1月28日の米国マーケットサマリー:エジプト情勢で安全資産買い

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3612 1.3734 ドル/円 82.12 82.92 ユーロ/円 111.77 113.89

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,823.70 -166.13 -1.4% S&P500種 1,276.35 -23.19 -1.8% ナスダック総合指数 2,687.03 -68.25 -2.5%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .55% -.03 米国債10年物 3.33% -.06 米国債30年物 4.54% -.03

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,341.70 +21.90 +1.66% 原油先物 (ドル/バレル) 89.43 +3.79 +4.43%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルとスイス・フランがユーロに対 して上昇、3週ぶりの大幅高を記録した。エジプトでの反政府抗議活動 を背景に、安全通貨としてのドル、フラン買いが活発化した。

エジプト・ポンドは対ドルでほぼ6年ぶりの安値。ムバラク大統 領は30年にわたり独裁体制を敷いてきたが、ここにきて国民からの退 陣要求に直面している。格付け会社のフィッチ・レーティングスは、エ ジプトの格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。中東 地域の通貨で対ドルでの値下がりが最も大きかったのはイスラエル・シ ェケルだった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の南北アメリカ地域G10通 貨戦略責任者、パレシュ・ウパダヤ氏は、「地政学的懸念による典型 的なリスク回避のようだ」と述べ、「これが石油や金、ドルの価格を 押し上げている。ユーロは下落し、対ユーロでのスイス・フランには 再び安全逃避の需要が集まっている」と続けた。

ニューヨーク時間午後2時47分現在、ドルは対ユーロで1ユーロ =1.3611ドル。一時は1.1%高の1.3584ドルまで買い進まれた。 前日は1.3734ドルだった。フランは対ユーロで1ユーロ=1.2825 フラン。一時は1.4%上げて1ユーロ=1.2806フラン。前日は

1.2985フラン。ドル、フランともに上げ幅は日中としては今月6日 以来で最大。

◎米国株式市場

米株式相場は反落。S&P500種株価指数は昨年8月以来の大幅 安となった。フォード・モーターやアマゾン・ドット・コムが大きく下 げたほか、エジプトの情勢緊迫化が売り材料となった。米経済成長は加 速したものの、相場への影響は限定的だった。

2010年10-12月(第4四半期)決算が79%の減益となったフ ォードは急落。利益がアナリスト予想を下回るとの見通しを示したア マゾンも安い。マイクロソフトは3.9%安と、ダウ工業株30種平均 の採用銘柄で値下がり率トップ。同社の基本ソフト(OS)「ウィン ドウズ」部門の売上高が予想に届かなかったことから、将来の需要に 対する懸念が強まった。原油相場の急伸を背景にNYSEのArca 航空株指数は大きく値下がりした。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価 指数は前日比1.8%安の1276.34と、昨年8月11日以来の大幅安。 ダウ工業株30種平均は166.13ドル(1.4%)下落の11823.70 ドル。ダウ平均は週間ベースで下落した。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は24%上昇。エジプトで30年間にわたるムバラク政権の 打倒を求めるデモと当局との衝突で情勢が緊迫化し、同大統領が全国 に夜間外出禁止令を出したことがきっかけ。

ハリス・ブライベート・バンクのジャック・アブリン最高投資責 任者(CIO)は、「投資家は安全性を求めている」とし、「不確実 性の雲が立ち込めてきた。エジプトの政情不安で動揺が広がっている」 と説明。「米国ではフォードやアマゾンの決算がこの日は大きな売り 材料だった。株式相場はこれまでかなり上昇しており、適正なバリュ エーションとみられたようだ」と述べた。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。2年債利回りは7週間ぶり低水準となった。エ ジプトでの反政府デモ激化で、安全資産としての米国債の需要が高まっ た。

30年債利回りは一時9カ月ぶり高水準を付ける場面があった。 2010年第4四半期(10-12月)の実質国内総生産(GDP)の伸び が前期比で拡大したことに反応した。その後、株価下落や金融当局に よる米国債買い入れを手掛かりに国債相場は上昇に転じた。

グッゲンハイム・パートナーズの米政府トレーディングディレク ター、ジェーソン・ローガン氏は、「懸念材料は、エジプトやチュニ ジアでの動きが隣国に広がる恐れがあることだ。中東のように地政学 的に重要な地域で何かが起これば、投資家は動きを止める」と指摘。 「債券には質への逃避で買いが入っている。すべての市場が相互に関 係している」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後2時46分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.33%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月)価格は15/32上昇し、94 1/8。

2年債利回りは3bp低下の0.55%。一時4bp低下の0.54% と、昨年12月8日以来の低水準を付けた。30年債利回りは4bp下 げ4.53%。一時は4.64%と、昨年4月29日以来の高水準を付ける 場面があった。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。3カ月ぶりの大幅高となった。エ ジプト情勢の緊張を背景に逃避需要が高まった。

エジプトのカイロでは28日、数千人が30年に及ぶムバラク政権 の打倒を叫び、「自由」と「変革」のスローガンを唱えながらデモを 実施した。金は一時、4カ月ぶりの安値をつける場面もあった。

バークレイズ・キャピタルの貴金属商品責任者、ジョン・スパル 氏は、「世界は従来考えられていたほど平穏ではない。リスクと危険 が意識されており、金が魅力的になっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比で21.90ドル(1.7%)高の1オンス=1341.70ド ルで終了した。昨年11月4日以来の大幅高。一時は1309.10ドル と、10月1日以来の安値をつけた。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は反発。2009年9月以来の大幅な上げ となった。エジプトの政情不安を受け、反政府の動きが中東の主な産油 国にも広がるのではないかとの懸念が強まった。

エジプトでは30年にわたるムバラク政権の打倒を叫ぶデモ隊と警 察当局が衝突した。米エネルギー省のチュー長官は電話会議で、中東 からの原油供給に支障を来たせば、「多大な影響が及ぶ」と発言した。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・ キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は、 「エジプトで起こるなら、リビアやサウジアラビアで起こらない理由 はない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比3.70ドル(4.32%)高の1バレル=89.34ドルで終了。週間で は0.3%、過去1年では21%上昇している。

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