コメ価格:今年は3年ぶり上昇も-米の作付面積、89年以来の低水準に

米国のコメの作付面積が1989年以 来の低水準に落ち込む見通しだ。一方、世界の需要は4年ぶりに生産 を上回り、価格は12月までに最大12%上昇するとの見方が広がってい る。

ブルームバーグがアナリストや農業経営者9人を対象に実施した 調査の中央値によると、米国の作付面積は今年、25%減少する可能性 がある。トウモロコシや大豆栽培の方がより多くの利益を得られるた めだ。米国は世界3位のコメ輸出国。世界の主食の半分を占めるコメ の価格は昨年4%下落。2009年にも2.9%下げていた。他の穀物は34% 以上高騰している。

アーカンソー州マークトツリー在住のテリー・ハットリー氏は「収 入が減ると分かっていてコメを栽培するリスクを取ろうとする人など いるだろうか」と指摘。「農業はビジネスであり、収益性を検討する必 要がある。現時点でコメの収益性は非常に不透明だ」と語る。同氏は 30年以上にわたってコメを栽培していたが、今年は作付けを行わない 見込みだ。

南アジア最大の輸入国、バングラデシュの食料総局は先週、価格 抑制のため11年の輸入目標を倍増すると発表。世界最大の輸入国であ るフィリピンの食料局によると、同国は来月、買い入れを開始する可 能性が高い。米農務省によると、世界の在庫が今年、07年の水準を26% 上回る一方、消費は3.4%、収穫は2.6%増加すると推計されている。

ブルームバーグがトレーダーや輸出業者、アナリスト8人を対象 に実施した調査の中央値では、アジアの指標となるタイの輸出価格は 12月までに12%上昇し、1トン当たり600ドルに達するとみられてい る。今月26日時点では534ドルだった。

「農地争奪戦」

プログレッシブ・ファーム・マーケティング(テキサス州)のオ ーナー、デニス・デローター氏は「農地争奪戦が始まった。農産物先 物市場で、コメは冬眠して出番を待っているような状況だ」と指摘。 シカゴ商品取引所(CBOT)のコメ先物が11月までに最大20%上昇 し、100ポンド当たり18ドルと、3年ぶりの高値を付けると予想する。 同氏は昨年3月、相場が11%上昇すると正確に予想した。

フィリピンの国際稲作研究所(IRRI)によると、コメは途上 国の貧国層の食費の約50%を占め、家計支出全体の20%に相当する。 市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルのデータによると、 米国では収入の6%が食費に充てられている。

07-09年以降、各国による穀物在庫の補充が進むなか、国連が発 表した世界の食料価格は昨年12月に過去最高水準に達した。米国務省 は、07-09年に世界各地で食料高騰をきっかけとした暴動が60件以上 発生したと推計している。

シカゴのコメ先物相場は先週1%上昇し、28日終値は100ポンド 当たり15.01ドル。08年4月に付けた過去最高値の25.07ドルを40% 下回る水準だった。CBOTのデータによると、トレーダーらは12年 1月にかけて15.86ドルを超えることはないとみている。

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