2月1日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品 相場は次の通り。

◎外国為替:ドル下落、米製造業統計などでリスク志向

ニューヨーク外国為替市場では、ドルがすべての主要通貨に対して 下落。米供給管理協会(ISM)製造業景況指数がほぼ7年ぶりの高水 準となったことや、株式相場がエジプト情勢を受けた下げから持ち直し たことを手掛かりに、リスク資産通貨への需要が膨らんだ。

ユーロはドルに対して昨年11月以来初めて1ユーロ=1.38ド ルを突破した。1月のユーロ圏製造業景気指数(改定値)が前月から 上昇したことや、ユーロ圏の救済基金が財政難に陥っている国の国債 を引き受ける可能性があるとの観測が背景。韓国ウォンは同国輸出 が予想以上の伸びを示したことをきっかけに高い。スウェーデン・ク ローナはユーロに対して10年ぶりの高値に上昇。同国中銀が利上げ を実施するとの観測が広がった。

シティグループのG10通貨戦略責任者、スティーブン・イング ランダー氏は、「世界経済には統計データで著しい強さがみられる分 野が3つあることを市場は示している」と指摘。「それは米国の成長 と欧州の製造業、アジアでみられる成長だ。市場は過去2日間、エジ プトのリスクにも一段と慣れてきている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時12分現在、ドルはユーロに対して前 日比1%安の1ユーロ=1.3833ドル(前日1.3694ドル)。一 時は1.3836ドルと、昨年11月9日以来の安値を付けた。ドルは 円に対して0.8%安の1ドル=81円41銭(同82円04銭)。一 時は81円32銭と、3日以来の安値となった。円はユーロに対して

0.2%安の1ユーロ=112円59銭(同112円34銭)。

カイロのデモ

エジプト・ポンドはドルに対して前日比ほぼ変わらずの1ドル=

5.8570ポンドと、ほぼ6年ぶり安値付近。エジプトでは銀行の営 業停止と株式市場の休場が続いている。

エジプトの首都カイロではムバラク大統領の退陣を求めるデモが 続き、市内中心部に参加者が集結。エジプト軍はデモ行進への参加者 には発砲しないと言明し、「国民の要求の正当性」を認識していると した。一方、エジプトのムバラク大統領はこの日、再選を目指さない と表明した。

ゲイン・キャピタル・グループ傘下のオンライン為替取引会社F OREXドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)のチー フストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は、「現時点でエジプト が及ぼす世界規模の大きな影響は予想していない」と述べた。

S&P500種株価指数は1.7%高で終了。ニューヨーク原油先 物相場は反落。エジプト騒乱がスエズ運河を経由する原油供給の障害 につながるとの懸念が和らいだ。

米製造業

米供給管理協会(ISM)がこの日発表した1月の製造業景況指 数は60.8と、2004年5月以来の高水準を記録した。同指数では 50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。

ユーロはドルに対して続伸。欧州の当局者らは、ユーロ圏の救済 基金が財政難に陥っている国の国債を引き受けることを認める案で、 合意に近づいている。事情に詳しい関係者が明らかにした。

マークイット・エコノミクスがこの日発表した1月のユーロ圏製 造業景気指数(改定値)は57.3と、昨年12月の57.1から上昇。 速報値の56.9から上方修正され、昨年4月以来の高水準となった。

韓国ウォンとスウェーデン・クローナ

韓国ウォンはドルに対して0.4%高。同国の知識経済省が発表 した1月の輸出は前年同期比46%増加し、伸び率はブルームバーグ がまとめたエコノミスト予想中央値の39.1%増を上回った。

スウェーデン・クローナはユーロに対して一時0.5%高の1ユ ーロ=8.7845クローナと、2000年12月以来の高値を付けた。ド ルに対しては1.1%上昇。

スウェーデン中央銀行は昨年7月以降に4回の利上げを実施。回 復ペースを制御するため、一段の引き締めが必要だとの認識を示して いる。同中銀は15日に政策決定の発表を行う。

◎米国株:上昇、ダウ平均は08年6月来初の12000ドルで終了

米株式相場は上昇。ダウ工業株30種平均は、2008年6月以来初 めて1万2000ドルを上回って終えた。米国と中国で製造業の拡大が 示されたほか、小荷物輸送のユナイテッド・パーセル・サービス(UP S)の発表した決算が予想を上回る業績だったことに反応した。

UPSは4.2%高。資源のフリーポート・マクモラン・カッパ ー・アンド・ゴールドやアルミ生産のアルコアも高い。銅相場が最高 値を更新したのが材料となった。製薬のファイザーも決算を手掛かり に上昇。この日は、バンク・オブ・アメリカ(BOA)を中心に金融 株が値上がりした。BOA傘下のメリルリンチがMBIAから訴えら れた訴訟で、MBIAの訴えが却下されたこと好感された。

S&P500種株価指数は前日比1.7%高の1307.59と、昨 年12月1日以来の大幅高。過去2日間の上昇率は2.5%となり、エ ジプトの騒乱を材料にした1月28日の下げを埋めた。ダウ工業株 30種平均は148.23ドル上昇の12040.16ドル。

スチュワート・キャピタル・アドバイザーズ(ペンシルベニア 州インディアナ)の調査ディレクター、マシュー・ディフィリッポ氏 は、「持続的な成長局面に入ったことを示唆する多くの材料がある」 と述べ、「企業の業績は良好だ。中国当局はインフレ抑制に苦戦して いるが、経済はなお力強い。絶対ベースでの株価は割安な水準にある。 債券や現金と比較してもそうだ」と続けた。

S&P500種株価指数は年初から4%上昇。政府による景気対 策や企業の好決算が寄与している。今月10日以降に決算を発表した 204社のうち、約74%で利益が予想を上回った。

ISM製造業指数

米供給管理協会(ISM)が発表した1月の製造業景況指数は

60.8と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中 央値58を上回った。同指数では50が製造業活動の拡大と縮小の境 目を示す。この指数発表後、株は上げ幅を拡大した。

米国内総生産(GDP)は昨年第4四半期に前期比年率3.2% 拡大。前四半期の2.6%増から伸びが加速した。前日発表のシカゴ 地区の製造業景況指数は1988年以来の高水準を記録、個人消費も予 想を上回る伸びだった。

UPSの2010年10-12月(第4四半期)決算は、利益がア ナリスト予想を上回った。ホリデーシーズンの好調な需要を背景に取 扱量が増加した。

S&P500種が1300台

同社の1日の発表によれば、調整後の1株当たり利益は1.08ド ルと、ブルームバーグがまとめたアナリスト23人の予想平均 (1.05ドル)を上回った。売上高は前年同期比8.4%増の134億 2000万ドル。アナリスト予想の平均を上回った。

S&P500種が前回、1300を上回って終えたのは2008年8 月。アウアーバッハのグローバル・テクニカルストラテジスト、リチ ャード・ロス氏(ニューヨーク在勤)は「現在、相場の勢いと基本的 な要因は非常に強く、心理的な水準がこの上昇局面を終わらせること はないだろう」と指摘。「悪いニュースにも相場が前向きに反応する のは、強い底流を示唆している」と述べた。

中国物流購買連合会が発表した1月の製造業購買担当者指数 (PMI、季節調整済み)と、HSBCホールディングスとマークイ ット・エコノミクスが発表したPMIは、いずれも製造業活動の拡大 と縮小の境目を示す50を上回った。

S&P500種株価指数の素材株指数は2.8%高。産業別10指 数の中で最大の値上がり率だった。フリーポートは4.9%高、アル コアも4.5%上げた。

BOAは4.2%高。S&P500種株価指数金融株指数は

2.2%上昇し、産業別10指数の中では2番目に高い上昇率だった。

◎米国債:下落、ISM製造業景況指数の上昇に反応

米国債相場は下落。米供給管理協会(ISM)の製造業景況指数の 上昇が手掛かりとなった。2年債と30年債の利回り格差は過去最大付 近に拡大した。

アラブ首長国連邦(UAE)の衛星テレビ、アルアラビーヤは、 エジプトのムバラク大統領が再選を目指さない意向を表明すると報じ た。これを手掛かりに高利回り資産に再び需要が集まったことで、逃 避先としての米国債需要が後退した。4日には、1月の米雇用統計が 発表される。

ウェルズ・ファーゴで約30億ドルの債券運用に携わるジェイ・ミ ューラー氏は、「ISMの統計は非常に力強かった」と指摘。「成長 が力強さを増している。ようやく雇用に伸びが見られるようになるか もしれない」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間3時52分現在、30年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の4.62%。同年債(表面利率4.25%、 2040年11月償還)価格は23/32下げて94 2/32。

30年債と2年債の利回り格差は4.03ポイントに達した。過去最 大は1月28日に記録した4.04ポイント。

2年債利回りはこの日は5bp上げて0.61%。10年債利回りは 8bp上昇し3.45%。

ISM製造業景況指数

ISMが発表した1月の製造業景況指数は60.8と、前月の

58.5から上昇し、2004年5月以来の高水準を記録した。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は58だった。同指 数では50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター で米国債トレーディング責任者のマイケル・フランゼーズ氏は「長期 債にはマイナス、短期債にはプラスだ」と分析した。

ブルームバーグのまとめた予想によれば、財務省が来週実施する 3年、10年、30年債の入札規模は合計720億ドル。

入札

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)18社のうち 12社によれば、来週の四半期定例入札での規模は3年債が320億ド ル、10年債が240億ドル、30年債は160億ドルとなる見通し。

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限が2013年7月から40年 2月までのインフレ連動債(TIPS)17億4000万ドルを購入した。

購入額は保有者が差し出した総額の43%。過去10回の買い入れ の平均は30%となっている。

米国大和証券の債券部門責任者、レイ・レミー氏は、市場には米 国債利回りを押し上げる根拠が多くあるとみる。

同氏は「あすは入札規模の発表のほかにエジプト情勢のニュース もある。経済指標は若干改善するだろう。さらには、これが最も重要 かもしれないが、欧州での利上げに関する発言だ」と指摘。「エジプト 情勢に関係なく、相場は上げ過ぎ、もしくは利回りが下げ過ぎだった」 と続けた。

◎金先物:反発、インフレ観測でヘッジ買い

ニューヨーク金先物相場は反発。インフレ加速を警戒し、ヘッジ としての金買いが活発化するとの思惑が背景にある。前月は月間ベー スで昨年7月以降で初のマイナスとなっていた。

前日の商品市場では原油価格が2年ぶり高値を付けた。欧州連合 (EU)統計局(ユーロスタット)が同日発表した1月のユーロ圏消 費者物価指数(速報値)は前年同月比2.4%上昇。エコノミストの予 想を上回る上昇となった。インフレ加速は韓国やインドネシアでも明 らかになった。前月の金相場は6.1%の値下がり。昨年は30%値上 がりし、12月には過去最高値を記録していた。

ユーロ・パシフィック・キャピタル(ニューヨーク)のシニアエ ノミスト、マイケル・ペント氏は、「インフレの波は世界中に広がり、 やがては各国の海岸に押し寄せる」と語る。「ポートフォリオに金な どの価値保存手段を加えるとの決定は必至だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比5.80ドル(0.4%)高の1オンス=1340.20ドル で終了した。過去最高値は昨年12月7日に記録した1432.50ドル。

◎原油先物:反落、エジプト絡みの供給リスクが低下

ニューヨーク原油先物相場は反落。エジプト騒乱がスエズ運河を 経由する原油供給の障害につながるとの懸念が和らぎ、前日の2年ぶ り高値から下げた。北海ブレント原油は前日に続いて1バレル当たり 100ドルを上回った。

1日当たり220万バレルの原油が輸送されるスエズ運河の当局 者らは、通常通り船舶の運航が続いていると述べた。石油輸出国機構 (OPEC)のバドリ事務局長は前日、政情不安が輸送に影響を及ぼ した場合は増産で対応する意向を示していた。

BNPパリバ・コモディティ・フューチャーズのブローカー、ト ム・ベンツ氏(ニューヨーク在勤)は、「エジプト騒乱はこれまでの ところ、原油動向に一切影響していない。障害が生じた場合はOPE Cが補う意向を示している」と指摘。「前日までの2営業日で力強く 上げてきた。今は一服時だ。プレミアムはやや縮小しつつある」と述 べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比1.42ドル(1.54%)安の1バレル=90.77ドルで終了。前日 は2008年10月3日以来の高値となる92.19ドルだった。過去1 年間では22%値上がりしている。

◎欧州株:上昇、2カ月ぶりの大幅高-BHPやインフィニオンが高い

欧州株式相場は上昇。2カ月ぶりの大幅高となった。米国と中国で 製造業の拡大が示され、世界的に景気回復が加速しているとの信頼感が 強まった。

英豪系鉱山のBHPビリトンを中心に鉱山株が上昇。銅相場が 最高値を更新したのが手掛かりだった。ギリシャの株式相場は上昇。 ギリシャ・ナショナル銀行が上げをけん引した。クレディ・スイ ス・グループがギリシャの投資判断を引き上げたのが材料だった。 欧州の半導体企業、独インフィニオン・テクノロジーと英ARMホ ールディングスも上昇。両社の決算はいずれも予想を上回った。

ストックス欧州600指数は前日比1.5%高の284.2で終了 した。昨年12月2日以来で最大の上げだった。

パイオニア・インベストメンツのドイツ部門の株式ポートフォ リオマネジメント責任者、マルクス・シュタインバイス氏は、「こ れまではエジプト情勢が利益を確定する材料だった」と述べ、「今 はよりマクロ経済的なテーマが材料だ」と続けた。

BHPは2.1%高。同業のリオ・ティント・グループは1.5% 値上がりした。

ギリシャ・ナショナル銀は7.7%高。

インフィニオンとARMはそれぞれ1.3%と6.1%の上昇。

◎欧州債:ドイツ債が下落、域内インフレ懸念で-ギリシャ債は上昇

欧州債市場ではドイツ国債相場が続落。域内での物価上昇を示す経 済指標を受けて、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁がインフレへ の対応に前向きな姿勢を示すとの観測が広がった。

相場下落により、独10年債利回りはほぼ1年ぶり高水準となった。 1月のユーロ圏製造業景気指数(改定値)は、速報値から上方修正さ れた。またドイツの失業者数は18年余りで最低となった。欧州の高債 務国の国債相場は、ギリシャを中心に上昇。域内の指導者らが債務危 機の解決に向けて近づきつつある兆候が示されたことが背景にある。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、デービッド・シュナウツ氏 (ロンドン在勤)は、「1月のユーロ圏のインフレ率が予想を上回っ たという事実で、独国債に対する下向きのモメンタム(勢い)が依然 強まっている」と指摘。「こうした状況になるとECBは過去にいち 早く表明してきており、それは周知されている」と述べた。

ロンドン時間午後3時55分現在、独10年債利回りは前日比8ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.23%。同年債 (表面利率2.5%、2021年1月償還)価格は0.610下げて93.88。 2年債利回りは4bp上げて1.41%

ギリシャ国債は大幅上昇。10年債は26bp下げて11.08%とな った。

◎英国債:下落、利上げ観測が強まる-NIESRの予測修正に反応

英国債相場は続落。英国立経済社会研究所(NIESR)が、イン グランド銀行(英中央銀行)は年内3回の利上げを実施するとの見通し を示したことに反応した。

2年債利回りは上昇し、2009年以来の高水準となった。NIES Rは、英中銀が年内に政策金利を1.25%まで引き上げると予想し、

0.75%に引き上げるとしていた昨年10月時点の予測を修正した。

アドバンスド・カレンシー・マーケッツ(ジュネーブ)の市場ス トラテジスト、エリザベス・グレゴリー氏は、「NIESRのニュー スはかなり重要だ」と指摘。「著名機関が利上げ予想を引き上げると いうのは重要な変化だ。成長よりもインフレ面への注目が高まってい ることを市場は示している」と述べた。

ロンドン時間午後4時15分現在、2年債利回りは前日比11ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.41%。これは昨年 10月以来の大幅な上昇で、09年12月30日以来の高水準。同年債 (表面利率4.5%、2013年3月償還)価格は0.24ポイント下げて

106.35。10年債利回りは6bp上昇の3.71%。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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