マカオ経済動かすホー一族が骨肉の争い-経営権めぐり訴訟に発展

マカオを訪れようと観光客がフェ リーに乗った瞬間から、高級レストランでの食事や世界一の高さから の市街地でのバンジージャンプ体験を楽しめばマカオで使ったお金は たいていカジノで財を築いた大富豪、スタンレー・ホー(何鴻燊)氏 の懐に入る。

ポルトガルの旧植民地、マカオでのホー氏による2002年までの 40年間に及ぶカジノ事業独占は、ホー一族が事実上、地元経済のあら ゆる一角を担うことを可能にした。シェルドン・アデルソン氏の米ラ スベガス・ザンズやスティーブ・ウィン氏のウィン・リゾーツとの競 合にもかかわらず、ホー一族はカジノ事業で大きな収益を上げている。

その一族が、親族内の経営権争いで揺れている。病気を患ってい る89歳のホー氏には事実上の夫人が4人いるが、ホー氏自身と夫人ら、 その子供が主に、カジノと建設事業、ホテル、マカオの航空事業に出 資するマカオ旅遊娯楽(STDM)のホー氏の持ち分31.7%をめぐり 骨肉の争いを繰り広げている。

コンサルティング会社のアジア・パシフィック・ゲーミングのマ ネジングディレクターでマカオに7年間住んでいるシアラン・カラサ ーズ氏は、「マカオで何をしようとホー氏の帝国に関わる公算は極めて 大きい」と話す。

均等に分配

STDMの上場子会社でマカオにあるカジノ33のうち20を運営 するSJMホールディングス(澳門博彩)は香港市場で26、27両日に 合わせて7.8%下落した。ホー氏が、一部の親族によりSTDMの同 氏の持ち分を差し押さえられたと公表したことがきっかけだった。

その公表の2日後に当たる26日、ホー氏は一部の親族がSTDM 株を保有する一族の事業体、ランスフォードの株式を扱うことを禁じ るよう香港で訴えを起こした。訴訟の対象となっているのは、第2夫 人とされる藍瓊纓氏が産んだパンジー・ホー(何超瓊)、ローレンス・ ホー(何猷龍)氏ら5人の子供と、ホー氏が第3夫人と呼ぶ陳婉珍氏 とその3人の子供。

スタンレー・ホー氏の代理人を務める法律事務所、オルダム・リ・ アンド・ニーと娘のパンジー氏はそれぞれ電子メールで、ホー一族が 27日にこの問題を話し合うために会合を開いたと発表。パンジー氏に よれば、この話し合いでは「何の結論も一致も得られなかった」とい う。

オルダムの広報担当、トニー・ターナー氏は31日の電話インタビ ューで、スタンレー・ホー氏は同日午前の同社との協議で「訴訟の取 り下げについては話さなかった」ことを明らかにした。

オルダムは電子メールで、スタンレー・ホー氏は同氏が設立した 会社の同氏の持ち株に関する「望みを実行するためあらゆる可能な行 動を取るようにとの当社に対する指示を31日午前に確認した」とコメ ントした。

スタンレー・ホー氏の代理人、ゴードン・オルダム氏は、ランス フォード内の資産の移譲は、一族内で均等に資産を分配するとの同氏 の願いに反するものだとしている。

STMDはマカオ最大の雇用主で、競馬場の御者からミシュラン ガイドが3つ星を付与したレストラン「ロブション・ア・ガレーラ」 のソムリエまでもが同社の従業員だ。

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