債券続伸、2年入札順調で中期債買い-国債格下げ受け夜間で売られる

債券相場は続伸。朝方は前日の米 国債相場の下落などを受けて売りが先行した。しかし、この日の2年 債入札結果が順調だったことを受けて買い安心感が広がり、午後に相 場は上昇に転じた。銀行などが中期債を中心に買いを入れたとの見方 が出ていた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、「2年債入札は良好だった。銀行勢が2年や5年債を中心に買 いに動いたもようで、地合いが好転した。昨日買われた超長期債を売 って、中期債を買う動きも見られた」と述べた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い1.24%で始まり、一時 は1.245%まで上昇した。午後に入ると徐々に水準を切り下げ、2時 40分過ぎには1.5bp低い1.22%まで低下した。

2年債入札結果が順調だったことを好感して中期債が買われた。 新発5年物の93回債利回りは2bp低い0.485%まで下げた。前回入札 された2年物の300回債利回りは横ばいの0.195%で推移。一時は

0.5bp低い0.19%に下げた。

2年債入札、倍率が大幅上昇

財務省がこの日に実施した表面利率(クーポン)0.2%の2年利付 国債(301回債)の入札結果によると、最低落札価格が100円5厘、 平均落札価格は100円6厘となった。最低価格はブルームバーグが事 前に調査した100円ちょうどを若干上回り、応札倍率は5.33倍と前回 の3.50倍から大幅に上昇した。小さいほど好調とされるテールは1厘 と前回の1銭2厘から縮小した。

バークレイズ・キャピタル証券の徳勝礼子シニア債券ストラテジ ストは、無担保コール翌日物金利との比較で2年債は割安な水準だっ たことなどから、「市場予想よりも良かった」と話した。

日本相互証券によると、この日入札された2年物の301回債利回 りは業者間市場では0.20%で寄り付いた後、若干水準を切り下げ、

0.195%で推移している。

もっとも、朝方は売りが優勢だった。JPモルガン・アセット・ マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、前日の米国市場で連邦公開 市場委員会(FOMC)結果などから「長期金利が上昇した流れを受 けて売りが先行した」と話していた。

26日の米国債相場は下落。米新築住宅販売が予想を上回ったほか、 米連邦準備制度理事会(FRB)は、FOMCで、6月にかけて6000 億ドルの米国債を購入する計画を維持しており、市場ではインフレが 加速すると懸念された。米10年債利回りは9bp上昇の3.41%程度。 一方、この日の国内市場で日経平均株価は反発した。

先物は続伸

東京先物市場で中心限月3月物は続伸。前日比24銭安の139円 37銭で始まり、直後に139円34銭まで下げた。その後は下げ幅を縮 めて推移していたが、午後に入ると水準を切り上げ、取引終了前には 139円81銭まで上昇した。結局は17銭高の139円78銭で引けた。

朝方の先物売りについて、バークレイズ・キャピタル証の徳勝氏 は、貿易統計が強かったことも一因との見方を示していた。

財務省が27日発表した12月の貿易統計速報(通関ベース)によ ると、輸出額は前年同月比13.0%増の6兆1128億円、輸入額は同

10.6%増の5兆3851億円だった。この結果、貿易黒字額(原数値)は

34.1%増の7277億円と2カ月ぶりに増加した。エコノミスト調査の予 測中央値は4650億円の黒字だった。

S&Pが日本国債を格下げ

こうした中、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S &P)は27日夕、日本の外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付 けを「ダブルA」から「ダブルAマイナス」に格下げしたと発表した。

S&Pは格下げの理由について「日本の政府債務比率がさらに悪 化するとのS&Pの見方を反映している」と説明した。

先物3月物は夜間取引で139円70銭台での推移となっていたのが、 格下げ発表を受けて、午後5時過ぎに139円48銭まで下落した。現物 債市場で長期金利の指標となる新発10年物の312回債利回りは前日比

1.5bp高い1.25%に上昇している。午後の開始後には2年債入札結果 を受けて1.22%まで低下していた。

BNPパリバ証券の島本幸治チーフストラテジストは、「格下げの 判断はちょっと早かった印象。ネガティブ見通しを発表して1年程度 経ったが、6月の社会保障・税一体改革を見極めてからだと思ってい た。国債が売られる材料になるが、一本調子で売られることにはなら ないだろう。今後の政策対応が一層重要になる」と述べた。

一方、ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、為替が 円売りで反応したことを受けて、債券先物には買い持ち高を落とす売 りが出たとしながらも、「日本の財政を考えるとS&Pによる格下げが いつあってもおかしくなかったという点で、国内債市場にとって大き なサプライズ(驚き)ではなかった。この材料をもって金利が急騰す るとは考えにくい」との見方を示した。

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