新興国の短期金利、08年以来の急上昇-エジプト政情不安で拍車

新興国の短期金利は2008年以 来最も早いペースで上昇している。中国やブラジルの中央銀行による 金融引き締めに加え、エジプトの政情不安を受けた中東情勢の動揺懸 念から銀行が現金を蓄積していることが背景にある。

JPモルガン・チェースELMI+指数でみた新興市場の短期金 利は今月28日に2.5%に上昇した。昨年末は過去最低の1.74%だっ た。海外での借り入れコストも上昇しており、JPモルガンのEMB I+指数によれば、新興国のドル建て債の米国債に対する利回り上乗 せ幅(スプレッド)は2カ月ぶり高水準の2.63ポイントに達した。

新興国上位10カ国のうち7カ国でインフレが加速している。食 品や綿花、石油価格の高騰を受け、商品指数のS&P・GSCI指数 は08年9月以来の高水準に達した。アラブ諸国で人口最多のエジプ トで、30年にわたるムバラク政権の打倒を叫ぶデモ隊と警察が衝突し たのを受け、28日のニューヨーク市場では原油相場が4.3%上昇した。 30日の中東株式相場は下落し、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ 首長国の指数は1年2カ月で最大の下げを演じた。

アクション・エコノミクスのアジア予測責任者、デービッド・コ ーエン氏(シンガポール在勤)は「地政学が投資家にとって明らかに 警告となっている」と述べ、「原油価格は急騰しており、金利に上昇圧 力をかけるもう一つの要因になるだろう」と指摘した。

新興国の短期金利がこのようなスピードで上昇したのは、世界的 な金融危機と商品価格の高騰で世界経済がリセッション(景気後退) 入りした08年7-12月(下期)以来。

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