【クレジット市場】「行き場ない債務」が生む利益、ECBに逆らうな

【記者:Anchalee Worrachate】

2月1日(ブルームバーグ):「米連邦準備制度理事会(FRB) とは争うな」というモットーが多くの米国債トレーダーを救ってきた が、ユーロ建て債の投資家も、欧州中央銀行(ECB)に同じ敬意を 払うことを学びつつあるようだ。

ギリシャ国債は1月にプラス3.8%と他の欧州国債を上回るリ ターンを上げた。国際的な投資家の大半が同国のデフォルト(債務不 履行)を予想しているとブルームバーグの調査で示されたにもかかわ らずだ。

アイルランド国債も相場に下落に歯止めがかかり、2009年12月 以来で最も成績が良かった。政府が支援要請に追い込まれた11月の リターンはマイナス11%だった。いずれの場合も、ECBによる国 債買い入れが状況の好転を促したとストラテジストらは考えている。

ジェフリーズ・インターナショナルの欧州担当チーフエコノミス ト、デービッド・オーエン氏は「ギリシャに関して特に楽観的な人々 と出会う機会はない」と指摘。「ギリシャ国債の最大の保有者は恐ら く、ECBとユーロ圏の銀行に違いない。金融機関はギリシャ国債を 売却して損失を確定させるわけにはいかず、保有を続けているだけだ。 センチメントが大幅に改善されたわけではない」と話す。昨年5月 10日以後のECBの国債購入は765億ユーロ(約8兆6000億円)相 当に上る。

ギリシャ国債の1月のリターンは4カ月ぶりにプラスに転じた。 トリプルA格付けを持つドイツ国債とフランス国債はそれぞれ

1.40%、1.15%のマイナスだった。アイルランドはマイナス0.58%。 ポルトガルはマイナス1.65%だったが、損失は昨年8月以来で最も 縮小した。

「特別目的事業体」

ギリシャの09年公的債務残高の国内総生産(GDP)比率は 127%と欧州連合(EU)で最も高く、12年には156%に達すると予 想されている。

JPモルガン・チェースは、高債務国の救済基金である欧州金融 安定ファシリティー(EFSF)がギリシャの発行済み国債を全て購 入した場合、公的債務のGDP比率が32ポイント低下すると予想す る。欧州金利戦略責任者のパバン・ワドワ氏は「ECBの国債購入に 逆らったり、EFSFが今後国債購入を開始する権限を与えられた場 合、それを妨げたりする存在になろうとは思わないはずだ」と述べた。

しかし、アビバ・インベスターズのシャヒード・イクラム副最高 投資責任者(CIO)は、政策当局者は「缶を蹴って少し先の方に転 がしているだけだ」とした上で、EFSFは「債務をAからBに移す 新手の特別目的事業体(SPV)のようなものだ。行き場のない過剰 な債務が残されており、ギリシャ国債とアイルランド国債には手を出 したくない」と悲観的な見方を示している。

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