円買い先行、エジプト情勢緊迫でリスク回避-対ドル一時81円台

東京外国為替市場では円買いが先 行。対ドルで一時、約4週間ぶりの高値を付けたほか、対ユーロでも今 月20日以来の高値を付ける場面があった。エジプト情勢の緊迫化を背 景に投資家のリスク回避姿勢の高まりが意識され、安全通貨とされる円 やドル、スイス・フランが選好されやすい地合いが続いた。

ドル・円相場は早朝に一時、1ドル=81円78銭までドル安・円 高が進行。「質への逃避」から米国債相場が上昇(利回りは低下)し、 日米金利差の縮小からドル売り・円買いが進んだ前週末の流れを引き継 いだ。午後4時30分現在は82円05銭前後。

また、ユーロ・円相場は一時、1ユーロ=111円28銭までユーロ 安・円高に振れた後、111円半ばから後半の狭いレンジでもみ合う展開 となっている。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクター、斎藤裕司氏は 「中国株や米株先物がプラスなので、とりあえずエジプト問題でパニッ クにはなっていない」と指摘。ただ、「エジプトが完全に民主化すれば 反米になってしまう可能性もあるし、米国にとってもかじ取りが難しい 。また、中東諸国への波及リスクも読みにくい」とし、先行き不透明感 が根強いと語った。

ユーロは対ドルでも一時、今月24日以来の安値となる1ユーロ=

1.3571ドルをつけた。ただ、その後はユーロ売りも一服し、午後には

1.36ドル台前半まで値を戻す場面が見られた。斉藤氏は、「月末特有 のユーロ買いなどの思惑もあり、目先は相場動向が読みにくい」と話し ていた。

エジプト情勢緊迫化

エジプトのムバラク大統領はシャフィク首相に対し、インフレを抑 制するとともに汚職と戦うよう指示した。国営テレビが31日声明を伝 えた。同大統領はまた、政府が補助金を削減してはならないと指示した という。

エジプトの首都カイロ中心部では、夜間外出禁止令にもかかわらず ムバラク大統領の退陣を求めるデモが6日目に突入。死者は最大150 人に達したと伝えられ、30日も銀行の休業と金融市場の閉鎖が続いた。

エジプト情勢が緊迫化するなか、30日の中東株式市場ではアラブ 首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の株価指数が過去8カ月で最大の下 げを記録。大幅安となった前週末の欧米株に続き、週明けの東京株式相 場は年初来安値を更新した。

一方、31日の中国株は4営業日連続で上昇。また、米株価指数先 物は続落して始まったが、徐々に下げ幅を縮小し、結局プラス圏に浮上 した。斉藤氏は、「パニックにならないということは、少しクロス円 (ドル以外の通貨の対円相場)で買い戻しが入りやすい」と指摘した。

欧米イベント控え様子見も

今週は米国で31日発表の12月の個人消費支出のほか、1月のI SM(米供給管理協会)製造業および非製造業景況指数、週末の雇用統 計など注目の経済指標が発表される。また、3日には米連邦準備制度理 事会(FRB)のバーナンキ議長の講演が予定されており、米国の景気 動向や金融政策の先行きを探る手掛かりとして注目が集まる。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、米金融当局の量 的緩和維持の姿勢が確認されている状況下で、指標結果を受けて雇用が なかなか回復しにくいという見方が強まれば、金利が低下し、ドルの重 しになる可能性もあるとみている。

また、欧州では3日に欧州中央銀行(ECB)の定例政策委員会、 4日に欧州連合(EU)首脳会議が開かれる。

日興コーディアル証券国際市場分析部の為替ストラテジスト、松本 圭史氏は、エジプト情勢をめぐる不透明要因はリスク回避の円高やドル 高の誘因になりやすいとしながらも、「市場に与える影響と経済に与え る影響、中東情勢といった政治的な問題と分けて考える必要がある」と 指摘。その上で、「ECB会合では利上げに対するスタンスが注目だし 、米国のイベントもあるなかで、一段とリスクを取るわけでも、リスク オフ(回避)を強めるわけでもない」とし、目先は様子見姿勢が強まる 展開を予想している。

ユーロは対スイス・フランで前週末に約1.3%下落。週明けの取引 では一時、約2週間ぶり安値となる1ユーロ=1.2781フランまで続落 し、その後はもみ合う展開となっている。

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