NY外為:ユーロ、対ドル大幅安-ECBの利上げ観測後退

ニューヨーク外国為替市場では、 ユーロが対ドルで下落。昨年11月以来最大の下げを記録した。欧 州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁がインフレリスクは「広く 均衡している」と述べたことから、利上げ観測が後退した。

朝方発表された米サービス業の景況指数は2005年以来の高 水準を記録。これに反応し、ドルが上昇した。オーストラリア・ド ルも主要通貨すべてに対して上昇した。貿易黒字や住宅建設許可件 数の経済統計を受けて、景気は底堅いと受け止められた。南アフリ カ・ランドはドルに対して5カ月ぶり安値に下落。エジプトでの反 政府抗議運動の影響で、高利回り資産に対する需要が後退した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの新興市場ストラテジー責 任者、ウィン・シン氏は「市場はECBのタカ派的な姿勢によって、 ユーロに強気になり過ぎていた。トリシェ総裁はこの日、まだ下振 れリスクがあることを非常に明確に示した」と述べた。「エジプト の政情不安が続く中、さらにリスクを回避した取引が見られるだろ う」と続けた。

ニューヨーク時間午後3時58分現在、ユーロは対ドルで1ユ ーロ=1.3636ドル。一時は昨年11月23日以来で最大となる

1.5%安の1.3609ドルまで売り込まれた。前日は1.3811ドル。 ユーロは対円では1.2%下げて1ユーロ=111円25銭。前日は 112円63銭だった。ドルは対円で81円59銭(前日81円55 銭)。

トリシェ総裁

ECBのトリシェ総裁は3日、政策決定後にフランクフルト で記者会見し、インフレ加速は「主として」エネルギーと商品価格 の上昇によるもので、「政策にとって意味のある時間枠において物 価動向が安定の定義に沿うというECBの判断を、今までのところ 動かすものではない」と述べた。

ユーロは1月にドルに対して2.3%上昇した。ECBは連邦 準備制度理事会(FRB)よりも先に利上げに踏み切るとの観測が 背景だった。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場ア ナリスト、オマー・エシナー氏は「インフレ率が目安の2%を上回 っていることに対して、どれほど心地よく思っていなくとも、現実 には、ECBは近く利上げを始める状況ではあまりない」と述べた。

ランド、豪ドル

南アフリカ・ランドはドルに対して一時1.8%安まで下げた。

スタンダード・バンクの為替ストラテジスト、マイケル・キ ーナン氏(ヨハネスブルク在勤)は顧客向けリポートで、「エジプ トの政情不安が市場に大きな不透明感をもたらしている」と指摘。 「ランドが一段安になるリスクがある」との見方を示した。

オーストラリアの昨年12月の貿易黒字と住宅建設許可件数 はいずれも予想を上回った。豪ドルは対円で0.4%高、米ドルに対 しては0.3%の上昇だった。

カストディー(証券管理)業務最大手、米バンク・オブ・ニ ューヨーク(BNY)メロンは豪ドルが年内に対米ドルで最高値を 更新するとの見通しを示した。中国との貿易関係や商品相場の値上 がりが理由。

ドル指数

この日の主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所 (ICE)のドル指数は0.8%高の77.754。

米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業総合景 況指数は59.4と2005年8月以来の高水準、前月の57.1から 上昇した。同指数で50はサービス業活動の拡大と縮小の境目を示 す。

FRBのバーナンキ議長は、ワシントンのナショナルプレス クラブで講演し、景気回復が根付いたと金融当局者が確信するには、 十分な期間にわたり、強い雇用創出が続くことが不可欠だと述べた。

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