亀崎日銀委員:為替の急激な変動は望ましくない-会見

日本銀行の亀崎英敏審議委員は2 日午後、佐賀市内で会見し、円ドル相場が1ドル=81円台に上昇して いることについて「為替は企業収益や、企業や家計のマインドに与え る影響が非常に大きい」とした上で、「急激な変動は望ましくない」 として、今後とも為替相場の動向を注意深く見ていく考えを示した。

亀崎審議委員は同日午前の講演で、足元の国内景気は踊り場局面 にあるものの、輸出が早晩回復してくるとみられることや、円高が一 服していることから、「踊り場局面を短期間で終え、再び緩やかな回 復経路に復していく可能性が高い」との見方を示した。会見では、具 体的な時期について「これから春ごろにかけて、徐々に一服の状態か ら脱していく可能性が高いとみている」と述べた。

日本国債の格付けが引き下げられたことについては「10年物利付 国債金利が1.2%台程度で、極めて安定して推移している」など、金 融資本市場は「格下げに対して落ち着いた反応を示していると評価し ている」と述べた。

亀崎委員はその上で「政府債務が膨れ上がって、今年度末の国と 地方の債務残高は名目GDP(国内総生産)比で実に1.8倍に達する 状況だ」と指摘。日本の財政状況が厳しいにもかかわらず、格下げに 対して金融市場が現在、冷静に反応している背景には「今後の財政再 建に向けた取り組みに対する市場の信認が引き続き確保されている証 左だと受け止めている」と述べた。

エジプト情勢は極めて緊迫している

亀崎委員は「もっとも、現在の欧州ソブリン(財政赤字)問題を 見ても、金融市場は経済、財政状態が大きく変わらない中で突然変動 するという、非連続的な変化を時として示すものでもある。そういっ た意味で、市場の信認が確保されているうちに、日本の財政が再建へ の道筋をしっかりつけていくことが極めて大事な課題であると認識し ている」と語った。

エジプト情勢については「これがさらに北アフリカや周辺の中東 産油国を含む他の国々へ波及して政情不安をもたらさないか、極めて 緊迫した状況であり、懸念している。スエズ運河に影響が出ないかも 注意しなければいけない」と述べた。

亀崎委員はその上で「このところ米欧の株式市場が影響を受けて いるほか、原油や金の急騰がみられている。私としては一刻も早く事 態の鎮静化を望むとともに、この先金融市場や消費市場が不安定さを 増していかないか、注意深く見守っていきたい」と語った。

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