失業率改善もデフレ脱却の道筋依然見えず-国内物価・雇用統計

【記者:小坂紀彦】

1月28日(ブルームバーグ):28日公表された物価や雇用関連の 国内経済統計では、完全失業率が10カ月ぶりとなる4%台に低下した ものの、景気が足踏みし、デフレ脱却の見えない状況があらためて確 認された。

昨年12月の日本の完全失業率(季節調整済み)は4.9%と前月の

5.1%から低下し、事前の市場予想(5.1%)も下回った。4%台にな るのは、2010年2月分(4.9%)以来。その月に新たに受け付けた求 人数である新規求人倍率も1.01倍で、前月から0.06ポイント上昇し た。

三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは 統計発表後、求職理由でも「勤め先都合」が前年同月比23万人減と減 少傾向が続いている点について「明るい動きだ」と指摘。半面、「若 年層の雇用状況の厳しさが依然続いている」とし、「デフレ傾向が続 く中では景気の遅行指標である完全失業率が大きく改善するのはまだ 先のことになりそうだ」との懸念を示した。

同日発表された12月の家計調査と商業販売統計は、景気停滞をあ らためて示した。2人以上の世帯の消費支出が前年同月比3.3%減、 小売業販売額は前年同月比2.0%減となった。宅森氏は、消費支出の 減少について、家電エコポイント制度の変更や、エコカー補助金打ち 切りに伴う駆け込み需要の反動がマイナス要因になったと指摘。「景 気が足踏み状況にあることを裏付ける内容」との見方を示した。

消費者物価は22カ月連続マイナス

一方、総務省が同日発表した12月の全国の消費者物価指数(除く 生鮮食品、コアCPI)は前年同月比0.4%低下と22カ月連続でマイ ナスとなった。1月の東京都区部コアCPIは同0.2%低下だった。

前年比の下落率は3カ月連続で縮小した。国際商品相場の上昇も あってマイナス幅は今後も縮小を続けるとみられるが、8月に予定さ れる基準年改定の影響から前年比変化率は下方修正される可能性が指 摘されている。

農林中金総合研究所の南武志主任研究員は統計発表後のリポート で、「食料品やエネルギーなどを除いたベース部分での下落圧力が徐々 にではあるが、解消する動きが続いていることが確認できる」と指摘。

一方で、商業販売統計や家計調査などでは「消費財・サービスに 関する需給環境には改善が見られておらず、物価下落圧力はなかなか 払拭(ふっしょく)できる状況ではないこともまだ明らか」と述べ、 「賃金の持続的な上昇を伴わない限り、物価全体が上昇を続けること は困難といえる」との見方を示した。

--取材協力:日高正裕、氏兼敬子、藤岡徹、伊藤亜輝 Editor:Hitoshi Ozawa, Norihiko Kosaka

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