店売上高がアナリスト予想を上回ったことを好感し、小 売株が値上がりした。米新規失業保険申請件数が予想以上の減少を示し たことも買い材料。

シアーズ・ホールディングスとリミテッド・ブランズが高い。リ テール・メトリクスが発表した1月の米小売り大手の既存店売上高は

4.4%増加した。市場予想は2.6%増だった。決算で利益がアナリス ト予想を上回った米自動車販売最大手のオートネーションも上昇。ビ ージェーズ・ホールセール・クラブは、同社の取締役会が身売りも含 めた戦略的選択肢の見直しを決定したと発表したことをきっかけに買 い進まれた。

S&P500種株価指数は前日比0.2%高の1307.10。一時は

0.7%下落する場面もあった。ダウ工業株30種平均は20.29ドル (0.2%)上昇の12062.26ドル。

ボストン・アドバイザーズの最高投資責任者(CIO)、マイケ ル・ボーゲルザン氏は、「裁量消費関連株が大きく上げている」と指 摘。「ギャップやリミテッド・ブランズなど、一部主要小売りの既存 店売上高統計で明らかに市場は押し上げられている。市場はこれまで 大体において決算を材料に動いていたが、この日も実に力強い決算が 複数発表され、上昇をけん引している」と述べた。

企業業績

ダウ30種平均は今週、08年6月以来初めて1万2000ドル台を 回復して終了した。米国や中国の経済統計で製造業活動の拡大が示さ れたことや、小荷物輸送最大手の米ユナイテッド・パーセル・サービ ス(UPS)の決算が予想を上回ったことが背景。ブルームバーグが まとめたデータによると、S&P500種銘柄で1月10日以降に決算 を発表した269社のうち、74%近くがアナリストの予想平均を上回っ た。

この日発表された経済統計も、相場の上昇を支えた。米労働省が 発表した1月29日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調 整済み)は前週から4万2000件減少して41万5000件。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は42万件だった。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によれば、4日に労 働省が発表する1月の雇用統計で、非農業部門雇用者数は14万5000 人の増加が予想されている。失業率は9.5%への上昇となっている。

サービス業活動が拡大

米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業総合景況指 数は59.4と、前月の57.1から上昇した。ブルームバーグがまとめ たエコノミスト予想の中央値は57.2だった。同指数で50はサービ ス業活動の拡大と縮小の境目を示す。

ハイマーク・キャピタル・マネジメントのデービッド・ゲーツC IO(サンフランシスコ在勤)は、「米経済は回復期から拡大期に移 った」と指摘。「企業業績は全体的に成長し続けている。これは株式 にとって好ましい環境だ。相場は急速に上昇したが、株価はなお割安 にみえる」と述べた。

消費者の裁量支出に依存する消費者サービス株指数は1.2%高と、 S&P500種の業種別10指数の値上がり率トップ。小売株指数は

1.3%高と、産業別24指数の値上がり率3位。

米百貨店チェーン最大手のシアーズは7.7%高。リミテッド・ブ ランズは7.4%、ギャップは4.2%いずれも値上がり。

オートネーションは11%高。同社の2010年10-12月(第4 四半期)決算は、利益がアナリスト予想を上回った。新車販売の増加が 寄与した。売上高は前年同期比16%増の32億5000万ドル。

ビージェーズ・ホールセール・クラブは12%高。同社は、取締役 会が身売りの可能性も含め戦略的選択肢の見直しを決定したと発表。 米モルガン・スタンレーを同社のファイナンシャルアドバイザーとし て起用したことも明らかにした。

◎米国債:下落、30年債は9カ月ぶり高利回り-雇用統計控え

米国債相場は下落。30年債利回りは9カ月ぶり高水準に上昇した。 サービス業の景況感を示す供給管理協会(ISM)の非製造業総合景況 指数が上昇したことが手掛かり。サービス業は米経済の9割を占める。

10年債利回りは昨年12月16日以来の高水準を付けた。労働省 が4日発表する1月の雇用統計では、雇用者の増加が予想されており、 これも相場の押し下げ要因となった。

野村ホールディングスの金利戦略責任者、ジョージ・ゴンキャン ベス氏は、「市場は弱気な見方に傾いており、30年債も例外ではない」 とした上で、「あす発表の非農業部門雇用者数が予想より強く出ると のメッセージが市場から受け取れる」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時7分現在、30年債利回りは前日比5ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇の4.67%。これは昨年4月27日以来の 高水準。同年債(表面利率4.25%、2040年11月償還)価格は 25/32下げて、93 7/32。

10年債利回りは前日比7ベーシスポイント上昇し3.55%と、12 月16日以来の高水準。2年債利回りは一時0.72%と、先月5日以来 の高水準を付けた。

国債買い入れ

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限が2016年11月から18年 1月までの米国債89億ドルを購入した。購入額は保有者が差し出した 総額の37.7%。過去10回の買い入れの平均は29.6%。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長はこの日、ワ シントンでの講演で、景気回復が根付いたと金融当局者が確信するに は、十分な期間にわたり、強い雇用創出が続くことが不可欠だとの認 識を示した。またダラス連銀のフィッシャー総裁は、景気の改善は一 段の量的緩和が必要ないことを意味している可能性があると述べた。

向こう10年間の投資家のインフレ期待を示す10年債と同年物イ ンフレ連動債(TIPS)の利回り格差は2.32ポイント。昨年最も 縮小したのは8月で1.47ポイントだった。

ISMが発表した1月の非製造業総合景況指数は59.4と、前月 の57.1から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想 の中央値は57.2だった。同指数の07年12月までの5年間の平均は

56.1。

雇用統計

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によれば、1月の非 農業部門雇用者数は前月比14万5000人増と見込まれている。前月 は10万3000人増だった。失業率は9.5%と、前月の9.4%からの 上昇が見込まれている。

モーガン・キーガンの債券資本市場部門プレジデント、ケビン・ ギディス氏は、「雇用関連の統計は遅行指標だとの認識が市場ではあ るものの、雇用セクターが改善すれば成長に大きなプラスの影響があ るというのが市場心理だ」と分析。「あすの数字が鍵となる」と加え た。

この日発表された、1月29日に終わった1週間の新規失業保険申 請件数(季節調整済み)は前週から4万2000件減少して41万 5000件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央 値は42万件だった。

◎金先物:反発、エジプト混迷の深刻化で2週ぶり高値-1353ドル

ニューヨーク金先物相場は大幅反発。2週間ぶり高値に上昇した。 エジプトの混迷が深刻化し、逃避先としての金需要が高まった。銀も急 伸し、同じく2週間ぶり高値を付けた。

カイロのタハリール広場では、ムバラク大統領の即時辞任を求め る反政府派と親ムバラク派がこの日も衝突、銃発砲の事態に悪化した。 野党勢力のムスリム同胞団はイスラエルとの平和条約を見直す権限が 議会にあると主張した。中東不安はイエメンに波及し、首都サヌアで は反政府、および親政府派が集結し、数万人規模のデモが行われた。

MFグローバルのアナリスト、トム・ポーリッキ氏(シカゴ在勤) はリポートで、「抗議活動が広がっているという事実は、相互に刺激 しあっているということを示唆する。今年は中東革命の年になるかも しれない」と述べた。「新しく誕生する各政府とイスラエルの緊張が 高まれば、質への逃避で金属相場は高値を維持するだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比20.90ドル(1.6%)高の1オンス=1353ドルで終 了した。一時は中心限月としては先月20日以来の高値となる

1356.60ドルまで上昇した。

銀3月限は1.6%高の1オンス=28.728ドルで引けた。

◎原油先物:反落、ユーロ安・ドル高で-ECB総裁発言が背景

ニューヨーク原油先物相場は反落。ユーロが対ドルで昨年11月以 来の大幅安になったことを嫌気し、売りが出た。欧州中央銀行 (ECB)のトリシェ総裁が早期の利上げを示唆しなかったことが ユーロ売りのきっかけ。

ドルの上昇を受けて、ドル建てで取引される商品の投資妙味が薄 れた。1バレル=92ドルをやや上回る水準に控えるテクニカルな抵抗 線の上抜けに失敗したことも売りを誘った。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード) のアナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は、「原油相場 は世界の景況感見通しに左右されている。92ドル超に控えるテクニカ ルな抵抗線の突破に失敗した後、ドル高・株安が材料になっている」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比32セント(0.35%)安の1バレル=$90.54ドルで終了した。

◎欧州株:売り優勢、決算嫌気されシェルが安い-テリアソネラは上昇

欧州株式市場では売りが優勢。エジプトでは、ムバラク大統領の 退陣を求める反政府派と大統領支持派との間で激しい衝突が続いてい る。

欧州最大の石油会社、英・オランダ系ロイヤル・ダッチ・シェ ルは下落。同社は昨年10-12月(第4四半期)の製油部門の利益が 引き続き「圧迫された」と述べた。仏トタルも安い。同社は反政府抗 議活動が起きたイエメンで天然ガス合弁事業を展開しているが、同事 業の生産はフル稼働していると述べた。スウェーデンの通信大手テリ アソネラは上昇。10-12月(第4四半期)決算が好感された。

ストックス欧州600指数は0.1%高の285ちょうどで終了し た。騰落比率は約4対5。

MWBフェアトレード・ウェルトパピエルハンデルスバンクの 株式トレーダー、アンドレアス・リプコウ氏は、「今は値固め局面に ある」と述べ、「問題の一つはエジプトだ。投資家はもっと早くに問 題が解決されると予想していたが、実際は悪化している。他の地域に 飛び火するとの観測もある。シェルの業績は投資家にとってやや驚く べき内容だった」と続けた。

シェルは3%安。同社の10-12月の一時項目や在庫増減を除 く利益は41億ドル。ブルームバーグがまとめたアナリスト16人の 予想平均(47億ドル)を下回った。トタルは1%安。

テリアソネラは3%高。10-12月期の純利益は53億1000 万クローナ。前年同期は49億クローナだった。

◎欧州債:ドイツ国債が上昇、ECB総裁発言で利上げ観測が後退

欧州債市場では、ドイツ国債が上昇。欧州中央銀行(ECB)のト リシェ総裁が、同中銀の政策金利は「適正」と述べたことから、利上げ 観測が後退した。

欧州連合(EU)の救済基金の権限に関して見解が分かれるな か、アイルランド、スペイン、ポルトガルの国債は下落。ECBは この日の定例政策委員会で、政策金利を過去最低の1%に据え置い た。ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査でも、 58人全員が据え置きを予想していた。トリシェ総裁は、同金利水準 は「適正」と述べるとともに、「インフレ圧力は中長期的には抑制 された状態にとどまるだろう」と話した。

ロイズ・コーポレート・バンクの金利ストラテジスト、エリッ ク・ワンド氏(ロンドン在勤)は、インフレに関して「市場はこれ までのように懸念する必要はないというのが発言の趣旨だ」と述べ た。

ロンドン時間午後4時43分現在、独10年債利回りは前日比 5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.21%。同 国債(表面利率2.5%、2021年1月償還)価格は0.385ポイン ト下げて94.035。ドイツ2年債利回りは14bp低下の1.35%。

◎英国債:2年債が上昇、利回りは1.44%-10年債利回り3.78%

英国債市場では2年債が上昇した。ロンドン時間午後5時7分 現在、利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下し1.44%。同年債(表面利率4.5%、2013年3月 償還)価格は0.115ポイント上げて106.27。

10年債利回りは2bp上げて3.78%。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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