ソニー:10-12月純利益9%減、想定上回る-テレビ赤字課題

ソニーは3日、第3四半期(2010年 10-12月)の連結純利益が前年同期比8.6%減の723億円だったと発表 した。発表前のブルームバーグ・データのアナリスト6人の予想平均値 約660億円を上回った。しかし、テレビ事業は通期で3ケタの赤字が残 るため、来期以降の黒字化が課題であることも鮮明になった。

売上高は同1.4%減の2兆2062億円、営業利益は同5.9%減の1375 億円。小幅減益だったのは、ゲーム事業の大幅増益がカバーし、原材料 費、販売費、人件費などのコスト削減も寄与したため。ただ、液晶テレ ビやコンパクトデジタルカメラは価格下落が続き、円高で第3四半期は 約376億円、4-12月期の9カ月累計では約984億円の利益圧迫要因と なった。

部門別の営業利益は、ゲームを主とする部門が同2.3倍の457億円。 「プレイステーション3(PS3)」やゲームソフト「グランツーリス モ」の好調が寄与した。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーシ ョンズもスマートフォンに機種を絞り込んだことなどから、大幅に改善 した。

会見した加藤優最高財務責任者(CFO)は、第3四半期が会社計 画を上回ったとし、「ゲームは5四半期連続の黒字で、大きく利益が回 復した。円高の逆風でも堅実な結果を残せたと思う」と評価した。

エレクトロニクス事業は減益

ただし、主力のエレクトロニクス部門の営業利益は268億円と、前 年同期の半分近くに減少。映画、音楽、金融などの部門も減益だった。 加藤氏は「テレビやパソコンは相変わらず厳しいが、道半ばとはいえ構 造改革を断行し、経営体質を強化した効果が出ている」と語った。

今期(11年3月期)の利益予想は据え置いた。営業利益は同2000 億円、純利益は700億円。売上高予想のみ、従来の7兆4000億円から 7兆2000億円に減額した。通期の液晶テレビは、販売台数計画を従来 の2500万台から2300万台に修正。他方で、コンパクトデジカメは同 2300万台から2400万台に増える見込み。PS3は1500万台、プレイス テーション・ポータブル(PSP)は800万台で計画に変更はない。

加藤氏は、テレビ事業の赤字が「10-12月期は約130億円と当初予 想通り。4-12月期累計は約260億円だった」と明らかにした上で、第 4四半期は需要が先行き不透明なため「慎重にみている」という。年間 では3ケタの赤字が残るものの、「来期の黒字化を目指したい」と強調 した。来期は多機能型端末のタブレットPCを発売するほか、「プレイ ステーションゲームをアンドロイド端末にも幅広く展開するので、順次 投資もしたい」と意欲を示した。

発表を受けて、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石野雅彦ア ナリストは「テレビやタブレットPCなどで開発が後れたことで、収益 の悪化が懸念される」と分析。国内外のメーカーが次々と新型端末を投 入または発売を計画している11年は「過当競争の再燃リスクが顕在化 してきた」とみている。

エコポイントの付与率は12月から半減されたため、11月の薄型テ レビやレコーダーの販売台数は急増。業界団体の電子情報技術産業協会 (JEITA)の発表では、11月の薄型テレビの出荷台数は同2.6倍と 単月で過去最高の伸び率を記録、クリスマス商戦があった12月は同62% 増えたため、1月以降の市況低迷が懸念されている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE