今日の国内市況:株が年初来安値、債券続伸-エジプト懸念で円上昇

東京株式相場は続落し、TOPI X、日経平均株価ともに終値でことしの安値。エジプト情勢緊迫化の影 響が国際商品市況へ波及し、世界景気に悪影響を及ぼす可能性が警戒さ れた。投資家のリスク回避姿勢が強まり、電機など輸出関連株が下落、 金利低下で利ざや改善期待が後退した銀行など金融株も安い。電気機器 と銀行は、東証1部33業種の下落率1、2位。

TOPIXの終値は前週末比9.61ポイント(1%)安の910.08、 日経平均株価は122円42銭(1.2%)安の1万237円92銭。

エジプトでは、首都カイロ中心部でムバラク大統領の退陣を求める 数万人のデモが続き、新しい首相と副大統領の起用もデモの鎮静化につ ながらない可能性が示された。格付け会社のフィッチ・レーティングス はエジプトの格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げている。

こうした情勢を受け、米S&P500種株価指数の下落に備えたオプ ションのコストを示し、別名恐怖指数とも呼ばれるVIX指数は28日、 前日比24%高の20.04に急上昇。マイクロソフトなど企業決算への失 望も響き、先週末28日の米国株は大幅安となる一方、米国債や原油な ど国際商品市況は上昇した。

週明けの東証1部33業種の下落率上位には、電気機器、銀行、機 械、その他金融、証券・商品先物取引、精密機器など輸出、金融関連が 多く入った。下落率1位の電機は、富士通などの決算に対する失望も重 なったほか、メリルリンチ日本証券が2月相場の調整見通しや最近の株 価上昇が大きかったなどとし、ストラテジーによるセクター判断で総合 電機を「ニュートラル」へ引き下げる材料もあった。

下げ幅こそ大きかったものの、株価指数のこの日の安値は午前9時 台で、午後にはやや底堅さも見られた。東証1部の売買高は概算で19 億7319万株、売買代金は同1兆4622億円。値上がり銘柄数は332、 値下がりは1233。

長期金利が一時1.2%割れ

債券相場は続伸。エジプトの政情不安を背景に内外株式相場が急落 したことを受け、長期金利は約2週間ぶりに1.2%を下回る場面があっ た。一方、あすに10年利付国債の入札実施を控えて、午前の買いが一 巡すると1.2%台に戻した。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回り は、28日終値と横ばいの1.215%で開始。その後に米国株急落を受け て日経平均株価も続落すると、午前9時20分過ぎには14日以来の

1.2%割れとなる1.195%を付けた。その後は1.195-1.205%でのも み合が続き、午後3時過ぎには0.5bp低下の1.21%を付けている。

米国市場の株安・債券高の流れを引き継いで、朝方の国内債市場で も債券買いが優勢となった。日経平均は午前に1.7%の急落となり、取 引時間中としては昨年12月7日以来の安値圏に到達した。

28日の米国株相場は大幅安。エジプトのムバラク政権打倒を求め るデモと当局との衝突による情勢緊迫化が嫌気され、ナスダック総合指 数が2.5%急落したのをはじめ、主要な株価指数が軒並み大幅な下げを 記録した。一方、米国債市場ではエジプト問題といった地政学的リスク が買い材料視され、米10年債利回りは7bp低い3.32%付近で引けた。

もっとも、日経平均が朝方の急落後に下げ渋ったほか、あすには 10年債入札を控えて現物市場も買い一巡後は戻り売りが出ていた。

財務省はあす2月1日に10年利付国債(2月発行)の価格競争入 札を実施する。10年債の表面利率(クーポン)について、市場では

1.2%への据え置きとの見方が有力で、その場合は312回債と銘柄統合 されるリオープン発行となる。発行予定額は2兆2000億円程度。

東京先物市場の中心限月の3月物は4日続伸。前週末比16銭高い 140円08銭で始まり、午前の取引では14日以来の高値圏となる140 円18銭まで上昇した。午後に日経平均が下げ渋ると取引終盤には140 円01銭まで上昇幅を縮める場面があったが、その後も140円台を下回 るには至らず、結局は10銭高の140円02銭で終了した。

先物3月物は午前の買い一巡後に上値が重くなったものの、終値ベ ースでは4日続伸となった。これは昨年9月13日から16日以来、中 心限月としては約4カ月半ぶり。

朝方には昨年12月の鉱工業生産指数が発表された。同指数は前月 比3.1%上昇して、市場の予想中央値である同2.8%上昇を上回った。 一方、製造工業生産予測指数は1月が5.7%上昇、2月は1.2%低下と なった。

円が対ドルで一時4週ぶり高値

東京外国為替市場では円買いが先行。対ドルで一時、約4週間ぶり の高値を付けたほか、対ユーロでも今月20日以来の高値を付ける場面 があった。エジプト情勢の緊迫化を背景に投資家のリスク回避姿勢の高 まりが意識され、安全通貨とされる円やドル、スイス・フランが選好さ れやすい地合いが続いた。

ドル・円相場は早朝に一時、1ドル=81円78銭までドル安・円 高が進行。「質への逃避」から米国債相場が上昇(利回りは低下)し、 日米金利差の縮小からドル売り・円買いが進んだ前週末の流れを引き継 いだ。午後4時30分現在は82円05銭前後。

また、ユーロ・円相場は一時、1ユーロ=111円28銭までユーロ 安・円高に振れた後、111円半ばから後半の狭いレンジでもみ合う展開 となっている。

ユーロは対ドルでも一時、今月24日以来の安値となる1ユーロ=

1.3571ドルをつけた。ただ、その後はユーロ売りも一服し、午後には

1.36ドル台前半まで値を戻す場面が見られた。

今週は米国で31日発表の12月の個人消費支出のほか、1月のI SM(米供給管理協会)製造業および非製造業景況指数、週末の雇用統 計など注目の経済指標が発表される。また、3日には米連邦準備制度理 事会(FRB)のバーナンキ議長の講演が予定されており、米国の景気 動向や金融政策の先行きを探る手掛かりとして注目が集まる。

また、欧州では3日に欧州中央銀行(ECB)の定例政策委員会、 4日に欧州連合(EU)首脳会議が開かれる。

ユーロは対スイス・フランで前週末に約1.3%下落。週明けの取引 では一時、約2週間ぶり安値となる1ユーロ=1.2781フランまで続落 し、その後はもみ合う展開となっている。

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