米シリコンバレー:コンピューター歴史博物館が「アップグレード」

米国のシリコンバレーでは郷愁に 浸るのは歓迎されない。そこは、ムーアの法則に支配された地域だ。ム ーアの法則は、米インテルの共同創業者ゴードン・ムーア氏が提唱した 半導体の集積度に関する将来予測。ここでは技術は改良され、常によ り速くなり、性能は高まり、値段は安くなるのが当たり前とされてい る。

ここで働く人々は新たなものを追求するために古いものを捨て去 り、過去を振り返る時間などほとんどない。これらはいずれもコンピュ ーター歴史博物館にとっては悪いニュースのように聞こえる。

カリフォルニア州マウンテンビューにあるこの博物館は、2002年 の開館以来、あまり目立たない施設だった。基本的に、展示パネルが添 えられた老朽化した大型汎用(はんよう)コンピューターやスーパーコ ンピューター、パソコンでいっぱいの倉庫のような場所だった。1週間 の訪問者数は数百人にすぎなかった。

スタンフォード大学のシリコンバレーアーカイブズのプロジェクト 担当歴史家、レスリー・バーリン氏は「以前は何も説明がなかった。巨 大な機械が置いてあっただけだ」と語る。

この博物館が13日、改良されて「再起動」したと、ブルームバー グ・ビジネスウィーク誌31日号は報じている。1900万ドル(約16億 円)の改装費用のうち大部分を占める1500万ドルをビル・アンド・メ リンダ・ゲイツ財団が寄付。コンピューターの台頭と技術の進歩の歴史 を記録した、その名にふさわしい博物館へと生まれ変わった。これまで 将来だけを見据えてきたシリコンバレーには今、過去をたたえる殿堂が ある。

同博物館は国道101号線のそばにあり、ソフトウエア最大手の米マ イクロソフトのシリコンバレーキャンパスの近くで、インターネット検 索のグーグル本社からは約1マイル(約1.6キロメートル)に位置する。 建物自体が、かつてのハードウエアの巨人、シリコン・グラフィックス が繁栄、破産し2000年代初めに規模を縮小した場所に移転していった遺 跡だ。

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