ドル下落、米欧指標好調でリスク回避弱まる-対円約1カ月ぶり安値

東京外国為替市場では、ドルが下 落。米欧で経済指標が好調だったことから、リスク回避姿勢が弱まる 中、利上げ期待の生じているユーロとポンドに対してドル売りが進ん だ。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、株価 の動きを見ると、「まだリスクを取りたい」というムードも見受けら れると説明。エジプト情勢をめぐる懸念を背景に進んだリスク回避の 巻き戻しに伴うドル売りが徐々に優勢になったとみている。

ユーロ・ドル相場は午後にドルが一段安となり、一時は1ユーロ =1.3730ドルと、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた1.3693 ドルからユーロ高・ドル安が進んだ。午後3時40分現在は1.3719ド ル近辺で推移している。

ドル・円相場は朝方に付けた1ドル=82円15銭をドルの上値に、 じり安に展開。午後には損失を限定するためのドル売りを巻き込んで 一時81円76銭と、1月4日以来、約1カ月ぶりの安値を付けている。 午後3時40分現在は81円88銭付近で取引されている。

一方、ユーロ・円相場は午前に一時1ユーロ=112円70銭までユ ーロ高・円安が進んでいたが、午後は112円台前半に押し戻されて推 移した。

英欧の利上げ観測

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が1月31日に発表し た1月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年同月比2.4%上昇 と、昨年12月の2.2%上昇から伸びが加速。2008年10月以来の高水 準を記録した。ユーロ圏のインフレ加速を受けて、欧州債市場では独 国債の利回りが上昇している。

この日は1月の独失業者数が発表されるが、ブルームバーグ・ニ ュースがまとめた市場予想では、前月比で1万人の減少が見込まれて いる。

そうした中、欧州中央銀行(ECB)は3日に政策決定会合を開 く。ECB政策委員会メンバーのウェリンク・オランダ中央銀行総裁 は、ダウ・ジョーンズ通信(DJ)とのインタビューで、「世界的な 商品相場上昇がインフレ圧力となっていることは、かなり明白だ」と 指摘。「それが欧州でのインフレの動向をこれまで以上に注視する必要 がある理由だ」と語っている。

また、英国立経済社会研究所(NIESR)はイングランド銀行 (英中央銀行)が年内に政策金利を1.25%まで引き上げると予想し、 利上げが1回のみで0.75%に引き上げるとしていた昨年10月時点の 予測を修正。英国の2011年のインフレ率見通しも従来の2.8%から

3.8%に上方修正した。

バークレイズ銀行の逆井雄紀FXストラテジストは、米国では量 的緩和策の継続観測が根強い一方で、英国とユーロ圏では利上げ期待 が高まっており、「金融政策の見通しがドル売りに効いている面があ る」と説明している。

この日の東京市場ではポンド買いが進み、対ドルでは一時1ポン ド=1.6079ドルと、昨年11月22日以来の高値を付けた。対円では一 時1ポンド=131円99銭と、2営業日ぶりの水準まで上昇している。

米指標好調

一方、前日に米国で発表された昨年12月の個人消費支出(PCE) は前月比で0.7%の増加となり、ブルームバーグ・ニュースがまとめ た市場予想の中央値0.5%増を上回った。

また、米シカゴ購買部協会が発表した1月のシカゴ地区の製造業 景況指数(季節調整済み)は68.8と、前月の66.8から上昇。1988年 7月以来の高水準となった。

前日の米国市場では、経済指標の好調を背景に債券相場は3営業 日ぶりに下落。株価の上昇にもつながり、エジプト情勢の緊迫化を受 けて、昨年12月1日以来の水準に跳ね上がっていた株価の予想変動率 の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリテ ィ指数(VIX指数)は低下している。

バークレイズ銀の逆井氏は、米国の個人消費が堅調で、「足元は景 気の回復度合いが高まっている」としている。この日の米国時間には 供給管理協会(ISM)が1月の製造業景気指数を発表する。

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