国内市況:株は今年最大の上昇率、債券反発、ユーロ3カ月ぶり高値

東京株式相場は大幅に続伸。TOP IX、日経平均株価ともに、ことし最大の上昇率となった。1月の米 供給管理協会(ISM)製造業景況指数などを受け、米国経済の回復 や良好な企業業績への評価が広がり、エジプト情勢の改善に対する期 待も加わった。トヨタ自動車など輸出関連や金融株などの時価総額上 位銘柄中心に上げ、東証1部33業種はすべて高い。

TOPIXの終値は前日比16.12ポイント(1.8%)高の929.64、 日経平均株価は182円86銭(1.8%)高の1万457円36銭。東証1部 の値上がり銘柄数は1400、値下がりは170。東証1部の売買代金は概 算で1兆7667億円と売買エネルギーも急拡大し、8営業日ぶりの高水 準。売買高は同24億2069万株。

景気と業績がともに良好なことを示すデータが相次ぎ、午前にじ り高となった株価指数は、午後もおおむね高値圏で推移した。エジプ ト情勢にやや変化の兆しが出てきたほか、中国が春節(旧正月)に入 り、同国利上げなどの不安材料が後退。TOPIX、日経平均の終値 上昇率は、ことし最高だった1月4日(1.5%、1.7%)を上回った。

ISMが1日に発表した1月の米製造業景況指数は60.8と、エコ ノミスト予想の中央値58を上回り、2004年5月以来の高水準となっ た。調査会社オートデータ調べでは、1月の業界全体の米自動車販売 台数は年率換算で1260万台。1月に前年同月比17%増と伸びたトヨ タ自動車の上昇率は3.3%と、昨年9月15日(3.8%)以来の大きさ を記録。日産とインフィニティの両ブランドを合わせた販売台数が 15%増だった日産自動車も大幅続伸した。

一方、エジプトのムバラク大統領は1日の国営テレビでの演説で、 9月の次期大統領選には出馬しないと言明。それまでに大統領候補の 資格と任期に関する法律を改正する意向を示した。反対派は即時辞任 を求めているが、ムバラク氏が次期大統領選に出馬しないことでエジ プト情勢の泥沼化や中東諸国への混乱拡大という懸念はやや後退した との見方が出ていた。

債券反発-超長期に押し目買い

債券相場は反発。景気回復期待を反映した米国の株高・債券安を 受けて国内債市場も先物中心に売りが先行した。しかし、金利上昇局 面では長期や超長期債に買いが入り、先物市場も株価が高止まる中で も買い戻しが優勢となった。

東京先物市場の中心限月3月物は前日比12銭安い139円60銭で 開始。午前には一時139円57銭まで下落するなど、内外株高を受けて 売り優勢となった。しかし、午後に入ると次第に下げ幅を縮小させ、 1時半前後からはプラス圏で推移し、一時は139円83銭まで上昇。結 局は1銭高の139円73銭で取引を終えた。

ISM製造業景況指数の上昇を受け、前日の米国株相場は2日続 伸し、ダウ工業株30種平均の終値は08年6月以来で初めて1万2000 ドルを上回った。一方、米10年債利回りは7ベーシスポイント(bp) 高い3.44%付近で引けた。

もっとも、東京外国為替相場は約1カ月ぶりのドル安・円高水準 で推移。4日発表される米雇用統計を見極めたいとの声もあった。こ のため、現物市場は総じて動意が乏しかったが、長期金利の1.2%台 半ばなど金利上昇時には投資家の押し目買いが入ったもよう。10年債 利回りは前週の日本国債格下げ後も1.25%を上抜けなかった。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回り は1日終値より0.5bp高い1.235%で始まり、いったんは4営業日ぶ り高水準の1.245%を付けた。ただ、午後に入ると低下に転じ、一時 は1.5bp低い1.215%を付けた。超長期債相場も堅調。20年物の123 回債利回りは1.5bp低下の1.955%、30年物の33回債も1.5bp低い

2.15%まで下げた。

ドルと円が下落-リスク選好回復

東京外国為替市場では、ドルと円が下落。世界的に株価が上昇す る中、リスク選好の動きを背景とした売り圧力が強まった。

ユーロ・円相場は午後に一時1ユーロ=112円90銭と、3営業日 ぶりの水準まで円安が進行した。午後3時40分現在は112円84銭付 近。ユーロ・ドル相場でもドルが一段安となり、一時は1ユーロ=

1.3862ドルと、昨年11月9日以来のドル安値を更新。同時刻現在は

1.3847ドル近辺で取引された。

ユーロ圏ではドイツの1月の失業者数が前月比1万3000人減の 313万5000人と、1992年11月以来の低水準となった。1月のユーロ 圏製造業景気指数は改定値で57.3と、速報値の56.9から上方修正さ れた。前日の欧州市場では株式相場が大幅上昇。独10年債利回りは、 ほぼ1年ぶりの高水準となった。

内外株価が大幅高となったことから、東京市場ではリスク選好の 円売りが優勢となり、主要16通貨に対して円が全面安。ドル・円相場 は一時1ドル=81円60銭と、前日のニューヨーク時間午後遅くに付 けた81円35銭からドル高・円安方向に振れた。午後3時40分現在は 81円50銭付近。前日の海外市場では一時81円31銭と、1月3日以 来、約1カ月ぶりのドル安・円高水準をつけた。

市民のデモで混乱が続くエジプトでは、ムバラク大統領が1日に 国営テレビで演説し、9月の次期大統領選には出馬しないことを明ら かにした。反政府勢力の指導者となったエルバラダイ国際原子力機関 (IAEA)前事務局長は2日、大統領辞任後も権力の空白は生まれ ないだろうと言明している。

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