FRB議長:景気回復確信には「より強い雇用創出」必要

米連邦準備制度理事会(FRB) のバーナンキ議長は、景気回復が根付いたと金融当局者が確信する には、十分な期間にわたり、強い雇用創出が続くことが不可欠だ と述べた。

バーナンキ議長はワシントンのナショナルプレスクラブで講演し、 「生産の伸びはしばらく緩やかなペースにとどまる可能性が高く、企 業は雇用になお消極的だと報告されており、失業率が通常の水準に低 下するには数年かかるだろう」と発言。「より強い雇用創出が一定期 間にわたり続かない限り、回復が本当に根付いたと我々は判断できな い」と語った。

また経済成長が今年、上向くとの見通しを示したほか、6000 億ドルの米国債購入プログラムについて、「雇用創出および経済を強 く支援している」としたものの、6月のプログラム終了後に金融面で の刺激策を維持もしくは調整するかどうかについては言質を与えなか った。

議長は、「適切な時期に資産購入プログラムを円滑かつ効率的に 終了させるのに必要な手段を、われわれが持ち合わせているというこ とを強調する必要がある」と述べた。

財政赤字

このほか、議会に対し連邦財政赤字および医療関連コストの抑制 策をまとめるようあらためて要請した。講演では2回にわたり、財政 面での課題は「手ごわい」と指摘した。

議長は「将来の赤字を減らす信頼できるプログラムの策定に今取 り掛かれば、経済成長を押し上げ、長期的な安定をもたらすだけでな く、長期金利を低下させ、消費者信頼感および企業景況感を高めると いう面で、短期的に大きな効果を生む可能性がある」と語った。

また、政府の債務上限を引き上げなかった場合の影響について議 会に警告。講演後の質疑応答で、債務上限を引き上げなければ、米国 は「デフォルト(債務不履行)に陥る恐れがあり、そうなった場合の 国内金融システム、財政政策、経済への影響は壊滅的なものとなる」 と言明した。

議長は、そうした事態に陥る可能性は「非常に低いが、いいかげ んに扱うようなものではない」とも指摘した。

景気、雇用、物価動向

また景気に関しては、「2009年半ばに始まった景気回復は、 ここ数カ月で力強さを増したようだが、これまでのところペースは雇 用市場を大幅に改善させられるだけの速さにはなっていない」と指摘。

企業における昨年の雇用増加は、「新卒者および労働市場への新 たな参加者に何とか対応できたという状況だ。従って、失業率を大幅 に低下させるには不十分ということだ」と説明した。

物価については、ガソリンなど一部の「目に付きやすい」項目に ついては、このところ「大幅」に上昇しているものの、「全般的には インフレは非常に低い状況が続いている」ほか、賃金の上昇ペースは 鈍化したと指摘。「経済の大きなスラック(たるみ)を考えれば、賃 金と物価上昇におけるこうした下向きのトレンドは驚くに当たらない」 と加えた。

量的緩和の効果については「市場のさまざまな指標が、金融当局 の証券購入が金融情勢の緩和に効果を表しているとの見方を支持して いる」とし、株価上昇やボラティリティ(変動性)の低下、インフレ 期待が「一層通常の水準」になっていることなどを例に挙げた。

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