債券は反発、金利上昇で長期や超長期に買い-株高でも先物に買い戻し

債券相場は反発。景気回復期待を反 映した米国の株高・債券安を受けて国内債市場も先物中心に売りが先 行した。しかし、金利上昇局面では長期や超長期債に買いが入り、先 物市場も株価が高止まる中でも買い戻しが優勢となった。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、米国の景気回復やこれを受けた内外株高が売り材料視された と指摘。ただ、米雇用統計を控えて基本的には「閑散に売りなし」の 状況で、小口の現物買いが午後の相場を押し上げたとも言う。

東京先物市場の中心限月の3月物は前日比12銭安い139円60銭 で開始。午前には一時139円57銭まで下落するなど、内外株高を受け て売り優勢の展開となった。しかし、午後に入ると次第に下げ幅を縮 小させて、1時半前後からはプラス圏での推移となり、一時は139円 83銭まで上昇。結局は1銭高の139円73銭で取引を終えた。

米供給管理協会(ISM)が1日に発表した1月の製造業景況指 数が事前予想に反して上昇したため、前日の米国市場は株高・債券安 となった。国内市場でも日経平均株価が一時は2%も続伸して、債券 には先物中心に売りが優勢となった。ドイツ証券の山下周チーフ金利 ストラテジストは、米国株相場がエジプトの政情不安前の水準を上抜 けたことから、国内市場の反応も株高・債券安だったと指摘した。

きのうの米国株相場は2日続伸となり、ダウ工業株30種平均の終 値は2008年6月以来で初めて1万2000ドルを上回った。一方、米10 年債利回りは7ベーシスポイント(bp)高い3.44%付近で引けた。

現物債に投資家の買い

もっとも、東京外国為替相場が約1カ月ぶりのドル安・円高水準 で推移したほか、米国で4日に発表される雇用統計を見極めたいとの 声もあった。このため、現物市場は総じて動意の乏しい展開だったが、 長期金利の1.2%台半ばなど金利上昇時には投資家の押し目買いが入 ったもよう。

米国の景気回復期待が根強いことから、国内債市場でも金利の先 高観測がくすぶっているものの、10年債利回りは前週に日本国債格下 げ後も1.25%を上抜けなかった。大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、 10年債利回りでみて1.2%半ばは買いで動く向きが残っており、結果 的に先物市場は朝方に売りから入った向きが買い戻させられたと言う。

みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、国内債は 昨年10-12月期に持ち高を減らした向きが多く、円高基調もあって追 随売りなどは出ていないと指摘していた。

10年債利回りは一時1.215%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回り は、1日終値より0.5bp高い1.235%で始まり、いったんは4営業日 ぶり高水準の1.245%を付けた。その後しばらくは1.24%で推移した が、午後に入ると低下に転じ、一時は1.5bp低い1.215%を付けた。 3時10分過ぎからは横ばいの1.23%で推移している。

エジプトの政情不安を受けた前週末の米国市場が株安・債券高と なったため、312回債利回りは週初には一時1.195%まで低下して、約 2週間ぶりの1.2%割れを記録する場面があった。しかし、週初から 内外株式相場が持ち直したこともあって、312回債利回りは再び1.2% 台前半を中心としたレンジに押し戻されての取引が続いている。

米雇用統計発表前に積極的な取引が出にくいことも、足もとの市 場で金利こう着感を強めていたもよう。ドイツ証の山下氏は、雇用統 計を通じて米国の景気回復期待が一段と強まるかどうか見極めたい向 きが多いと指摘。このため、少なくとも週末までは一段の金利上昇シ ナリオを描きにくく、10年債利回りが1.2%台半ばに差し掛かったこ ともあって、金利水準からは売り一服の展開だったとも言う。

超長期債相場も堅調。20年物の123回債利回りは1.5bp低下の

1.955%、30年物の33回債も1.5bp低い2.15%まで下げた。みずほ信 託銀行債券運用部の吉野剛仁チーフファンドマネジャーは、午前に日 銀の国債買い入れ(輪番オペ)が通知されて需給が改善する中、超長 期債ゾーンには生命保険会社などが(一定額を分散して購入する)平 準買いを入れたもようだと話した。

ADPの民間雇用14万人増の見通し

米国の1月の雇用統計を見極める上で、給与明細書作成代行会社 のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイ ヤー・サービシズがまとめる給与名簿に基づく集計調査への注目度も 高い。東京時間の今晩に発表されるADP調査について、市場では民 間部門の雇用者が14万人増加したと見込まれている。

ドイツ証の山下氏は、ADPの調査は米国の雇用情勢を占うにあ たって注目だと指摘。もっとも、昨年12月分では民間雇用者数が大幅 に増えたわりに、雇用統計では予想を下回るなどギャップがあったた め、株価や金利に明確な方向性が出るとはみていない。

ADPが1月5日に発表した昨年12月の民間雇用者数が29.7万 人増えて、エコノミスト予想の10万人増から上振れると、同日の米国 市場では景気楽観見通しが広がった。これを受けて米10年債利回りは 14bpも急騰したほか、米国株相場は堅調な推移となった。

--取材協力:池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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