債券は下落、10年債入札結果やや低調で売り優勢-米債安や株高も重し

債券相場は下落。前日の米国市場で 経済指標の改善を受けて債券安、株高となった流れが継続。日経平均 株価が反発し、債券市場は売りが優勢となった。午後に発表された10 年債入札がやや低調な結果となり、先物市場でヘッジ売りなどが膨ら む場面があった。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、株価が堅調で前日に買われた分がはく落したと指摘。10年債入札 については、「証券会社のショートカバー(売り建ての買い戻し)でそ こそこの結果が見込まれていたが、投資家の需要があまりなく、良く なかった。10年債や先物にヘッジ売りが出て重くなった」と説明した。

東京先物市場で中心限月3月物は5営業日ぶりに反落。前日比22 銭安の139円80銭で始まり、その後は139円70銭台を中心にもみ合 っていたが、午後零時45分の10年入札結果発表後には水準を切り下 げ、一時は42銭安の139円60銭まで下落した。再び139円70銭台中 心の推移となり、結局は30銭安の139円72銭で引けた。

財務省が1日に実施した表面利率(クーポン)1.2%の10年利付 国債(312回債)の入札結果では、最低落札価格が99円62銭、平均 落札価格は99円68銭となった。

最低価格はブルームバーグが事前に調査した99円64銭を若干下 回った。応札倍率は2.69倍と前回の2.99倍から低下。小さいほど好 調とされるテール(最低と平均落札価格との差)は6銭となり、前回 の4銭からやや拡大した。

入札結果、「若干弱い」との声

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、入札 結果について、「若干弱い結果となった」と指摘。もっとも、「先物相 場はいったん下げ幅を拡大したものの、すぐに元に戻し、急落するほ どではない。昨日に米国債が売られたことから、このタイミングで積 極的に応札にする感じではなかった」と述べた。

1月27日には米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S &P)が日本の長期ソブリン格付けを引き下げており、今回は格下げ 後で最初の利付国債入札となった。JPモルガン証の山脇氏は「財政 が悪いことは周知の事実で格下げの影響はない」と述べ、低調な結果 となったことの影響を否定。むしろ、同氏は「日本銀行がオペで潤沢 な資金供給を行っており、(応札額が予定額に届かない)札割れも出て いるので、金利はもう少し下がっても良い」との見方を示している。

新発10年債利回り一時1.24%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比1.5ベーシスポイント(bp)高い1.23%で始った後、午前 10時30分前後に2.5bp高い1.24%まで上昇した。しかし、午後1時 過ぎからはやや上昇幅を縮めており、その後は1.23-1.235%で推移 している。

長期金利の上昇について、日興コーディアル証券の野村真司チー フ債券ストラテジストは、「エジプトの政情不安を受けた米国の株安、 債券高に歯止めがかかったほか、10年債入札を控えるタイミングにあ たって売りが先行した」と説明。さらに「きのう一時1.2%割れとな った反動も出ている」との見方も示していた。10年物の312回債利回 りは前日午前に一時1.195%まで低下して、約2週間ぶりとなる1.2% 割れを記録した。

株高などを受けて中期債も軟調。新発5年物の93回債利回りは一 時2bp高い0.51%に上昇した。新発2年物の301回債利回りは0.5bp 高い0.20%で推移していたが、午後1時半前後から横ばいの0.195% で推移している。

米債相場の下落も売り材料となった。RBS証券の福永顕人チー フ債券ストラテジストは、前日の欧米市場で株高、金利上昇となった ことを受けて、債券相場は軟調に推移したと話した。

31日の米国債相場は3営業日ぶりに下落。昨年12月の個人消費 支出が予想を上回る増加となったことや、シカゴ購買部協会の製造業 景況指数の上昇に反応した。米10年債利回りは前週末比5ベーシスポ イント(bp)上昇の3.37%程度。一方、米株式相場は上昇。この日の 国内市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反発した。

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