エジプト騒乱の影響、イラン革命ほど深刻でない-PIMCO

エジプト騒乱の世界金融市場への影 響は限定的なものにとどまっており、1979年のイラン革命や、他のア ジア地域にも波及した約13年前のタイ通貨危機ほど深刻ではないと の見方を米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIM CO)などが示した。

エジプトで30年にわたり独裁を続けてきたムバラク大統領の退 陣を求めるデモが一段と勢いを増し、同国の金融市場閉鎖と銀行の休 業は4日目に入った。そうした中でも、世界株式市場の時価総額は今 週、53兆6000億ドル(約4380兆円)と、2008年6月以来の高水準に 増加した。ブルームバーグが集計したデータによると、ドバイ金融市 場総合指数は2日、9カ月ぶりの大幅な上昇となり、新興市場の債券 相場も上げた。

約30年前のイラン革命当時、原油価格は140%上昇。タイのバー ツ切り下げは世界的な株安を招いた。一方、エジプトの原油埋蔵量は 世界全体の約0.3%にすぎず、同国の外貨準備は対外債務を290億ド ル上回っている。

著名投資家のバートン・ビッグス氏は、エジプトの危機を材料に 株を売るのは誤りだと述べた。PIMCOのモハメド・エラリアン最 高経営責任者(CEO)は、エジプトには「和解」の兆候が見られる と指摘する。

「エジプトはイランにならない」

エラリアンCEOは1日のブルームバーグテレビジョンの番組 「ブルームバーグ・サーベイランス」のトム・キーン司会者とのイン タビューで、「避けるべきことは、無秩序状態に陥る可能性を誇張する ことだ」とした上で、「『エジプトがイランになったらどうなるだろう か』との憶測が広がっているが、そうなるとは思わない」と発言した。

米ヘッジファンド、トラクシス・パートナーズのマネジングパー トナーを務めるビッグス氏(78)は1月31日のブルームバーグテレビ ジョンとのインタビューで、「私は売ってはいないし、エジプトと中東 のこれらの出来事でパニックに陥っていない」と述べ、「現在の経済指 標は非常に勇気づけられる内容だ」と指摘した。

チュニジアでは先月の動乱でベンアリ前大統領が亡命。ヨルダン では反政府デモを受け、アブドラ国王が今月1日、首相を更迭したも のの、豊かな原油資源を持つ中東諸国のほとんどはこうした政情不安 の影響を免れている。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の新興市場調査責任者、ティモシー・アッシュ氏(ロンドン在勤)は 2日、電子メールで質問に回答し、「秩序ある政権移行が行われ、むご い結果を招くことはないと引き続き予想されている」とした上で、「大 多数の見方は、ペルシャ湾岸諸国には分配できる資金が豊富にあり、 チュニジアとエジプトのデモの背景にあるような貧困問題の一部は回 避できるため、問題にはならないというものだ」と説明した。

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