タイガーマスク現象1カ月、一過性ブームで終息か-寄付数一部で急減

昨年末からアニメの主人公の名義で 児童養護施設にランドセルが届けられるなどの寄付が相次いだ、いわゆ る「タイガーマスク現象」から約1カ月。東京都では早くも寄付件数が 急減し、終息の兆しを見せている。

東京都福祉保健局総務部広報担当の柏原弘幸氏によると、東京都内 で報告された児童福祉施設へのランドセル、文房具、現金などの寄付件 数は1月第4週(24-26日時点)に13件と、統計を取り始めた1月第 2週(11-14日)の57件、第3週(17-21日)の50件から大幅に減少 した。柏原氏によると、報道が沈静化するとともに、寄付数も落ち着い てきている。

タイガーマスク現象は、昨年12月25日に群馬県前橋市の児童養護 施設にアニメの主人公「伊達直人」の名義でランドセルが贈られて 以来、同様の寄付が全国で相次いだことから始まった。今月12日の時 点で全国の各児童養護施設に匿名で届けられたランドセルは全部で350 個以上、現金の寄付は総額1000万円にまで上ったと、同日の共同通信 は伝えている。

淑徳大学総合福祉学部の非常勤講師で、千葉県稲毛区にある児童養 護施設「房総双葉学園」の施設長を務める小木曽宏(おぎそ・ひろし) 氏は善意の輪が広がった背景について、「なんとなくそういうのが照れ くさい」という人がタイガーマスク運動に感銘を受けて賛同したのだろ うと分析する。「房総双葉学園」にはこれまでにランドセルや現金など 全部で8件の寄付が匿名で届けられた。

企業にも波及

タイガーマスク現象は企業や政界にも波及効果をもたらした。学習 塾を運営する学究社は13日、今年春に入学する養護施設の新小学1年 生に500万円分のランドセルを贈ることを決めた。

漫画「タイガーマスク」の発行元である講談社には14日までに1 万3000部程度の注文について問い合わせあった。また、芸能人やアニ メのキャラクターに似せたゴム製のマスクを作っているさいたま市大 宮にあるオガワスタジオ。「成人式の連休明けの週に600個の注文が入 って以来、生産が間に合っていない状況だ」と八木原貴裕専務は 語った。「出荷したのも含め、注文は現段階で1000個近くにまで 上っている」という。

一方、細川律夫厚労相は18日の閣議後会見で、児童養護施設職員 の増員を検討しており、地方自治体に適切な職員配置を指導していく考 えを示している。

昨年末以来、大きな関心を呼んだタイガーマスク現象。今後につい て、小木曽教授は「ブームでは終わってほしくない」と前置きしたうえ で、「今ほどの盛り上がりがそのままずっと継続するとは思えない」と 分析した。

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