「2015年の金融危機」警告するアナリストの孤独-主役たちは楽観の宴

政治家と企業幹部、投資家が先週、 スイスのリゾート地ダボスでのパーティーで絆を深める中、バリー・ ウィルキンソン氏は独り、「2015年の金融危機」のリスクを訴えた。

「ファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は何も変わっていない」 と、コンサルティング会社、オリバー・ワイマンのロンドン在勤パー トナーの同氏は言う。同氏は近くのホテル、モロサニ・シュバイツァ ーホフでインタビューに答えた。「前回の危機を生じさせた要素である 低金利と貿易不均衡は、事実上今の方が拡大している」と同氏は語っ た。

ダボスでの同氏のランクは低い。世界経済フォーラム(WEF) 年次総会(ダボス会議)で、同氏が参加できるセッションやパーティ ーは数少ない。一方、会議の主役らは総じて楽観的だ。大物たちは2008 年金融危機以来の2年間で達成された成果を強調する。

カナダのフレアティ財務相は29日、金融会社の最高経営責任者 (CEO)らとの会議で、「システム全体について相当規模の改革が成 し遂げられた」と語り、「世界の金融機関が今日、以前とは違ったベー スで動いていることを周知徹底する必要がある。金融機関の資本と規 制は強化された」と説明した。

一方、「2015年金融危機:回避可能な歴史」というウィルキンソ ン氏のリポートは、銀行は株主資本利益率(ROE)低下を受け入れ ることができないと指摘。高い自己資本比率要件を満たさなければな らない銀行は高リターンを求めて商品や新興市場へと向かい、次のバ ブルを招く恐れがあると分析する。

リポートは、銀行の経営者と株主に、過去のROEが維持不可能 であることを認識するように訴える。さらに通常以上の高い利益をも たらす分野でのリスク監視の改善が必要だと説く。「銀行はレバレッジ を低下させなければならない」と言う同氏は「銀行がレバレッジを下 げたことを示す証拠は、私に言わせれば、業界全体のROEが下がる ことだ。それまでは、隠れたリスクがあることを、大いに疑う」と述 べた。

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