京都大学名誉教授、藤多哲朗氏 (80)が幼虫好きの菌の研究をひらめいた1985年から四半世紀。そ の功績は田辺三菱製薬に50億ドル(約4075億円)の収益の一部をも たらす可能性がある。

藤多氏は中国でスープなどに使われるキノコの菌が幼虫に寄生す る際に免疫を抑制しているのではないかと着想し、研究に取り組んだ。 京都大学での研究は、200万人以上が苦しむ多発性硬化症の新治療薬 「ジレニア」の開発に役立っただけではない。ジレニアは田辺三菱に とって稼ぎ頭になる公算が大きい。UBSによると、年間売上高は50 億ドルを超える可能性がある。

藤多氏は京都でインタビューに応じ、「多発性硬化症の治療薬に なるとは全然思わなかった。どちらかというと、臓器移植の免疫抑制 に関心があった。当時、病気については無知だった」と語った。

スイスの製薬大手ノバルティス(本社バーゼル)は昨年10月、米 国でジレニアの販売を開始した。米調査会社IMSヘルスによれば、 ジレニアの売上高は世界の医薬品トップ10にランクインすると予想 される。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト4人の予想中央 値によると、田辺三菱は売上高の10%相当をロイヤルティー(使用料) として計上する可能性が高い。

広報担当者の濱田一子氏は、田辺三菱が受け取るロイヤルティー に関するコメントを控えた。

予想以上

ノバルティスの自己免疫疾患研究の責任者を務めるダーバルクマ ール・パテル氏は先週、ジレニアの2010年10-12月(第4四半期) の売上高が1300万ドルに達し、予想を上回ったと明らかにした。

ドイツ証券のアナリスト、舛添憲司氏はジレニアについて、「ノ バルティスはわずか3カ月で服用者が2000人を超えたと報告した」と 指摘。「私は11年に1万人の患者に使われ、売上高が約3億5000万ド ルになるとみている。良い滑り出しだ」と述べた。

ブルームバーグの集計データによると、田辺三菱の10年3月期の 売上高は2.4%減の4047億円と、過去5年間で最悪だった。UBSの アナリスト、ファビアン・ウェナー氏は1日、ジレニアの年間売上高 は18年に53億ドルでピークに達する可能性があるとの見通しを示し た。

-- Editors: Lena Lee, Jason Gale.

--* 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 柴田広基 Hiroki Shibata +81-3-3201-8867 hshibata@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae ,Yoshito Okubo 記事に関する記者への問い合わせ先: Kanoko Matsuyama in Tokyo at +81-3-3201-3490 or kmatsuyama2@bloomberg.net. 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Jason Gale at +65-6212-1579 or j.gale@bloomberg.net.

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE