EU:救済基金による新発国債購入で合意近い-関係者

欧州の当局者らは、ユーロ圏の 救済基金が財政難に陥っている国の国債を引き受けることを認め る案で、合意に近づいている。一方、流通市場での既発債の購入に ついては異論がくすぶっているという。事情に詳しい関係者3人が 明らかにした。

救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が発 行国から直接、国債を引き受けられるようにすることは、基金に関 する広範な見直しへの第一歩となる可能性がある。

EFSFの機能強化をめぐっては、流通市場での既発債購入の ほか、支援対象国政府向け融資を利用して、当該国が国債を割引価 格で買い戻し償却できるようにする案や、救済を受ける国にとって より有利な条件への変更などが議論されているという。

救済資金を融資する代わりに直接国債を買い取ることは、財政 難国が起債を続けることを可能にし、救済資金に頼っているという 不名誉を回避する方法だと関係者らは説明した。議論は公開されて いないとして匿名を条件に語った。

スペインのサルガド財務相は1日マドリードでテレシンコ放 送に、救済基金は「可能な限り柔軟で広範であるべきだ」と語って いた。

詳細は3月首脳会議に持ち越しか

欧州連合(EU)首脳らは4日ブリュッセルで開催の首脳会議 で、債券購入を含めた危機対応包括案を協議する。ただ、詳細の決 定は次の3月の首脳会議に持ち越されるとみられる。

ドイツのメルケル首相は、EFSFの強化と2013年の同基金 終了後をにらんだ恒久的救済メカニズムの整備、将来の財政不均衡 監視と取り締まりの強化を盛り込んだ「包括的」解決策を呼び掛け ている。

ギリシャやアイルランド、ポルトガルの借り入れコスト上昇を 抑えるため、欧州中央銀行(ECB)は昨年5月から765億ユーロ (約8兆6000億円)相当の国債を購入してきたが、ユーロ圏の1 月のインフレ率は2.4%と、ECBが上限とする2%を超え、政治 指導者らはECBを本来の責務に専念させる必要も感じ始めた。

昨年5月のギリシャ救済後に急遽(きゅうきょ)取りまとめられ た構想では、当初、EFSFによる国債購入も想定されていたが、ド イツの主張で、融資の形を取ることになった。関係者によれば、国債 を購入すれば、将来これを市場で売却できる。

EFSF資金不足の懸念も

EFSFの資金規模が不十分との懸念もあるが、4400億ユー ロの全額を融資可能にすることが議論される一方、基金の総額を引 き上げる案は検討されていない。

また、救済融資を受けたアイルランドは、融資金利の引き下げを 求めている。EFSFのアイルランド向け融資の金利は5.8%と、調 達金利をほぼ300ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回っ ている。

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