天然ゴム高騰、タイヤメーカーの合成ゴム需要高まる-JSR

自動車用タイヤの主原料となる天然ゴ ムの価格が高騰していることを受けて、代替素材として使用される合成ゴ ムへの需要が高まっている。合成ゴム売上高で国内首位のJSRは生産体 制が追いつかずニーズに応えることができない状態だ。

天然ゴムの価格は、国際的な指標とされる東京工業品取引所(TOC OM)の先物中心限月が1年前に比べ7割近く上昇している。今週24日に は1キログラム当たり484.9円と過去最高値を付けた。最大生産国タイの 現物市場でも25日に過去最高値を更新した。

JSR石化事業部長の川崎弘一取締役が26日、ブルームバーグ・ニュ ースに明らかにしたところによると、天然ゴムの自動車用タイヤ向けの代 替素材として使われる重合スチレン・ブタジエンゴム(SBR)やポリブ タジエンゴム(BR)などの汎用合成ゴムの価格は「1キログラム当たり 200-300円程度」。

川崎氏は、国内タイヤメーカーの間では合成ゴムの引き合いが急増し ているが「フル生産状態なので出せるものがない」と言う。同社のSBR の生産量は年間20万トン程度で、BRは同6万トン程度。

JSRは、高まる需要に対応するため、日本や欧州で売り上げが伸び ている省燃費・高性能タイヤに使用される溶液重合スチレン・ブタジエン ゴム(S-SBR)の年産能力を高めていく方針だ。国内では今年11月ま でに71%増の6万トンに増強する。

海外でも設備投資を行い、シェア拡大を図る。当面は、中国などアジ アでの高性能タイヤの需要の伸びを見据え、年間5万トン程度のS-SB Rの生産を検討している。設備投資先としては韓国や台湾など基礎原料の ナフサが低コストで供給できる国を念頭に置いていると、川崎氏は明らか にした。JSRは現在、ドイツ東部で3万トンのS-SBRを生産してい る。

独立系調査会社ティー・アイ・ダヴリュ(TIW)の高田悟シニアア ナリストは、世界のタイヤ需要について「新興国で新車向けが中心だが、 取り換え用のタイヤ需要もいずれ爆発的に増えていく」と予想、天然ゴム も合成ゴムも使用量は増えていかざるを得ないという。

JSRの27日の株価終値は前日比23円(1.4%)高の1711円。年初 来では13%の上昇となっている。同社は1957年、国策によって国内自動 車業界に国産合成ゴムを供給するために設立された。筆頭株主はタイヤ売 上高世界一のブリヂストン。

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