今日の国内市況:米景気期待で株式反発、債券は続伸-為替82円台

日本株相場は反発。米金融政策当 局による緩和姿勢の継続を受け、米国景気の先行きに楽観的な見方が 広がった。電機や輸送用機器、機械など輸出関連株が上昇。海外商品 市況の反発を好感し、鉱業や卸売など資源関連、鉄鋼など素材関連も 高い。国内企業の決算発表が本格化し、増益のファナックは発表後に 一段高となり、52週高値を更新した。

TOPIXの終値は前日比7.02ポイント(0.8%)高の929.66。 日経平均株価は同76円76銭(0.7%)高の1万478円66銭。東証1 部33業種は27業種が上昇、6業種が下落。東証1部の売買代金は1 兆4659億円と、前日比で19%増えた。

きょうの日本株は朝方から買いが先行、新興国の利上げ懸念によ る前週後半の大幅安を取り戻す動きとなった。東証1部の値上がり銘 柄は1053と、値下がりの463を上回った。米連邦準備制度理事会(F RB)は26日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に声明を発表、 金融量的緩和措置の維持を強調し、前日の米ダウ工業株30種平均は一 時2008年6月以来の1万2000ドル台を回復した。米景気期待、株高 を追い風に日本株にも投資資金が流れた。

FOMC終了後の声明によると、6月にかけて6000億ドルの国債 を購入する方針を維持した。米金融当局は景気回復が加速している兆 候が表れているとしながらも、高い失業率の引き下げを目指した金融 緩和措置を縮小させるには不十分との認識を示した。また、新興国の 相次ぐ利上げで調整入りしていたニューヨーク商業取引所(NYME X)の原油先物3月限も前日には1.3%高と反発。銅や金先物相場も 上昇した。

東京市場では、米国の景気期待や株高、商品市況高の動きを好感 し、東証33業種の値上がり率上位には鉱業や機械、鉄鋼、輸送用機器、 ガラス・土石製品など輸出、資源、素材関連が並んだ。鉄鋼株には、 車用鋼板の海外生産を倍増させ、現地生産で世界的に拡大する環境車 需要を取り込むと27日付の日本経済新聞で報じられた新日本製鉄な ど大手メーカーに材料があった。

個別では、中国などアジア市場向けが好調で、10年4-12月期の 連結営業利益が前年同期比5.1倍となったと午後1時に発表したファ ナックが大幅続伸し、07年7月以来の高値を更新した。システムイン テグレーション事業の利益率改善などで、4-12月の連結営業利益が 前年同期比5.5%増となったシンプレクス・ホールディングス、中国 最大のインターネットサービス企業と業務提携するグリーが大幅高。

また、新興国のデジタル家電の需要増などを受け、10年4-12 月の連結営業利益が前年同期比28%増となった日立化成工業のほか、 プラント事業の利益率向上などで、11年3月期の営業利益が上振れる もようと27日付日経新聞で伝えられた三菱重工業も高い。

半面、下落業種はパルプ・紙や海運、医薬品など。個別では、通 信・情報システム分野での投資抑制などの影響で、11年3月期の連結 営業損益予想を従来の75億円の黒字から45億円の黒字に下方修正し た日立国際電気が急落。一部不採算案件の影響から、11年3月期の業 績予想を減額したアルファシステムズも4日ぶりに大幅反落した。

また、りそなホールディングスが公募価格440円下回る下落とな り、取引時間中の上場来安値を更新した。りそなHDは、前日に公募 一般募集が締め切られ、31日に払込期日を控える。

債券続伸、2年債入札順調で中期に買い

債券相場は続伸。朝方は前日の米国債相場の下落などを受けて売 りが先行した。しかし、この日の2年債入札結果が順調だったことを 受けて買い安心感が広がり、午後に相場は上昇に転じた。銀行などが 中期債を中心に買いを入れたとの見方が出ていた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い1.24%で始まり、一時 は1.245%まで上昇した。午後に入ると徐々に水準を切り下げ、2時 40分過ぎには1.5bp低い1.22%まで低下した。

2年債入札結果が順調だったことを好感して中期債が買われた。 新発5年物の93回債利回りは2bp低い0.485%まで下げた。前回入札 された2年物の300回債利回りは横ばいの0.195%で推移。一時は

0.5bp低い0.19%に下げた。

財務省がこの日に実施した表面利率(クーポン)0.2%の2年利付 国債(301回債)の入札結果によると、最低落札価格が100円5厘、 平均落札価格は100円6厘となった。最低価格はブルームバーグが事 前に調査した100円ちょうどを若干上回り、応札倍率は5.33倍と前回 の3.50倍から大幅に上昇した。小さいほど好調とされるテールは1厘 と前回の1銭2厘から縮小した。

東京先物市場で中心限月3月物は続伸。前日比24銭安の139円 37銭で始まり、直後に139円34銭まで下げた。その後は下げ幅を縮 めて推移していたが、午後に入ると水準を切り上げ、取引終了前には 139円81銭まで上昇した。結局は17銭高の139円78銭で引けた。

朝方の先物売りについて、貿易統計が強かったことが一因との見 方もあった。財務省が27日発表した12月の貿易統計速報(通関ベー ス)によると、輸出額は前年同月比13.0%増の6兆1128億円、輸入 額は同10.6%増の5兆3851億円だった。この結果、貿易黒字額(原 数値)は34.1%増の7277億円と2カ月ぶりに増加した。エコノミス ト調査の予測中央値は4650億円の黒字だった。

為替はユーロが堅調、ドル・円82円台前半

東京外国為替市場ではユーロが底堅く推移。対ドルでは約2カ月 ぶりの高値圏を維持した。この日はドイツで消費者物価指数(CPI) の発表を控えて、インフレ加速が示された場合は、金利先高観が強ま るとの見方を背景にユーロの下値が支えられた。

前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3722ドルと、昨年11月22日 以来の水準まで上昇していたユーロ・ドル相場は、この日の取引では

1.3691ドルまで下押される場面も見られたが、その後は1.37ドル台 を回復。午後3時57分現在は1.3713ドル付近で取引されている。

一方、ドル・円相場は1ドル=82円台前半を中心に小幅な値動き に終始。ドルの上値が82円28銭、下値が82円02銭と、値幅は26 銭にとどまった。同時刻現在は82円16銭で推移している。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の中央値によると、 1月の独CPIは、欧州連合(EU)基準で前年同月比2.2%の上昇 が見込まれている。予想通りとなれば2008年10月以来の伸びとなる。

トリシェ総裁は26日、スイスのダボスで開かれている世界経済フ ォーラムでブルームバーグテレビジョンのインタビューに答え、政策 当局はインフレ抑制のために必要な措置を取るとあらためて表明する とともに、ECBの物価安定への取り組みに対する信頼は依然として 損なわれていないと強調した。

また、26日の欧州債市場では、昨年12月の独輸入物価指数が過 去29年余りで最大となる年間の伸びを示したことから、インフレ期待 が高まり、独2年債利回りが約1年ぶりの高水準に上昇している。

米FRBは26日のFOMCで、6月にかけて6000億ドルの国債 を購入する方針を維持。政策は2009年12月以降で初めて全会一致で 決定された。また、声明文では、景気拡大が「継続しているものの、 そのペースは労働市場の状況を著しく改善させるには不十分だ」と指 摘されている。

あすは米国で昨年10-12月の国内総生産(GDP)統計が発表さ れる。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の中央値では、 前期比3.5%の増加と、前期の2.6%増を上回る伸びが見込まれている。

一方、この日の東京市場では、中国が住宅投資を抑制する方針を 示したほか、オーストラリアのギラード首相が洪水被害で経済成長が 押し下げられると述べたのを受けて、豪ドル売り主導でリスク回避の 動きが進行。ドルと円が買い戻される場面もみられた。

中国の国務院は26日にウェブサイトに掲載した声明で、2軒目の 住宅を購入する際の頭金の最低比率を50%から60%に引き上げると ともに、地方政府に土地供給の拡大を要請した。資産バブル発生リス クを一段と抑えるのが狙いで、「中国は引き続き、住宅の投資や投機的 な購入を効果的に抑制していく」方針を示している。

また、ギラード豪首相は洪水で同国のGDPが0.5ポイント押し 下げられるだろうと発言。これを受けて、豪ドルは一時、対米ドルな どで下落した。同首相はまた、洪水後の復興コストを賄うため今年7 月から一時的な課税を実施すると発表した。

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