1月27日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商 品相場は次の通り。

◎外国為替:円下落、格下げを嫌気-エジプト・ポンドも安い

ニューヨーク外国為替市場では円が主要通貨すべてに対して下落。 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、過去9 年で初めて日本の信用格付けを引き下げたのが嫌気された。

エジプト・ポンドは対ドルで6年ぶり安値に下落。同国では、反 体制派の指導者的存在であるエルバラダイ前国際原子力機関(IAE A)事務局長がカイロに戻り、ムバラク政権に対して「暴力行使をや めるよう」強く訴えた。円は対ユーロで2カ月ぶり安値。菅直人首相 が財政赤字の削減に十分な対策を講じていないとの懸念が材料。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、マー ク・マコーミック氏は、「日本格下げについてのS&Pのコメントか らその意味するところを引き出せば、そのまま米国や欧州に当てはま る」と述べ、「このネガティブな地合いに加えて堅調な米経済統計を 考えると、来週末までに1ドル=84円を超えてドルが押し上げられる 可能性もある」と続けた。

ニューヨーク時間午後3時24分現在、円は対ドルで0.8%下げ て1ドル=82円82銭。前日は82円17銭だった。ドルは対ユーロ で1ユーロ=1.3734ドル、前日は1.3713ドルだった。

日本の格付け

S&Pは、日本の外貨建て・自国通貨建ての長期国債格付けを 「ダブルAマイナス」に引き下げた。長引くデフレや政治的な行き詰 まりが財政赤字削減への努力を妨げているとの見方が理由だ。

エジプト・ポンドは対ドルで一時、2005年1月以来の安値をつ けた。エルバラダイ氏は記者団に対し、カイロで28日予定されている 反政府の抗議運動に参加する意向を明らかにした。

オーストラリア・ドルは対米ドルで0.8%安。オーストラリアの ギラード首相は、同国を襲った過去最大規模の洪水被害の復興費用は 推定56億豪ドルとの見通しを示した上で、この一部を賄うために1回 限りの特別課税を政府が検討していることを明らかにした。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は0.2%下げて77.709。一時は昨年11月11日以来の低 水準となる77.594をつけた。

失業保険申請件数

米労働省が27日発表した22日に終わった1週間の新規失業保 険申請件数(季節調整済み)は前週から5万1000件増加して45万 4000件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央 値は40万5000件だった。

ユーロは対円で上昇。サルコジ仏大統領が世界経済フォーラム年 次総会(ダボス会議)で、欧州は引き続きユーロを防衛すると述べた のが材料となった。

ユーロは対円で0.9%高の1ユーロ=113円73銭。一時は11 月22日以来の高値となる114円01銭まで買い進まれた。

◎米国株:S&P500種は5日続伸―決算や中古住宅統計で

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は5日連続で上げた。 中古住宅販売成約指数のほか、携帯電話向け半導体最大手クアルコムの 売上高見通しが市場予想を上回ったことが買いを誘った。一方、日本国 債の格下げと予想を上回る新規失業保険申請件数は悪材料となった。

クアルコムは5.9%高。同社はスマートフォン(多機能情報端末) の需要増から恩恵を受けた。キャタピラーも高い。利益が予想を上回っ たネットフリックスは15%急伸。一方、売上高が予想を下回った AT&Tは下落。通常取引終了前に決算を発表したマイクロソフトは 高い。

S&P500種株価指数は前日比0.2%高の1299.54。ダウ工業 株30種平均は4.39ドル上昇の11989.83ドル。

PNCウェルス・マネジメントのジェームズ・ダニガン最高投資 責任者(CIO)は、「信頼感の改善につれ、住宅販売は増加するだ ろう。それは今回の景気回復局面において重要な要素だ。雇用情勢は なお改善する必要がある。日米欧はレバレッジ解消という困難をまだ 脱していない。一方、業績は好調で、バリュエーション(株価評価) は妥当な水準にある。新規の買いを入れるには最善の時期ではないか もしれないが、株式への投資配分を引き下げる時期でないことは確か だ」と述べた。

ダウ平均は前日、2008年6月以来で初めて1万2000ドル台に 一時乗せた。連邦公開市場委員会(FOMC)が緩和政策を維持し、 新築住宅販売件数が予想を上回ったことが手掛かりとなった。ブルー ムバーグがまとめたデータによると、19日以降に四半期決算を発表 したS&P500種構成企業171社のうち、アナリスト予想を上回っ たのは129社。

中古住宅

全米不動産業者協会(NAR)が発表した12月の中古住宅販売 成約指数(季節調整後)が3カ月連続でプラスになったことを手がか りに株価は上昇した。同指数は前月比2%上昇した。ブルームバーグ がまとめたエコノミスト調査の予想中央値は1%上昇だった。前月は

3.1%上昇(速報値3.5%上昇)に修正された。

クリスティアナ・バンク・アンド・トラストの運用担当者、トー マス・ニューハイム氏は、「今後数四半期は株式に対して慎重ながら 前向きな姿勢を維持する」と発言。「業績が引き続き予想を上回って いるという事実に注目している。調整なしに今後6カ月は強い相場展 開になるはずだ」と語った。

クアルコムの2010年10-12月(第1四半期)調整済み1株当 たり利益は82セントと、アナリスト予想の平均である72セントを 上回った。1-3月期の売上高については34億5000万-37億 5000万ドルになるとの見通しを示した。ブルームバーグがまとめた アナリスト予想平均は31億4000万ドルだった。

自動車株

S&P500種の自動車株指数は2%上昇。産業別24種で上昇率 首位となった。調査会社エドマンズ・ドット・コムによると、1月の 自動車販売台数は前年同月比17.3%増の81万6000台前後が予想 されている。フォード・モーターやゼネラル・モーターズ(GM)の株 に買いが入った。

郵便・オンライン映画レンタルサービス、ネットフリックスの 10-12月(第4四半期)決算は1株当たり利益が87セントと、ア ナリスト予想の平均である71セントを上回った。バンク・オブ・ア メリカ(BOA)は投資判断を「アンダーパフォーム」から「買い」 に引き上げた。

マイクロソフトは0.3%高。2010年10-12月(第2四半期) 決算は、利益がアナリスト予想を上回った。法人顧客による事務用統 合ソフト「オフィス」やサーバー・プログラムの購入が増えたほか、 消費者向け製品では体の動きや声でゲームを操作するシステム「Ki nect(キネクト)」の販売が好調だった。1株利益は77セント、 売上高は200億円。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均は 1株利益が68セント、売上高は191億ドルだった。

米失業保険、日本格下げ

米労働省が朝方発表した新規失業保険申請件数が予想以上に増 加したため、早朝の株価指数先物は軟調に推移した。申請件数は前週 から5万1000件増加して45万4000件。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト予想中央値は40万5000件だった。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日 本の外貨建て・自国通貨建ての長期国債格付けを引き下げたことも朝 方の悪材料となった。

消費財最大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は

2.9%安。1-3月(第3四半期)の特別項目を除く1株当たり利益 が0.95-1ドルになるとの見通しを示した。ブルームバーグがまと めた平均予想は99セントだった。

◎米国債:TBレート低下-財務省が借り入れ縮小

米国債市場では1カ月および3カ月物の財務省短期証券(TB)の レートが1カ月で最大の下げとなった。政府債務が法定上限に近づく中 で、財務省が連邦準備制度理事会(FRB)を支援する借り入れプログ ラムを縮小すると発表したことが背景にある。

この日の7年債入札(発行額290億ドル)で最高落札利回りが 市場予想を下回ったことに反応し、米国債相場は上昇。2年債と30 年債の利回り格差は一時、過去最大近くに拡大。インフレ加速のリス クに対し、投資家が高い利回りを求めていることが示唆された。

ジェフリーズ・グループのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、 ジョン・スピネロ氏(ニューヨーク在勤)は「財務省の動きを受け、 TBに買いが入っている。短期債の発行が幾分減ることになるからだ」 と分析。「イールドカーブのスティープ化がなおも見られる。しばら くはこのスティープ化した状態が続くだろう。インフレ懸念が台頭し 始めたことから、投資家は長期債を避け短期債を選好している」と述 べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、1カ月物TBの レートは一時、前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 低下の0.11%と、取引時間中としては昨年12月20日以降で最大 の下げとなった。ニューヨーク時間午後5時5分現在は0.13%で推 移している。3カ月物TBのレートは一時2bp低下し、0.14%。 下げ幅は12月29日以来で最大となった。

2年債と30年債の利回り格差は一時4.016ポイントに拡大。 その後は3.991%となった。今月20日には4.018ポイントとな り、イールドカーブ(利回り曲線)はブルームバーグの記録が始まっ た1977年以降で最もスティープ化した。昨年8月の時点では

2.995ポイントだった。

7年債入札

7年債入札では、最高落札利回りは2.744%と、入札直前の市 場予想の2.774%を下回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率 は2.85倍。過去10回の入札の平均は2.87倍だった。

ジェフリーズ・グループの政府債エコノミスト、トーマス・サイ モンズ氏は「需要の多くはFRBが関係している。供給の多くを吸収 しているからだ」と説明した。

FRBの買い入れ

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限2012年11月から13年 7月までの米国債58億ドルを購入した。購入額は保有者が差し出し た総額の17.3%。過去10回の買い入れの平均は34%となってい る。

この日の7年債入札では、間接入札の落札全体に占める比率は

52.1%。前回12月29日の入札では64.2%、過去10回の入札 の平均は50.9%。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接 入札者の比率は5.7%だった。12月の入札では4.6%、過去10回 の平均は9.1%。

財務省のミラー財務次官補(金融市場担当)は「債務管理政策を 進める上で弾力性を保持するため」、FRBを支援する借り入れプロ グラムを従来の2000億ドルから50億ドルに縮小することを明らか にした。

30年債利回りは2bp低下し4.57%。一時は4bp上昇の

4.63%を付ける場面もあった。2年債利回りは5bp低下し

0.59%。一時2bp上げて0.65%を付けた。既発7年債利回りは 3bp低下し2.71%。一時は2.80%まで上げた。

◎金先物:反落、4カ月ぶり安値-景気回復期待で逃避需要が後退

ニューヨーク金先物相場は反落。世界的な景気回復への期待から 逃避先としての金投資が振るわず、ほぼ4カ月ぶりの安値に沈んだ。

米国株式市場ではダウ工業株30種平均が前日に続いて1万 2000ドル台に乗せる場面があった。金連動型上場投資信託(ETF) の金保有量は26日まで3日連続で減少し、昨年8月以来の最低とな った。金は月初来で7.1%下落。昨年は通年で30%上げていた。

プロスペクター・アセット・マネジメント(イリノイ州エバンス トン)のレオナード・カプラン社長は、「金投資の花は見ごろを過ぎ た」と語る。「これまで金を買いたかった投資家はすでに皆、買いを 入れてしまった。今ではこの価格での買い手は見当たらない」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は、前日比で14.70ドル(1.1%)安の1オンス=

1319.80ドルで終了した。通常取引終了後の電子取引では一時 1311ドルまで下げて、昨年10月1日以来の安値を付けた。

◎原油先物:反落、失業保険申請統計で回復足踏みを懸念

ニューヨーク原油先物相場は反落。8週間ぶり安値に沈んだ。失 業保険申請件数が予想を上回る増加となり、景気回復のペース停滞へ の懸念が高まった。

米労働省が発表した22日に終わった1週間の新規失業保険申請 件数(季節調整済み)は前週から5万1000件増加して45万4000 件。米商務省が発表した12月の製造業耐久財受注は前月比で2.5% 減少。石油輸出国機構(OPEC)のバドリ事務局長は26日、現在 の価格は「心地よい領域」に入っていると述べた。

ショーク・グループ(ペンシルベニア州ビラノバ)のスティーブ ン・ショーク社長は、「地合いが崩れた」と指摘。「きょう出た経済 統計は目も当てられない数字だった。先週から弱気材料が相次いでい る」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比1.69ドル(1.94%)安の1バレル=85.64ドルで終了。終値 としては昨年11月30日以来の安値。過去1年では16%値上がりし ている。

◎欧州株:続伸、米金融当局の緩和策維持を好感-ノキアは安い

欧州株式相場は続伸。米連邦公開市場委員会(FOMC)が金融 緩和策を維持したため、買いが優勢となった。米格付け会社スタンダ ード・アンド・プアーズ(S&P)が日本の長期国債格付けを引き下 げた影響は限定的だった。

ビジネスインフラ・ソリューション用ソフトを手がける独ソフト ウェアは大幅高。アナリスト予想を上回る利益を発表したほか、ドイ ツDAX指数の構成銘柄に入れるよう大幅成長を図る意向を示したこ とが好感された。

一方、アナリスト予想を下回る決算を発表した欧州衣料小売り2 位、スウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は下落。 フィンランドの携帯電話メーカー、ノキアも下げた。スティーブン・ イーロップ最高経営責任者(CEO)は携帯電話の競争で「重大な試 練」に直面していると述べた。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%高の282.88で終了し た。前日はFOMCが景気支援に向けて緩和的な金融政策を維持すると の期待から上がっていた。

ランデスバンク・バーデン・ビュルテンベルクの戦略部門責任者、 マイケル・コーラー氏は、「FOMCが米国債購入を継続する方針を 示したことに市場は非常に満足している」と指摘。「日本国債の格げ はソブリン債問題が解決してないことをあらためて裏付けた」と述べ た。

27日の西欧市場では、18カ国中15カ国で主要株価指数が上昇 した。

◎欧州債:アイルランド、スペイン国債が下落-S&Pの見通しを嫌気

欧州債市場ではアイルランドやギリシャ、スペインの国債相場が 下落。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、 これらの国は向こう1年半「リセッション(景気後退)から抜け出せ ない」との見方を示したほか、日本の長期国債を格下げしたことが響 いた。

ドイツ2年債は下落。利回りは1年ぶり高水準に上昇した。同国 の1月のインフレが加速したことが影響した。アイルランド債は、野 党の統一アイルランド党と労働党が、選挙で勝利した場合に同国の債 務再編の折衝に当たるアドバイザーを起用するとの観測も背景に値下 がりした。

WestLBの債券アナリスト、ミヒャエル・レスター氏は「ス ペインは実際のところかなり良い状況にあるというのが全般的なコン センサスになっていることを考えると、S&Pのニュースは歓迎され ない」と指摘。「日本国債の格下げのニュースもあった。関連性とし ては若干離れているが、ユーロ圏での切迫感から欧州の重債務国のセ ンチメントには重しとなっている」と加えた。

ロンドン時間午後4時現在、アイルランド10年債の利回りは前 日比19ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し9.13%。 ドイツ債とのスプレッド(上乗せ利回り)は17bp拡大し、5.92ポ イントとなった。スペイン債は6bp上昇の5.50%。

ドイツ2年債利回りは6bp上昇し1.38%。上げ幅は5日以降 で最大。2年債と10年債の利回り格差は、昨年11月30日以降で最 小となった。10年債利回りは3bp上げて3.21%と、昨年4月12 日以来の高水準。

◎英国債:10年債、約8カ月ぶり高利回り

英国債市場では10年債利回りが8カ月ぶりの高水準付近で推移。 インフレ加速がイングランド銀行(英中銀)の利上げ実施につながり、 債券資産の投資リターンが損なわれるとの懸念が広がった。

英公債管理局(DMO)が実施したインフレ連動債の入札では、 当初の予定を上回る発行規模となった。投資家のインフレ対策需要を 反映している。

ロイズ・バンク・コーポレート・マーケッツ(ロンドン)の市場 ストラテジー責任者、チャールズ・ディーベル氏は、「インフレ懸念 が英国債市場に影を落としている」と述べ、「世界的に債券市場は、 インフレ、特に食料価格の値上がり対して守りの姿勢になっている」 と述べた。

ロンドン時間午後4時35分現在、10年債利回りは前日比1ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)未満上げて3.70%と、昨年 5月18日以来の高水準。同国債(表面利率4.75%、2020年3月償 還)価格は0.04ポイント下げて108.08。2年債利回りはほぼ変わ らずの1.28%。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Mariko Rakuyama 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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