2月2日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品 相場は次の通り。

◎外国為替:ユーロ、対ドルで下落-欧州の債務懸念再燃

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対してほぼ3カ月 ぶりの高値から下落。欧州の救済基金である欧州金融安定ファシリティ ー(EFSF)が高債務国による国債買い戻しの資金を貸し付ける案を ドイツが認めないとしたことから、域内のソブリン債危機が継続すると の懸念が再燃した。

ユーロが対ドルで3日ぶりに下げた背景には、格付け会社スタン ダード・アンド・プアーズ(S&P)がアイルランドの信用格付けを 引き下げたこともある。ムバラク大統領が9月の大統領選挙までは退 任しないと表明してから一夜明けたエジプトでは、政府が治安回復へ 強硬手段をとる構えを見せている。スウェーデン・クローナはすべて の主要通貨に対して下落。同国の中央銀行が規制の厳格化を求めたこ とがきっかけ。

UBSの為替ストラテジスト、アメリア・ブルドー氏は「リスク 回避の動きがあるようだ。とりわけユーロの値動きはそうだ」と指摘。 「S&Pによるアイルランド格下げや、EFSFに関するドイツの見 解、エジプト情勢すべての組み合わせが要因だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時57分現在、ユーロはドルに対して前 日比0.2%安の1ユーロ=1.3806ドル。一時は1.3862ドルと、 昨年11月9日以来の高値を付けた。ユーロは円に対してほぼ変わら ずの1ユーロ=112円59銭。一時は0.4%値上がりする場面もあ った。円は対ドルで0.3%安の1ドル=81円57銭。

S&Pは、アイルランドの信用格付けを「A-」と従来の「A」 から1段階引き下げた。格下げ方向で見直す「ウォッチネガティブ」 も継続する。同社は「大きな部分を国家が保有している金融セクター の追加的な資本ニーズをめぐる不透明」を指摘した。

EFSFの権限

ユーロは主要16通貨中、8通貨に対して値下がりした。ドイツ の当局者は今月4日の欧州連合(EU)首脳会議を控えた記者説明で、 EFSFには既発債を購入する法的権限がないと発言した。

バンク・オブ・ノバスコシアの為替ストラテジスト、カミラ・サ ットン氏は「EFSFの権限変更に関して、これまで期待が膨らんで いたため、ユーロの上昇を支えていた」と指摘。「市場の関心は欧州 に再び戻っている」と述べた。

ドルは対円で上昇

ドルは円に対して上昇。米国債の利回り上昇で、外国人投資家に とって米国債の魅力が増大した。米2年債利回りは前日比6ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.66%。10年債利回 りは4bp上昇の3.48%。

イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)メン バーが利上げの必要性を指摘するなか、英ポンドはドルに対して3日 続伸。ポンドはドルに対して一時0.6%高の1ポンド=1.6230ド ルと、昨年11月5日以来の高値。ユーロに対しては0.4%上昇し た。

イングランド銀行金融政策委員会のセンタンス委員は、英金利に ついて、今後急激な上昇を回避するために今から着実なペースで引き 上げる必要があるとの見解を示した。無料の英経済紙シティーAMが、 同委員とのインタビューを基に伝えた。

センタンス委員は、ひとたびインフレという「悪霊」が瓶から飛 び出せば、英国は物価安定の回復という困難な課題に直面するだろう と述べた。

スウェーデン・クローナは安い

スウェーデン・クローナはすべての主要通貨に対して下落。スウ ェーデン中央銀行は、バーゼル銀行監督委員会が打ち出した規制より も厳格な規則を求めた。同中銀のイングベス総裁は、スウェーデンの 銀行は資本市場での資金調達への依存や家計の債務拡大によりリスク に直面するとの見解を示した。

クローナはドルに対して0.8%安と、3日ぶり下落。年初から は4.5%高と、対ドルの上昇率でトップとなっている。

◎米国株:売り優勢、決算が失望誘う-エジプト情勢や割高感を警戒

米株式市場では売りが優勢。テレビのセットトップボックス向け半 導体のブロードコムや保険会社アフラックなどが発表した決算が投資家 の失望を誘った。エジプトでの反政府抗議運動も悪材料。S&P500 種株価指数のバリュエーション(株価評価)が昨年6月以来の高水準に あったことも売りの背景にある。

ブロードコムは5.6%安。同社が発表した四半期決算で、利益 率がアナリスト予想を下回ったのが売り材料となった。補完医療保 険最大手のアフラックは2.4%下落。同社の四半期営業利益が予想 に及ばなかった。米ゲームソフトメーカー2位、エレクトロニッ ク・アーツ(EA)は、16%の急伸。メディアのタイム・ワーナー も高い。いずれも利益が予想を上回ったのが手掛かりだった。

米証券取引所全体の騰落比率は約5対7。S&P500種株価指 数は前日比0.3%安の1304.03。ダウ工業株30種平均は1.81ド ル上昇の12041.97ドル。

USグローバル・インベスターズのシニアトレーダー、マイケ ル・ナスト氏は「この段階ではある程度、疑い深くなる必要がある」 と指摘。「これまで急激な株高が続いた。この先、横ばいあるいは 下落しても驚きはない。地政学的リスクの懸念もある。その一方、 経済統計や企業の決算は改善している。しかし、株価をさらに押し 上げるには、一層力強い数字が必要だ」と述べた。

前日の米国株は上昇。ダウ工業株30種平均は2008年6月以 来初めて1万2000ドルを上回って引けた。

中東情勢

政治的混乱は中東全域に広がっており、北海ブレント原油先物は 今週に入り、バレル当たり100ドルを超えた。CMAによると、エジ プト国債を保証するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の スプレッドは、38.7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上昇し378.9bp。

ノーベル経済学賞受賞者のジョゼフ・スティグリッツ氏はブルー ムバーグテレビジョンとのインタビューで、「エジプトの騒乱が波及 するリスクが本当にある」と指摘。「石油輸出に影響が出た場合のみ、 その影響は非常に大きくなるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は、 1バレル=90.86ドルと、約2年ぶり付近で終了した。

NYSEArca航空指数は2.5%下落。デルタ航空は3.7% 安、アメリカン航空の親会社AMRは2.1%値下がりした。

ブロードコム

ブロードコムは下落。10-12月(第4四半期)の粗利益率が

50.9%と、アナリスト予想(51.6%)を下回った。

アフラックも安い。同社の10-12月(第4四半期)決算は、 一部投資損益を除いた営業利益が1株当たり1.33ドルと、ブルー ムバーグが集計したアナリスト19人の予想平均1.35ドルを下回っ た。実現投資損失は前年同期の3億700万ドルから1億9100万ド ルに縮小した。

EAは上昇。同社10-12月(第3四半期)決算は、一部項目 を除く1株利益が59セントと、ブルームバーグがまとめたアナリ スト19人の予想平均(56セント)を上回った。一部項目を除く売 上高は14億1000万ドル。予想平均は14億3000万ドルだった。

◎米国債:3日続落、ADP雇用増で労働省統計の伸び加速を警戒

米国債相場は3日続落。民間の雇用リポートを受け、非農業部門雇 用者数の伸びが加速するとの見方が広がった。来週実施の四半期定例入 札は総額720億ドルと発表された。

10年債利回りは一時、ほぼ7週間ぶり高水準となった。給与明細 書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(AD P)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与名簿に基づく集計調 査によると、1月の米民間部門の雇用者数は市場予想を上回る伸びと なった。労働省は4日に雇用統計を発表する。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・ コミスキー氏(ニューヨーク在勤)は、「雇用統計の数字が予想より 強く出るとの観測が広がっている」と指摘。「投資家は守りに入り、 取引レンジの下限に向かいつつある」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時25分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇し3.48%。一時3.50%と、

3.56%を付けた昨年12月16日以来の高水準となった。同年債(表 面利率2.625%、2020年11月償還)価格は10/32下げて、92 31/32。

30年債利回りはほぼ変わらずの4.62%。一時は4bp上昇の

4.66%と、昨年4月27日以来の高水準となった。2年債利回りは一 時7bp上げて0.67%と、先月7日以来の高水準を付けた。

国債入札

財務省は来週、3年債320億ドル、10年債240億ドル、 30年債160億ドルの入札を実施する。入札の総額720億ドルは、ブ ルームバーグ・ニュースが債券ディーラーを対象に実施した調査と一致 した。また昨年11月に実施された前回の入札と同額だった。

ニューヨーク連銀はこの日、プライマリーディーラー(政府証券 公認ディーラー)に2社を追加した。連銀の発表によれば、追加され たのはMFグローバルとSGアメリカズ・セキュリティーズで、これ でプライマリーディーラーの数は合計20社となった。

外国為替市場ではユーロが対ドルで一時、昨年11月以来の高値を 付けた。またアイルランドやギリシャ、イタリアの国債のドイツ国債 に対するプレミアム(上乗せ利回り)は3日連続で縮小した。投資家 は、欧州の指導者らがソブリン債危機克服に向けた対応を強化できる とみている。ただ、ドイツは欧州の救済基金である欧州金融安定ファ シリティー(EFSF)が高債務国による国債買い戻しの資金を貸し 付ける案を認めないとした。

「状況は改善」

モルガン・スタンレーの米金利戦略責任者、ジェームズ・キャロ ン氏は「欧州の状況は改善している」とし、「欧州でのリスクの重要 性が若干低下すれば、利回りは上昇するのが自然な動きとなる」と述 べた。

独10年債との利回り格差は、ギリシャ10年債が0.28ポイント 縮小の7.55ポイント。これは昨年10月以降で最小。アイルランド 10年債は0.24ポイント縮めて5.56%。イタリア10年債は0.15 ポイント縮小し、1.28ポイント。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト81人を対象に実施した 調査によれば、4日発表の1月の雇用統計では非農業部門雇用者数は 前月比14万人増と見込まれている。前月は10万3000人増だった。 失業率は9.5%と、前月の9.4%から上昇が予想されている。

◎金先物:反落、景気回復で代替投資需要が後退

ニューヨーク金先物相場は反落。景気回復で代替投資としての需要 が弱まるとの見方から売りが膨らんだ。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッ シング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与名簿に 基づく集計調査によると、1月の米民間部門の雇用者数はエコノミス ト予想よりも増加した。金は2010年に30%上昇したものの、今年 1月には6.1%下げた。金に裏付けされた上場投資信託(ETF)か ら株式市場やほかの素材市場に資金が流れた。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・ レシュ氏(シカゴ在勤)は「金が昨年のように30%上昇するとは誰 も考えていない」と指摘。「景気は堅調に推移しており、金への需要 を抑制している。ファンドはトウモロコシや大豆、小麦などほかの商 品にもっと良い投資機会があると感じている」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比8.20ドル(0.6%)安の1オンス=1332.10ド ルで終了した。

◎原油先物:小幅高、エジプト混迷で約2年ぶり高値付近維持

ニューヨーク原油先物相場は小じっかり。エジプト混迷で中東から の原油輸出が脅かされるとの見方が広がり、約2年ぶり高値付近を維持 した。

エジプト首都カイロでは市中心部にあるタヒリール広場で、ムバ ラク大統領を支持する勢力と反政府のデモ隊が衝突し、暴動が起きた。 これを受けて、ロンドンで取引されている北海ブレント原油は2年4 カ月ぶりの高値に上昇した。エネルギー省の週間在庫統計で原油とガ ソリンが予想以上に増加したことが明らかになると、原油価格は上値 を削らされた。

エネルギー顧問会社、オイル・アウトルックス・アンド・オピニ オンズ(ヒューストン)のカール・ラリー社長は、「誰もがテレビの 画面に釘付けになっており、市場はエジプトからの最新の映像に動か されている」と語る。「何らかの形で危機に収拾がつくまで、原油は 上昇基調となろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比9セント(0.10%)高の1バレル=90.86ドルで終了。先月31 日には日中の価格としては2008年10月7日以来の高値となる

92.84ドルをつけていた。過去1年間では18%値上がりしている。

◎欧州株:売り優勢、エレクトロラックスが下落

欧州株式市場では売りが優勢。スウェーデンの家電メーカー、エレ クトロラックスやトラックメーカーのスカニアなどが発表した決算が 投資家の失望を誘った。

エレクトロラックスを中心にスウェーデン株が下落した。今年 の北米と欧州での成長が「緩やか」になると予想したのが手掛かりだっ た。スカニアはスウェーデン・クローナの上昇が今年第1四半期の利益 を損ねるとの見方を示したのが嫌気された。一方、英たばこメーカー、 インペリアル・タバコ・グループは上昇。増配計画が好感された。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%高の284.59で終了 した。騰落比率は約3対4。

ユニフォーム・インベストメント・マネジメントのマネジング ディレクター、リチャード・リチャーデリ氏(ロンドン在勤)は、この 日発表された決算内容は、「予想通りか、それをやや下回った」と 述べ、「投資家は米労働市場の回復の確証を待っている。1月時点 での、回復への確信はまだ低かったが、株価の上昇は資産運用者の多く を驚かせた」と続けた。

エレクトロラックスは7.9%安。同社の昨年10-12月(第 4四半期)決算は利益が9億2500万クローナ。アナリスト予想の 16億6000万クローナを下回った。

スカニアは2%安。同社は「クローナ上昇に伴うマイナスの影 響が2010年第4四半期の業績にも表れたが、今四半期はさらには っきりと、その悪影響が出るだろう」と述べた。

一方、インペリアルは5.9%上昇した。

◎欧州債:高債務国の国債が大幅上昇-危機対策を楽観

欧州債市場では、アイルランドをはじめ高債務国の国債相場が大幅 上昇。域内の指導者は、ユーロ防衛の決意表明に向け準備を進めている ほか、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能をめぐる意見の 相違を埋める取り組みを続けており、これらが材料視された。

アイルランド10年債利回りは、約1週間ぶり低水準に低下。格 付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がアイルランドの 信用格付けを引き下げたものの、国債相場は上昇した。ポルトガル国債 も上昇。短期債の発行で借り入れコストが低下したことが手掛かり。ス ペイン10年債利回りは昨年12月3日以来の低水準を付けた。

ドイツ2年債利回りは2009年8月以来の高水準。ユーロ圏の昨 年12月の生産者物価は2年余りで最大の上昇となった。

バークレイズの債券ストラテジスト、ヒュー・ワーシントン氏 (ロンドン在勤)は「確実に何かが進展している」とし、「これによ り市場では前向きなトーンが広がり、信頼感にプラスとなっていること は間違いない」と述べた。

ロンドン時間午後5時45分現在、アイルランド10年債利回り は前日比20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

8.8%。同年債(表面利率5%、2020年10月償還)価格は

1.085上げて75.73。アイルランド10年債と独10年債の利回り 格差は24bp縮小し、5.56ポイントとなった。

ベルギー10年債も上昇。利回りは9bp低下し4.13%となっ た。イタリア10年債利回りは11bp下げて4.54%。ギリシャ10 年債利回りは26bp低下の10.79%。

スペイン10年債の利回りは13bp下げて5.1%。独10年債 に対するプレミアム(上乗せ利回り)は183bpに縮小した。一時 180bpと、昨年11月3日以降で最小となった。

独10年債利回りは4bp上げて3.26%と、昨年2月23日以 来の高水準。2年債利回りは8bp上昇の1.49%と、09年8月以 来の高水準となった。

◎英国債:2年債が続落、09年6月以来の高利回り-建設業指数で

英国債市場では2年債が3日続落。利回りは2009年6月以来の 高水準となった。1月の英PMI建設業指数は53.7と、前月の

49.1から上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想平均の

49.5を上回った。同指数では50を上回ると拡大を示す。

ブルームバーグがまとめたデータによると、2年債利回りは前日比 10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.5%。同年 債(表面利率4.5%、2013年3月償還)価格は0.225ポイント下 げて106.15。

10年債利回りは6bp上昇の3.76%。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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