今日の国内市況:株式は3日ぶり反落、債券下落-ユーロ1.38ドル前後

東京株式相場は3日ぶりに小反落。 デモ衝突が続くエジプト情勢の悪化による原油価格の高止まり、景気 への影響が懸念され、自動車など輸出関連株中心に売られた。リコー やグリー、コナミなど決算内容が失望された個別銘柄の下げも大きい。

TOPIXの終値は前日比2.07ポイント(0.2%)安の927.57、 日経平均株価は26円(0.3%)安の1万431円36銭。

エジプトの首都カイロのタハリール広場で2日夜、ムバラク大統 領支持派と反対派が衝突し、3人が死亡、637人が負傷したと同国国 営テレビが報じた。米政府がエジプトに暫定政権の樹立を求めると、 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は報道。チュニジア に端を発した政情不安は北アフリカから中東全般に拡大しており、イ エメンのサレハ大統領は2日、13年で切れる任期を延長しないと表明。 ヨルダンのアブドラ国王は1日、首相を更迭した。

エジプト情勢の混迷で、中東からの原油輸出が脅かされるとの見 方が広がり、2日のニューヨーク原油先物相場は小幅高で約2年ぶり の高値圏を維持。これを受けた東京市場では、自動車や電機など輸出 企業を中心に今後のコスト上昇、世界景気減速の可能性を警戒する売 りが先行した。

また、きのうの米国株市場では、テレビのセットトップボックス 向け半導体のブロードコムや保険会社アフラックなどの決算が失望さ れ、売りが優勢だった。日本でもリコーなど決算に対する失望銘柄が 急落するなど、日米ともに企業業績に対する期待感に水を差された。

きのうの米国では、給与明細書作成代行会社のADPエンプロイ ヤー・サービシズが発表した給与名簿に基づく集計調査で、1月の米 民間部門の雇用者数は事前予想を上回る結果となった。米時間4日に は、1月の雇用統計の発表を控える。市場では、米雇用統計は昨年11 月、12月と市場予想を裏切っており、エジプト情勢も考慮すると直近 で上昇していた輸出関連を中心に利益確定売りが出やすいとの声があ った。

東証1部売買高は概算19億9661万株、売買代金は同1兆4525 億円。値上がり銘柄数は743、値下がりは781。33業種では輸送用機 器や電機、精密機器など輸出関連のほか、銀行、建設なども下落率上 位に並んだ。

個別の材料銘柄では、決算発表を受けて想定以上にキヤノンなど との競争が収益性へ影響している可能性があるとし、JPモルガン証 券が投資判断を「アンダーウエート」へ引き下げたリコーが東証1部 値下がり率2位。決算での費用増加ペースが想定以上と受け止められ たグリーは大幅安。

大和証券キャピタル・マーケッツが11年6月期以降の業績予想を 減額し、UBS証券では目標株価を引き下げた。10年10-12月営業 利益が市場予想を下回ってネガティブサプライズ、と野村証券が指摘 したコナミは午後に急落し、値下がり率3位だった。

半面、11年3月期連結営業利益予想を増額した東レは午後に一段 高。1月の国内ユニクロ事業の既存店売上高が前年同月比10.7%増だ ったファーストリテイリング、10年4-12月連結営業利益が通期計画 値を上回った住友化学も高い。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券が本格的な株価上昇を見込 む局面が予想されるとし、投資判断と目標株価を上げた東芝機械は4 連騰。次世代送電網(スマートグリッド)実現による次世代電力計の 普及期待が高まり、大崎電気工業、東光電気など関連銘柄は東証1部 の上昇率上位に並んだ。

債券下落、長期金利一時1.245%

債券相場は下落。前日の米国債相場が続落したことを受けて売り 優勢の展開となり、先物相場は1週間ぶり安値圏で取引された。半面、 超長期債相場は投資家の買いで堅調に推移した。

東京先物市場で中心限月3月物は、前日比14銭安の139円59銭 で取引を開始した。しばらく139円50銭台を中心にもみ合っていたが、 午前10時前後から水準を切り下げた。一時は33銭安の139円40銭と、 1月27日以来、1週間ぶりの安値を付けた。午後は139円40銭台を 中心に推移して、結局は30銭安の139円43銭で引けた。

前日の米国債相場は3日続落。民間の雇用関連指標を受け、1月 の米雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが加速するとの見方が広 がった。米10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp)上昇し

3.48%程度。一時は3.50%と昨年12月半ば以来の高水準となった。

米労働省が4日に発表する1月の雇用統計について、ブルームバ ーグ調査では非農業部門雇用者数は前月比14万人の増加が予想され ている。前月は10万3000人増だった。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比1.5bp高い1.24%で始まった後、いったん1.235%を付 けた。その後は水準を切り上げ、午前10時前後に2bp高い1.245%ま で上昇した。午後は1.235-1.24%での推移が続いた。

中期債相場も安い。新発5年物の93回債利回りは2.5bp高い

0.525%に上昇し、1月25日以来の高水準を付けている。新発2年物 の301回債利回りは1bp高い0.205%まで上昇した。

一方、超長期債は堅調。新発20年物の123回債利回りは一時2.5bp 低い1.935%に低下。1月11日以来およそ3週間ぶりの低水準を付け た。新発30年物の33回債利回りは2.5bp低い2.14%を付けた。

ユーロが1.38ドル割れ、ドル・円は81円後半

東京外国為替市場ではユーロ・ドル相場が1ユーロ=1.3800ドル 前後で推移した。欧州中央銀行(ECB)の定例政策委員会を海外時 間に控えて、トリシェ総裁がインフレ警戒姿勢を強めるとの観測がユ ーロの下支えとなった一方、エジプト情勢の悪化を受け、安全通貨と されるドルに買い圧力がかかる場面が見られた。

午後4時55分現在のユーロ・ドル相場は1.3819ドル前後で推移。 朝方は1.3800ドルを上回る水準でユーロが底堅く推移していたが、午 後1時前にエジプトの首都カイロで発砲があったとのニュースが伝わ ると、1.3800ドルを割り込み、一時1.3784ドルまでユーロが弱含ん だ。ドル・円相場は1ドル=81円63銭前後。

ユーロ・円相場は1ユーロ=112円台後半から一時、112円53銭 までユーロが軟化。しかし、ユーロ売りも続かず、午後には112円87 銭で値を切り上げた。

一方、ドル・円は朝方に1ドル=81円49銭をつけた後、ドルが じり高となり、午後には一時81円71銭をつけた。

ブルームバーグ・ニュースによるエコノミスト調査によると、E CBは3日の定例政策委員会で政策金利を過去最低の1%に据え置く と、回答者58人全員が予想している。決定は現地時間午後1時45分 (日本時間同9時45分)に発表される予定。トリシェ総裁はその45 分後に記者会見を開く。

1月のユーロ圏インフレ率は前年同月比2.4%上昇と、約2年ぶ りの大幅な伸びを記録した。輸入物価上昇率が29年以来の高水準とな っているドイツでは労働者が賃上げを要求し、エジプトの政情不安の 影響で原油も値上がりしている。

トリシェ総裁は前回1月13日の政策委員会後の会見で、インフレ 抑制に必要な措置を実施すると表明。ECBの早期利上げ観測が強ま るなか、外国為替市場ではユーロが上昇し、2日の東京市場では一時、

1.3862ドルと昨年11月9日以来の高値をつけた。

エジプトの首都カイロのタハリール広場で3日早朝、発砲があっ た。カタールの衛星テレビ、アルジャジーラは5人が死亡したと伝え た。

同市では、30年にわたって独裁を続けるムバラク大統領の即時辞 任を求める反政府派と大統領支持派の衝突が続いている。同国国営テ レビによると、2日の衝突で少なくとも3人が死亡、600人余りが負 傷。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、米政府がエ ジプトに暫定政権の樹立を求める、と事情に詳しい関係者を引用して 伝えた。

一方、米国では米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議 長の講演が予定されているほか、1月の米供給管理協会(ISM)非 製造業景況指数や先週分の新規失業保険申請件数などの経済指標が発 表される。

ブルームバーグ・ニュースの調査では、1月のISM非製造業景 況指数は57.1と、2006年5月以来の高水準だった昨年12月と同じ数 字が見込まれている。また、米労働省が発表する先週の新規失業保険 申請件数は前週比3万4000件減少の42万件が予想されている。

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