NY外為:ユーロ、対ドルで下落-欧州の債務懸念再燃

ニューヨーク外国為替市場では、 ユーロがドルに対してほぼ3カ月ぶりの高値から下落。欧州の救済基 金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が高債務国による 国債買い戻しの資金を貸し付ける案をドイツが認めないとしたことか ら、域内のソブリン債危機が継続するとの懸念が再燃した。

ユーロが対ドルで3日ぶりに下げた背景には、格付け会社スタン ダード・アンド・プアーズ(S&P)がアイルランドの信用格付けを 引き下げたこともある。ムバラク大統領が9月の大統領選挙までは退 任しないと表明してから一夜明けたエジプトでは、政府が治安回復へ 強硬手段をとる構えを見せている。スウェーデン・クローナはすべて の主要通貨に対して下落。同国の中央銀行が規制の厳格化を求めたこ とがきっかけ。

UBSの為替ストラテジスト、アメリア・ブルドー氏は「リスク 回避の動きがあるようだ。とりわけユーロの値動きはそうだ」と指摘。 「S&Pによるアイルランド格下げや、EFSFに関するドイツの見 解、エジプト情勢すべての組み合わせが要因だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時57分現在、ユーロはドルに対して前 日比0.2%安の1ユーロ=1.3806ドル。一時は1.3862ドルと、 昨年11月9日以来の高値を付けた。ユーロは円に対してほぼ変わら ずの1ユーロ=112円59銭。一時は0.4%値上がりする場面もあ った。円は対ドルで0.3%安の1ドル=81円57銭。

S&Pは、アイルランドの信用格付けを「A-」と従来の「A」 から1段階引き下げた。格下げ方向で見直す「ウォッチネガティブ」 も継続する。同社は「大きな部分を国家が保有している金融セクター の追加的な資本ニーズをめぐる不透明」を指摘した。

EFSFの権限

ユーロは主要16通貨中、8通貨に対して値下がりした。ドイツ の当局者は今月4日の欧州連合(EU)首脳会議を控えた記者説明で、 EFSFには既発債を購入する法的権限がないと発言した。

バンク・オブ・ノバスコシアの為替ストラテジスト、カミラ・サ ットン氏は「EFSFの権限変更に関して、これまで期待が膨らんで いたため、ユーロの上昇を支えていた」と指摘。「市場の関心は欧州 に再び戻っている」と述べた。

ドルは対円で上昇

ドルは円に対して上昇。米国債の利回り上昇で、外国人投資家に とって米国債の魅力が増大した。米2年債利回りは前日比6ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.66%。10年債利回 りは4bp上昇の3.48%。

イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)メン バーが利上げの必要性を指摘するなか、英ポンドはドルに対して3日 続伸。ポンドはドルに対して一時0.6%高の1ポンド=1.6230ド ルと、昨年11月5日以来の高値。ユーロに対しては0.4%上昇し た。

イングランド銀行金融政策委員会のセンタンス委員は、英金利に ついて、今後急激な上昇を回避するために今から着実なペースで引き 上げる必要があるとの見解を示した。無料の英経済紙シティーAMが、 同委員とのインタビューを基に伝えた。

センタンス委員は、ひとたびインフレという「悪霊」が瓶から飛 び出せば、英国は物価安定の回復という困難な課題に直面するだろう と述べた。

スウェーデン・クローナは安い

スウェーデン・クローナはすべての主要通貨に対して下落。スウ ェーデン中央銀行は、バーゼル銀行監督委員会が打ち出した規制より も厳格な規則を求めた。同中銀のイングベス総裁は、スウェーデンの 銀行は資本市場での資金調達への依存や家計の債務拡大によりリスク に直面するとの見解を示した。

クローナはドルに対して0.8%安と、3日ぶり下落。年初から は4.5%高と、対ドルの上昇率でトップとなっている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE