菅首相:現時点で解散考えず、予算成立が最重要-代表質問(Update2

国会は26日午後、衆院本会議を開 き、菅直人首相の施政方針演説などに関する代表質問を開始した。自 民党の谷垣禎一総裁が衆院解散を求めたのに対し、首相は2011年度予 算案と関連法案の早期成立が最重要課題として、これらの法案の成立 前に衆院解散・総選挙に踏み切る可能性を否定した。

首相は早期の衆院解散について「現在の経済状況や国民生活を考 えれば、11年度予算を一刻も早く成立させることが内閣の最重要課題 だと考えている。現時点で解散は全く考えていない」と否定した。

その上で、首相は今年6月までに社会保障と消費税を含む税制抜 本改革の具体案をまとめる方針も強調。仮に消費税率(現行5%)の 引き上げに踏み切る場合については「従来より、引き上げを実施する 際には国民の審判を仰ぐと言っており、その方針に変更はない」と明 言した。

ただ、首相は税率の具体的な引き上げ幅や増税時期を含めた税制 改革法案の具体的内容や国会への提出時期については「野党の意見も 聞きながら判断したい」と述べるにとどめた。

これに対し、谷垣氏は「消費税を含む税制抜本改革は民主党のマ ニフェスト(政権公約)を根底から覆す一大政策転換である以上、解 散して国民に信を問わないといけない」と要求。さらに、「消費税の引 き上げは必要ないとした先の総選挙の主張と大きくかい離したことに 取り組むからには、まずは引き上げ自体について国民に信を問い直す ことこそ成案の取りまとめのために必要な手続きだ」と語った。

また、首相は同日夜、官邸で記者団から仮に消費税率を引き上げ る場合の法案提出と衆院を解散する時期との関係について聞かれ、「時 期について特に今言う段階ではないが、少なくとも消費税が上がるま でにという意味で言ってきた」と明言を避けた。

与謝野氏

谷垣氏は元自民党で民主党の政策に批判的だった与謝野馨経済財 政担当相を閣僚に起用したことに関しては「民主党政権の正統性への 重大な疑義が生じた。国民の政治に対する信頼が失われ、わが国にと って必要な改革の実現がかえって遠のく」と批判した。

これに対し、首相は与謝野氏について「過去にいろいろな発言を されているが、国民の最大の関心事である社会保障改革について高い 見識と志を持っている方だと考え、この問題の責任者として内閣に三 顧の礼をもってお迎えした」と擁護。

その上で、これまでの民主党の方針と与謝野氏との政策の違いに ついて「これから議論をさらに進めていき、成案を得る段階では内閣 の不統一といったことはあり得ない、私はそのことはまったく心配し ていない」とも語った。

公債特例法案

今後の国会審議で国民生活に影響を与えそうなのが、税法や公債 特例法案など予算を執行するための関連法案の処理だ。予算自体は参 院で否決されても与党が多数派を占める衆院の議決が優先されるが、 関連法案は与党が衆院で再議決するための3分の2以上の勢力を占め ていないため、一部野党の協力を得なければ成立しない。

11年度予算案の新規国債発行額44.3兆円のうち38.2兆円を占める 赤字国債は、公債特例法案が発行の法的根拠となっているため、法案 が成立しなければ大きな歳入欠陥が生じる可能性がある。

このため政府・与党内に早くも浮上しているのが政府予算案の修 正論だ。民主党の岡田克也幹事長は24日午後の定例会見で、予算の修 正問題に関し、「修正そのものをしないというふうに言っていない。子 ども手当と高校無償化について、まったく議論する余地なしと言うつ もりはない」と可能性に言及。首相も25日夜、官邸で記者団に対し、 「政府としては最善の予算案だということで提出をしている」としな がらも、修正論について「いろんな議論が国会であることについては しっかり耳を傾けたい」と否定しなかった。

質問主意書

こうした中、自民党の宮沢洋一参院議員は25日午後、党本部で記 者団に対し、同氏と林芳正参院議員(党政調会長代理)が連名で、「予 算と法律との不一致に関する質問主意書」を参院を通じて菅内閣に提 出したことを明らかにした。

質問主意書は、予算は成立しているものの、公債特例法案や税法 などが成立していない場合、「予算は執行できるのか。執行できるとし た場合、その執行にはどのような制約があるのか」とただしている。 宮沢氏は、主意書に対する回答は「今のところ2月1日が期限になっ ているが、延びることもある。大事な話なので早い段階で聞いておき たかった」と語った。

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