日本株は反落、エジプト情勢警戒し輸出に売り-リコー急落

東京株式相場は3日ぶりに小反落。 デモ衝突が続くエジプト情勢の悪化による原油価格の高止まり、景気へ の影響が懸念され、自動車など輸出関連株中心に売られた。リコーやグ リー、コナミなど決算内容が失望された個別銘柄の下げが大きい。

TOPIXの終値は前日比2.07ポイント(0.2%)安の927.57、 日経平均株価は26円(0.3%)安の1万431円36銭。

富国生命保険の山田一郎株式部長は、「昨年から業績期待や過剰流 動性への期待感で上がってきたことから、決算発表とともに好材料出尽 くし感が出やすい時期」とした上で、「きのう先物への買い戻しで予想 以上に大幅高となった後だけに、その反動も出ている」と指摘した。米 国景気やエジプト情勢好転への期待で、TOPIX、日経平均ともに2 日の取引でことし最大の上昇率を記録していた。

エジプトの首都カイロのタハリール広場で2日夜、ムバラク大統領 支持派と反対派が衝突し、3人が死亡、637人が負傷したと同国国営テ レビが報じた。米政府はエジプトに暫定政権の樹立を求めると、米紙ウ ォールストリート・ジャーナル(WSJ)は報道。チュニジアに端を発 した政情不安は北アフリカから中東全般に拡大しており、イエメンのサ レハ大統領は2日、13年で切れる任期を延長しないと表明。ヨルダン のアブドラ国王は1日、首相を更迭した。

調整は時間か値幅か

エジプト情勢の混迷で、中東からの原油輸出が脅かされるとの見方 から、2日のニューヨーク原油先物相場は小幅高で約2年ぶりの高値圏 を維持。これを受けた東京市場では、自動車や電機など輸出株を中心に 今後のコスト上昇、世界景気減速の可能性を警戒する売りが先行した。

日産センチュリー証券ディーリング部の菊池由文部長によると、 「エジプトは、米政府の政権移譲ストーリーとは違う状況になる可能性 があり、微妙な中東政治のバランスが崩れる危険がある」という。日本 株は1月13日高値からの調整が足りないとする同氏は、エジプト情勢 が解決すれば、調整は時間調整になると見るが、「そうでなければ、値 幅調整になる」と話す。

また、きのうの米国株市場では、テレビのセットトップボックス向 け半導体のブロードコムや保険会社アフラックなどの決算が失望され、 売りが優勢だった。日本でも、リコーなど決算に対する失望銘柄が急落 し、日米ともに企業業績に対する期待感に水を差された。いちよし投資 顧問の秋野充成運用部長は、国内企業の決算は「想定の範囲で、これか ら一気に株価上昇トレンドに入るという雰囲気ではない」と言う。

前日の米国では、給与明細書作成代行会社のADPエンプロイヤ ー・サービシズが発表した給与名簿に基づく集計調査で、1月の米民間 部門の雇用者数は事前予想を上回った。米時間4日には、1月の雇用統 計の発表を控える。丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「米雇用統計は 昨年11月、12月と市場予想を裏切っている。エジプト情勢も考慮する と、直近で上昇していた輸出関連を中心に利益確定売りが出やすい」と していた。

東証1部売買高は概算19億9661万株、売買代金は同1兆4525億 円。値上がり銘柄数は743、値下がりは781。業種では輸送用機器や電 機、精密機器など輸出関連のほか、銀行、建設も下落率上位に並んだ。

リコーやグリー急落、東レや次世代送電網関連高い

個別の材料銘柄では、決算発表を受けて想定以上にキヤノンなどと の競争が収益性へ影響している可能性があるとし、JPモルガン証券が 投資判断を「アンダーウエート」へ引き下げたリコーが東証1部値下が り率2位。決算での費用増加ペースが想定以上と受け止められたグリー は大幅安。大和証券キャピタル・マーケッツが11年6月期以降の業績 予想を減額し、UBS証券では目標株価を引き下げた。10年10-12月 営業利益が市場予想を下回ってネガティブサプライズ、と野村証券が指 摘したコナミは午後に急落し、値下がり率3位だった。

半面、11年3月期連結営業利益予想を増額した東レは午後に一段 高。1月の国内ユニクロ事業の既存店売上高が前年同月比10.7%増だ ったファーストリテイリング、10年4-12月連結営業利益が通期計画 値を上回った住友化学も高い。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が 本格的な株価上昇を見込む局面が予想されるとし、投資判断と目標株価 を上げた東芝機械は4連騰。次世代送電網(スマートグリッド)実現に よる次世代電力計の普及期待が高まり、大崎電気工業、東光電気など関 連銘柄は東証1部の上昇率上位に並んだ。

新興市場も反落

新興市場も3日ぶりに反落した。ジャスダック指数の終値は前日比

1.1%安の54.32、東証マザーズ指数は1.2%安の465.41。個別の材料 銘柄では、ジャフコの保有株減少による需給不安からセルシードが急落 し、株価上昇で目標株価とのかい離が縮小したなどとして野村証券が格 下げしたエス・エム・エスは4日ぶり反落。半面、1対2の株式分割や 配当予想の増額が好感され、クルーズは急伸。

--取材協力:北中杏奈 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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