12月の消費者物価は3カ月連続で下落率縮小-0.4%低下(Update2)

(発表内容を追加し、更新します)

【記者:日高 正裕】

1月28日(ブルームバーグ):昨年12月の全国の消費者物価指数 は、3カ月連続で前年比の下落率が縮小した。国際商品市況の上昇も あり、マイナス幅は今後も縮小を続けるとみられるものの、8月に予 定される基準年の改定の影響で前年比変化率は下方修正される可能性 が強く、デフレ脱却はまだ見えていない。

総務省が28日発表した12月の全国の消費者物価指数(除く生鮮 食品、コアCPI)は前年同月比0.4%低下と22カ月連続でマイナス となった。1月の東京都区部コアCPIは同0.2%低下だった。ブル ームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値は全国が0.5%低下、東 京は0.3%低下だった。前月はそれぞれ0.5%低下、0.4%低下だった。

日本銀行は25日の金融政策決定会合で、昨年10月の経済・物価 情勢の展望(展望リポート)の中間評価を行い、2011年度のコアCP I前年比は「国際商品市況高の影響からやや上振れる」として、委員 の見通し(中央値)を0.1%上昇から0.3%上昇に引き上げる一方、12 年度は0.6%上昇に据え置いた。

CPI総合指数は12月の全国が前年同月比横ばい、1月の東京都 区部は0.1%低下だった。前月はそれぞれ0.1%上昇、0.1%低下だっ た。変動の大きな食料(酒類除く)とエネルギーを除く「米国型コア CPI」は、12月の全国が0.7%低下、1月の東京都区部は0.3%低 下だった。前月はそれぞれ0.9%低下、0.5%低下だった。

早晩、踊り場を脱却

白川方明総裁は25日の会見で、11年度のコアCPI見通しを上 方修正したことについて「主に国際商品市況の上昇傾向を織り込んだ ものだ」と指摘。その上で「大事なのは、物価安定の下での持続的な 成長経路に復帰していくこと」であり、「そうした望ましい方向に向 かっている」との見方を示した。

原油先物相場は昨年8月後半に一時70ドル近辺まで下落して以 降、じわじわと水準を切り上げており、足元では1バレル=80ドル台 半ばで推移している。新興国の力強い成長に支えられ、景気も踊り場 脱却の兆しが出ている。白川総裁は「1-3月と確定的に言うのは難 しいが、早晩、景気テンポの鈍化した状況から徐々に脱し、緩やかな 回復基調に復帰していく蓋然(がいぜん)性が高い」と述べた。

総務省は8月、CPIの基準年を05年から10年に切り替える。 5年前の前回改定では0.4-0.6ポイントの下方修正が行われた。家計 の消費構造の変化をより迅速に反映させるため毎年ウエートが更新さ れている「ラスパイレス連鎖基準方式による消費者物価指数」が足元 でコアCPIを0.4ポイント下回っていることなどから、今回も0.5 ポイント前後の下方修正が行われるとの見方が強い。

粘り強く金融緩和を継続

大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは「物価の基調は『緩や かな下落』から『おおむね横ばい』へ変化しているとみられる」と指 摘する。昨年4月から消費者物価指数を押し下げてきた高校授業料の 実質無償化の影響が今年4月からはく落することもあり、コアCPI は4月以降、「前年比でわずかながらプラスへ転じる」と予想する。

しかし、日興コーディアル証券の岩下真理チーフマーケットエコ ノミストは「政府は11年度中にCPI総合の前年比プラスを目標とし ており、05年基準では可能でも、10年基準ではハードルが高い。基準 改定後のコアCPIで前年比プラスが視野に入るまで、日銀は緩和的 な金融環境の提供を粘り強く続けることが見込まれる」としている。

--取材協力 乙馬真由美 Editor:Hitoshi Ozawa,Norihiko Kosaka

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