長期金利は一時1.2%割れ、エジプト懸念に伴う株安で-あす10年入札

債券相場は続伸。エジプトの政情 不安を背景に内外株式相場が急落したことを受け、長期金利は約2週 間ぶりに1.2%を下回る場面があった。一方、あすに10年利付国債の 入札実施を控えて、午前の買いが一巡すると1.2%台に戻した。

HSBC証券の白石誠司チーフエコノミストは、エジプトの政情 不安を背景に国内市場でも予期せぬ質への逃避が起きたと指摘。ただ、 こうした地政学的リスクは持続性が乏しいことから、10年債入札を控 える国内債市場は買いが一巡するともみ合いだったとも話した。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回り は、28日終値と横ばいの1.215%で開始。その後に米国株急落を受け て日経平均株価も続落すると、午前9時20分過ぎには14日以来の

1.2%割れとなる1.195%を付けた。その後は1.195-1.205%でのもみ 合が続き、午後3時過ぎには0.5bp低下の1.21%を付けている。

米国市場の株安・債券高の流れを引き継いで、朝方の国内債市場 でも債券買いが優勢となった。日経平均は午前に1.7%の急落となり、 取引時間中としては昨年12月7日以来の安値圏に到達した。

28日の米国株相場は大幅安。エジプトのムバラク政権打倒を求め るデモと当局との衝突による情勢緊迫化が嫌気され、ナスダック総合 指数が2.5%急落したのをはじめ、主要な株価指数が軒並み大幅な下 げを記録した。一方、米国債市場ではエジプト問題といった地政学的 リスクが買い材料視され、米10年債利回りは7bp低い3.32%付近で 引けた。

買い一巡後は売りも

もっとも、日経平均が朝方の急落後に下げ渋ったほか、あすには 10年債入札を控えて現物市場も買い一巡後は戻り売りが出ていた。み ずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミストは、 エジプト問題が安全資産への逃避につながれば債券は買いだが、産油 国に波及して原油価格上昇からインフレ懸念を強めれば売りを促すだ けに、積極的に取引を手掛けにくい材料だとの認識を示した。

日興コーディアル証券の山田聡チーフクオンツアナリストは、エ ジプト問題を受けて安全資産とされる債券に買いが先行したが、さす がにあすの入札を前に投資家は様子見となる中、312回債には証券会 社などからヘッジ目的の売りが出ていたようだと言う。

あす10年債入札、利率1.2%に据え置きか

財務省はあす2月1日に10年利付国債(2月発行)の価格競争入 札を実施する。10年債の表面利率(クーポン)について、市場では1.2% への据え置きとの見方が有力で、その場合は312回債と銘柄統合され るリオープン発行となる。発行予定額は2兆2000億円程度。

1月後半には312回債利回りが1.2%台半ばまで上昇して、市場 で新発10年債のクーポン引き上げが視野に入っていた。このため、312 回債の追加発行となると新鮮味に乏しい。ただ、日興コーディアル証 の山田氏は、平均落札利回りは前々回が1.19%、前回は1.21%となる など、現状水準では金利が比較的に安定すると言い、「キャリー(金利 収入)確保を狙った買いが入りやすい」とみている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジ ストは、足元の10年債は前回入札時とほぼ同じ1.2%台前半である上、 利回り曲線上では超長期ゾーン対比でやや割安だと言い、金融機関に よる高水準の余資運用のニーズを背景に入札は波乱なくこなすとみる。

先物相場は4日続伸

東京先物市場の中心限月の3月物は4日続伸。前週末比16銭高い 140円08銭で始まり、午前の取引では14日以来の高値圏となる140 円18銭まで上昇した。午後に日経平均が下げ渋ると取引終盤には140 円01銭まで上昇幅を縮める場面があったが、その後も140円台を下回 るには至らず、結局は10銭高の140円02銭で終了した。

先物3月物は午前の買い一巡後に上値が重くなったものの、終値 ベースでは4日続伸となった。これは昨年9月13日から16日以来、 中心限月としては約4カ月半ぶり。JPモルガン証券の山脇貴史チー フ債券ストラテジストは、今後のエジプト情勢をもう少し見極めたい としながらも、「米国はじめグローバルに株安が進展する可能性を踏ま える中、債券市場は買い優勢の展開だった」と話した。

朝方には昨年12月の鉱工業生産指数が発表された。同指数は前月 比3.1%上昇して、市場の予想中央値である同2.8%上昇を上回った。 一方、製造工業生産予測指数は1月が5.7%上昇、2月は1.2%低下と なった。

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