1月31日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商 品相場は次の通り。

◎外国為替:ユーロは上昇、利上げ観測-資源国通貨も高い

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対して上昇。月間 での上げを拡大した。ユーロ圏のインフレが2年ぶりの高水準に加速し たことから、欧州中央銀行(ECB)が利上げに傾いているとの見方が 強まった。

ドルは円に対して4週間ぶりの安値付近で推移した。米連邦準備 制度理事会(FRB)が注目する米インフレ指標の伸びは過去最低に とどまった。イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MP C)のウィール委員が利上げを主張したことをきっかけに、英ポンド にも買いが入った。エジプト反政府デモの拡大を背景に原油相場が値 上がりするなか、ノルウェー・クローネとメキシコ・ペソはドルに対 して上昇した。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏は、 「FRBはコアインフレに一段と注目しているが、ECBは通常の全 体のインフレ率に重きを置いている」と指摘。「それが両者の潜在的 な金融政策対応に違いが生じる要因だ。問題となるのは欧州側の状況 で、ECBは加速したインフレの数値に反応するのかどうかだ」と述 べた。

ニューヨーク時間午後3時13分現在、ユーロはドルに対して前週 末比0.6%高の1ユーロ=1.3689ドル(前週末1.3611ドル)。 27日には一時1.3758ドルと、昨年11月22日以来の高値を付けて いた。ユーロは円に対して0.6%高の1ユーロ=112円38銭(同 111円77銭)。ドルは円に対して1ドル=82円08銭(同82円 12銭)。一時は81円78銭と、4日以来の安値となった。

ECBとFOMC

ユーロはドルに対して今月は2.2%上昇。ECBが米連邦公開市 場委員会(FOMC)より先に政策金利を引き上げるとの観測が背景 にある。

欧州銀行連盟(EBF)によれば、3カ月物の欧州銀行間取引金 利(EURIBOR)は1.074%と、09年7月以来の高水準となっ た。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)がこの日発表した1 月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年同月比2.4%上昇。昨 年12月の2.2%上昇からインフレが加速し、2008年10月以来の 高水準を記録した。

ECBは2月3日に政策委員会を開く。ECBのトリシェ総裁は ユーロ圏のインフレ率が年内に再び緩和するとの予想を示している。

米商務省が発表した昨年12月の個人消費支出(PCE)で、FR Bが注目する食品と燃料を除くPCEコア価格指数は前年比0.7%上 昇と、1959年の記録開始以降で最小の伸びにとどまった。

コア価格への波及

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア 為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は、「米国は欧州 と異なり、食品や商品価格上昇のコアへの波及はみられない」と述べ た。

英ポンドはドルに対して一時1.2%高の1ポンド=1.6049ドル と、ほぼ1週間ぶりに1.60ドルを突破した。ウィール委員は31日 付の英紙ガーディアンに寄稿し、金利の「適度な引き上げ」が強い説得 力を持つ情勢になっているとの見解を示した。

エジプトでは、野党勢力がエルバラダイ国際原子力機関(IAE A)前事務局長の下に結集するなか、エジプト・ポンドはドルに対し て一時1ドル=5.8585ポンドと、6年ぶりの安値を付けた。

ノルウェー・クローネはドルに対して0.7%高。メキシコ・ペソ は0.6%値上がり。原油先物相場の上昇が背景。

リスク志向後退

シティグループによれば、クローネはほかの資源国通貨を上昇で 上回る可能性がある。エジプトをはじめとする中東の政情不安で原油 価格が値上がりする一方、「リスク志向」は後退していることが理由。

シティの日本を除くアジア地域G10通貨戦略責任者、トッド・エ ルマー氏は31日付投資家向けリポートで、ノルウェー・クローネは 「原油高を受けて値上がりする状況にある」と指摘。「中東の政治的 緊張がリスク選好の後退につながっている。しかし、それは原油価格 の下落を食い止めたようにもみえる」と記述した。

◎米国株:上昇、個人消費の拡大やエクソンモービルの増益決算に反応

米株式相場は上昇。月間ベースでS&P500種株価指数は前月に 続き上昇した。午前に発表されたシカゴ地区の製造業景況指数が高い伸 びを示したほか、個人消費の拡大も材料となった。石油のエクソンモー ビルが発表した四半期決算は利益が予想を上回った。

S&P500種のエネルギー株価指数は2.6%高。エクソンが 上げをけん引した。ロンドンの先物取引所ICEフューチャーズ・ヨ ーロッパの北海ブレント原油先物は2008年以来で初めて、1バレ ル=100ドルに達した。石炭生産のマッセイ・エナジーも高い。米 同業のアルファ・ナチュラル・リソーシズがマッセイを71億ドル で買収することで合意したのが材料視された。

半導体のインテルは前営業日比変わらず。同社は半導体の設計 ミスで同社の売上高と利益率が打撃を受けることを明らかにした。 インテルと競合するアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD) は上昇した。

S&P500種株価指数は前営業日比0.8%高の1286.12。 前週末は1.8%下落した。ダウ工業株30種平均は68.23ドル上昇 の11891.93ドル。

ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズのエリック・ティ ール最高投資責任者(CIO)は、「景気の勢いに地政学的リスク が対抗している格好だ」と述べ、「個人的な見解だが、景気が勝つ だろう。企業の決算発表では安定した改善がみられる。M&A(合 併・買収)活動も続いている。これは景気に対する信頼感の表れだ。 上昇局面が限界に達しているとは思わない。この先もじりじりと上 値を追い続けるだろう」と語った。

新興市場指数

MSCI新興市場指数は0.6%安。反政府運動が続くエジプト の10年債利回りは、26ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上げ、過去最高の7.23%をつけた。退陣を迫られているムバラク大 統領は新内閣を発足させた。米格付け会社ムーディーズ・インベスタ ーズ・サービスは、エジプトの国債格付けを引き下げた。

米商務省が発表した昨年12月の個人消費支出(PCE)は前 月比0.7%増加。前月は0.3%増。12月の個人所得は11月に続き、 前月比で0.4%増加した。食品と燃料を除くPCEコア価格指数は 前月比変わらず。

シカゴ購買部協会が発表した1月のシカゴ地区の製造業景況指 数(季節調整済み)は68.8と、前月の66.8から上昇した。ブル ームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査の予想中央値は

64.5への低下だった。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の境 目を示す。

S&P500種に採用されている企業の大半は、四半期決算で予 想を上回る利益を計上している。今月10日以降、187社が決算を 発表したが、予想を上回る利益だったのは139社だった。

エクソンモービル

エクソンは2.1%高。同社の10-12月(第4四半期)決算は、 4四半期連続での増益決算となった。エネルギー需要の急増で石 油・燃料価格が上昇したことが寄与した。

31日の発表資料によると、純利益は1株当たり1.85ドルと、 ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリストの予想平均を13% 上回った。

マッセイ・エナジーは9.8%上昇した。

インテルは前営業日と変わらず21.46ドル。一時は2%安ま で売り込まれた。インテルは、ミスの修正および影響を受けた製品 の交換に7億ドルのコストがかかると説明している。

同社発表によれば、1-3月(第1四半期)にこの設計ミスの 影響で失われる売上高は3億ドル、粗利益率は2ポイント押し下 げられる。AMDは4.5%急伸した。

◎米国債:下落、個人消費支出やシカゴ購買部指数に反応

米国債相場は3営業日ぶりに下落。昨年12月の個人消費支出が予 想を上回る増加となったことや、シカゴ購買部協会の製造業景況指数の 上昇に反応した。

米国債は一時上昇していたが、エジプトでの反政府デモで世界的 に貿易が混乱するとの懸念が後退したことなどから下落に転じた。

バークレイズの金利ストラテジー共同責任者、マイケル・ポンド 氏(ニューヨーク在勤)は「市場はエジプト情勢をめぐる懸念が後 退していることを示唆しているようだ」と分析した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時24分現在、10年債利回りは前週末比6ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の3.38%。利回りは月間ベース で5カ月連続上昇と、2006年以降で最長となった。同年債(表面 利率2.625%、2020年11月償還)価格は1/2下げて93 23/32。

30年債利回りは5bp上昇し、4.58%。同利回りも月間ベー スで5カ月連続上昇となった。これは1999年以降で最長。

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限2013年8月から14年 1月までの米国債を購入した。これを手掛かりに米国債相場は下げを 縮めた。購入額は保有者が差し出した総額の20.7%だった。過去 10回の買い入れの平均では32.2%となっている。

個人消費支出

米商務省が発表した12月の個人消費支出(PCE)は前月比

0.7%増加。個人所得は3カ月連続で増えた。米連邦準備制度理事 会(FRB)がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE) コア価格指数は前年同月比0.7%増と、過去最低の伸びとなった。

シカゴ購買部協会が発表した1月のシカゴ地区の製造業景況指数 (季節調整済み)は68.8と、前月の66.8から上昇した。ブルー ムバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査の予想中央値は

64.5への低下だった。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の境 目を示す。

CRTキャピタル・グループの米国債戦略責任者、デービッド・ エーダー氏は、エジプトでの反政府デモについて、状況自体よりも重 要な市場の近隣で起きていることが重要だと指摘する。

同氏は「刺激的な世界の出来事だ」としながらも、「現段階で は、相場を左右するものかどうかは分からない」と加えた。

米株式市場では、S&P500種株価指数が0.8%高。原油先物 相場も上昇した。

借入必要額を下方修正

米財務省は1-3月(第1四半期)の米政府の借入額の見通しを 引き下げた。先に決定した連邦準備制度理事会(FRB)を支援する 借り入れプログラムの縮小がその理由。今回の修正で、純借入必要額 の予想は2370億ドルとなった。3カ月前の予想は4310億ドルだ った。4-6月(第2四半期)は2990億ドルと見積もっている。

今回の予想には、FRB支援の借り入れプログラム向けの50億 ドルが含まれている。財務省の補完的資金調達プログラム(SFP) の規模は、これまで2000億ドルだった。

償還期限までの消費者物価見通しを示す10年債と同年物インフ レ連動債(TIPS)の利回り格差はこの日、2.33ポイントと、 20日以降で最大となった。

◎金先物:下落、月間で6.1%安-1月としては97年以降で最悪

ニューヨーク金先物相場は下落。月間でも下げ、1月としては 1997年以降で最悪の成績となった。景気回復で代替資産としての金の 魅力に陰りが生じるとの見方が背景にある。

米商務省が発表した昨年12月の個人消費支出(PCE)は前月比 でエコノミスト予想を上回る増加となり、四半期ベースでは約4年ぶ りの好調を記録した。金連動型上場投資信託(ETF)の金保有量は 28日に2033.8トンに減少、昨年6月以降で最低となった。ブルー ムバーグが集計したデータで明らかになった。金は昨年に30%値上が りし、株式や債券を上回るパフォーマンスだった。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)の ヘッドディーラー、フランク・マギー氏は、「米経済の先行き改善に 伴い金は調整局面を迎えると予想されていたが、ついにその時が来た」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前営業日比で7.20ドル(0.5%)安の1オンス=1334.50 ドルで終了した。月間では6.1%下げ、1月の成績としては1997年 以降で最低となった。過去最高値は昨年12月7日に記録した

1432.50ドル。

◎原油先物:2年ぶり高値、エジプト混乱でスエズ運河閉鎖を警戒

ニューヨーク原油先物相場は続伸。約2年ぶりの高値をつけた。 エジプト情勢の混乱が7日目を迎え、供給が滞るのではないかとの懸 念から買いが膨らんだ。北海ブレントは1バレル=100ドルを突破し た。

エジプトの野党勢力はムバラク大統領の退陣を求め、より多くが デモに参加するよう国民に呼び掛けた。米エネルギー省によると、地 中海と紅海を結ぶエジプトのスエズ運河は石油輸送で世界の7大要衝 の1つ。

ショーク・グループ(ペンシルベニア州ビラノバ)のスティーブ ン・ショーク社長は、「エジプト情勢が市場を支配している」と指摘。 スエズ運河が閉鎖されれば、「日量300万―400万バレルを上回る 石油輸送が支障を来たす恐れがある」と述べ、ペルシャ湾から欧州や 米国に向かうタンカーにとっては航行距離6000マイル(約9700キ ロメートル)、日数にして2週間が余計にかかり、関係費用もかさむ と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比2.85ドル(3.19%)高の1バレル=92.19ドルと、終値として は2008年10月3日以来の高値となった。

◎欧州株:総じて下落、エジプト情勢を懸念し航空会社が安い

欧州株式相場は総じて下落。エジプトでの反政府抗議運動が7日 目に突入、航空会社や旅行会社の株価が下げている。

ドイツのルフトハンザ航空は下落。ブリティッシュ・エアウェイ ズ(BA)とイベリア航空の持ち株会社であるインターナショナル・ コンソリデーテッド・エアラインズ・グループ(IAG)も安い。一 方、英ビールメーカー、グリーン・キングは5.3%上昇。食品事業を 強化するために企業を買収したのが材料となった。

ストックス欧州600指数は前営業日比0.1%安の280.05で終 了した。騰落比率は1対2。月間ベースでは1.5%上昇した。

IGマーケッツのマーケッツアナリスト、キャメロン・ピーコッ ク氏は、「エジプトの地政学的緊張は、一部資金を引き揚げる格好の口 実を投資家に与えている」と述べた。

ルフトハンザは1.6%安。IAGは1.8%値下がりした。欧州 最大の航空会社、エールフランス・KLMは1.9%安。

欧州の旅行会社トーマス・クックは3.1%下落した。

◎欧州債:独債利回りが1年3カ月ぶり高水準に迫る-インフレ加速で

欧州債市場ではドイツ2年債利回りが1年3カ月ぶりの高水準に 迫った。ユーロ圏の1月のインフレ率がここ2年での最高を記録、欧 州中央銀行(ECB)が何らかの対策を取る可能性があるとの観測が 強まった。

ドイツの10年債利回りは、4月以来の最高水準に7ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)内に迫った。ユーロ圏の1月の消 費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.4%上昇と、2008年10 月以来の高水準を記録した。ブルームバーグがまとめた予想の2.3% を上回った。ギリシャ債を中心に欧州の高債務国は上げた。

DZ銀行の債券ストラテジスト、グレン・マルシ氏(フランク フルト在勤)は、「投資家にとってインフレ懸念がさらに強まれば、 この先、ドイツ国債にとって一段のマイナス材料になるだろう」と述 べた。

ロンドン時間午後4時32分現在、独2年債利回りは前営業日比1 bp上げて1.38%。同国債(表面利率1%、2012年12月償還)価 格は0.025ポイント下げて99.305。ドイツ10年債利回りは

3.15%。今月27日には、4月12日以来の最高となる3.22%を記 録した。

◎英国債:2年債が下落、英中銀ウィール氏が寄稿文で利上げを主張

英国債市場では2年債が下落。イングランド銀行(英中央銀行) 金融政策委員会(MPC)のウィール委員が、インフレの高水準での 定着を回避するため、利上げを実施するべきだと指摘したことに反応 した。

ウィール委員は31日、英紙ガーディアンに寄稿し、金利の「適 度な引き上げ」が強い説得力を持つ情勢になっているとの見解を示し た。外国為替市場では、英ポンドが主要16通貨中、15通貨に対して 上昇した。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は、「英中銀の政策当局者の 間で現行の低い金利水準はもはや適正ではないとの意見が増えている ことに、市場は明らかに神経質になっている」と指摘。「インフレは上 昇し続けると予想されるため、英中銀側に信ぴょう性の問題はある。 同中銀は今夏までに利上げを強いられるだろう」と述べた。

ロンドン時間午後3時47分現在、2年債利回りは前週末比3ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.29%。同年債(表 面利率4.5%、2013年3月償還)価格は0.07ポイント下げて

106.62。10年債利回りはほぼ変わらずの3.65%。

英中銀のキング総裁は先週、同国政府の歳出削減や経済成長の減 速が物価圧力の緩和につながるため、現在のインフレ加速は一時的な ものだとの見解を示していた。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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