日本国債格下げ:海外保有率低く、円売りは短命-JPモルガン棚瀬氏

JPモルガン・チェース銀行債券 為替調査部の棚瀬順哉チーフFXストラテジストは、日本国債の格下げ の円相場への影響について、以下の通りコメントした。

スタンダード&プアーズ(S&P)は27日、日本の外貨建て・自 国通貨建て長期ソブリン格付けを、「AA」から「AA-」に引き下げたと 発表した。

日本国債格下げについて:

「昨年1月からネガティブウォッチだったことを考えれば、別段不 思議ではない。そもそも2002年にダブルAマイナスにして、その後 07年に1回格付けを引き上げたものを元に戻しただけだ。これでフィ ッチと同じになっており、そういった意味では格付け自体も他と比べて 下がったという話ではないし、動き自体が完全にサプライズかというと そこまでではない」

円相場への影響:

「日本の国債の95%は国内勢が保有しており、仮に日本の財政に 対する懸念から国債の売りが出ても、それに伴っての円売りは出ない。 基本的に足元の動きは短期筋主導のスペック(投機)に基づいたもので 実需の裏付けがないものだと言えるだろう」

「円自体に関してはわれわれも特段強気ではないが、足元でもっと も明白なトレンドはドル安だ。クロス円(ドル以外の通貨の対円相場) が上昇する(円は下落)かどうかは、今後のリスク志向次第となってく るだろうが、ドル・円についてはこのまま上昇基調をたどるとは思えな い」

「02年4月16日の時は、格下げでドル・円が131円台半ばから 132円台前半に上昇した。その後、しばらく高止まった後、翌16日の ニューヨークでは130円87銭まで落ちている」

「年初来高値は1ドル=83円60-70銭程度だが、ドル・円がそ こを超えてどんどん上昇していく可能性は低いとみる。また、そこまで いったとしてもおそらく投機的なフロー主導なので、どこかの時点で反 対取引が出るので、ドル・円は戻ってくる可能性が高いのではないか」

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