NY外為:ユーロは上昇、利上げ観測-資源国通貨も高い

ニューヨーク外国為替市場では、 ユーロがドルに対して上昇。月間での上げを拡大した。ユーロ圏のイ ンフレが2年ぶりの高水準に加速したことから、欧州中央銀行(EC B)が利上げに傾いているとの見方が強まった。

ドルは円に対して4週間ぶりの安値付近で推移した。米連邦準備 制度理事会(FRB)が注目する米インフレ指標の伸びは過去最低に とどまった。イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MP C)のウィール委員が利上げを主張したことをきっかけに、英ポンド にも買いが入った。エジプト反政府デモの拡大を背景に原油相場が値 上がりするなか、ノルウェー・クローネとメキシコ・ペソはドルに対 して上昇した。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏は、 「FRBはコアインフレに一段と注目しているが、ECBは通常の全 体のインフレ率に重きを置いている」と指摘。「それが両者の潜在的 な金融政策対応に違いが生じる要因だ。問題となるのは欧州側の状況 で、ECBは加速したインフレの数値に反応するのかどうかだ」と述 べた。

ニューヨーク時間午後3時13分現在、ユーロはドルに対して前週 末比0.6%高の1ユーロ=1.3689ドル(前週末1.3611ドル)。27 日には一時1.3758ドルと、昨年11月22日以来の高値を付けていた。 ユーロは円に対して0.6%高の1ユーロ=112円38銭(同111円77 銭)。ドルは円に対して1ドル=82円08銭(同82円12銭)。一時 は81円78銭と、4日以来の安値となった。

ECBとFOMC

ユーロはドルに対して今月は2.2%上昇。ECBが米連邦公開市 場委員会(FOMC)より先に政策金利を引き上げるとの観測が背景 にある。

欧州銀行連盟(EBF)によれば、3カ月物の欧州銀行間取引金 利(EURIBOR)は1.074%と、09年7月以来の高水準となった。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)がこの日発表した1 月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年同月比2.4%上昇。昨 年12月の2.2%上昇からインフレが加速し、2008年10月以来の高 水準を記録した。

ECBは2月3日に政策委員会を開く。ECBのトリシェ総裁は ユーロ圏のインフレ率が年内に再び緩和するとの予想を示している。

米商務省が発表した昨年12月の個人消費支出(PCE)で、FR Bが注目する食品と燃料を除くPCEコア価格指数は前年比0.7%上 昇と、1959年の記録開始以降で最小の伸びにとどまった。

コア価格への波及

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア 為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は、「米国は欧州 と異なり、食品や商品価格上昇のコアへの波及はみられない」と述べ た。

英ポンドはドルに対して一時1.2%高の1ポンド=1.6049ドル と、ほぼ1週間ぶりに1.60ドルを突破した。ウィール委員は31日付 の英紙ガーディアンに寄稿し、金利の「適度な引き上げ」が強い説得 力を持つ情勢になっているとの見解を示した。

エジプトでは、野党勢力がエルバラダイ国際原子力機関(IAE A)前事務局長の下に結集するなか、エジプト・ポンドはドルに対し て一時1ドル=5.8585ポンドと、6年ぶりの安値を付けた。

ノルウェー・クローネはドルに対して0.7%高。メキシコ・ペソ は0.6%値上がり。原油先物相場の上昇が背景。

リスク志向後退

シティグループによれば、クローネはほかの資源国通貨を上昇で 上回る可能性がある。エジプトをはじめとする中東の政情不安で原油 価格が値上がりする一方、「リスク志向」は後退していることが理由。

シティの日本を除くアジア地域G10通貨戦略責任者、トッド・エ ルマー氏は31日付投資家向けリポートで、ノルウェー・クローネは 「原油高を受けて値上がりする状況にある」と指摘。「中東の政治的 緊張がリスク選好の後退につながっている。しかし、それは原油価格 の下落を食い止めたようにもみえる」と記述した。

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