1月26日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商 品相場は次の通り。

◎外国為替:ドル下落、FOMCが量的緩和継続-弱い回復で

ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨に対して2カ月ぶり 安値に下げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が景気回復を支える ために6000億ドルの国債購入計画を維持したのが背景。

FOMCは会合後に発表した声明で、「経済の回復は継続してい るものの、そのペースは労働市場の状況を著しく改善させるには不十 分であることが確認された」と述べた。ドルの下落は4日連続。ユー ロは対ドルで上昇。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)がアイ ルランド救済資金を調達するため前日発行した同基金初の債券が、取 引初日となる26日の流通市場で上昇したのが手掛かりだった。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は、「市場は全体的に見て、ややド ルに対してネガティブになっている」と述べ、「欧州の緊張に幾分か 緩和が見られる。市場の関心は米金融当局の政策スタンスへと若干戻 りつつある」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時15分現在、主要6通貨に対するインタ ーコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は0.3%下げて

77.770。前日は78.002。一時は11月12日以来で最低の

77.748まで落ち込んだ。

FOMC声明

FOMCは声明で、「現在のところ、失業率は高い水準にあり、 基調的なインフレを示す指標は、FRBの2つの責務に長期的に一致 していると委員会が考える水準に比べて、やや低い。物価安定という 流れの中で、資源活用が徐々に高い水準に戻ると委員会は想定してい るものの、残念ながらその目標に向けた進展は遅い」と指摘した。

オンラインでの為替取引を扱うGFTフォレックスの為替調査担 当ディレクター、キャシー・リーン氏(ニューヨーク在勤)は、「F OMC声明はドルにとっては失望する内容だったということだ」と述 べ、「FOMCは景気動向について上向きなことはまず言わない。今 回の金利据え置き決定は全会一致だった」と続けた。

この日、ドルに対して最も値上がりしたのはスウェーデン・クロ ーナだった。上昇率は0.9%。昨年12月の同国の貿易黒字拡大が背 景。

ユーロは対ドルで1ユーロ=1.3693ドル。前日は1.3681ド ルだった。一時は昨年11月22日以来の高値となる1.3722ドルを つけた。ドルは対円ではほぼ変わらずの1ドル=82円29銭。前日は 82円25銭。この日一時、0.4%高まで買い進まれる場面があった。 ユーロは対円で0.1%上昇して1ユーロ=112円68銭、前日は112 円54銭だった。

EFSF

EFSFが発行した5年債には、発行額50億ユーロに対し、 445億ユーロの注文があった。EFSFの発表によると、発行額全体 のうち20%超を日本政府が購入した。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁はEFSFに国債購入を 認める構想について、有益と考えられるとの見解を示した。同総裁は ダボスでブルームバーグテレビジョンとのインタビューで述べた。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、カール・フ ォチェスキ氏は、「市場参加者は、連邦準備制度理事会(FRB)に 比べてECBのほうがより敏感に反応しており、FRBよりも早く出 口戦略に着手する可能性が高いとの見方を強めている」と述べた。

◎米国株:上昇、ダウ平均は一時1万2000ドル台

米株式相場は上昇。ダウ工業株30種平均は2008年6月以来で 初めて1万2000ドル台を回復する場面があった。米連邦公開市場委 員会(FOMC)が量的緩和措置を維持したことや、米新築住宅販売が 予想を上回ったことを好感した。

住宅建設のレナーやスタンダード・パシフィックはいずれも高い。 商品価格の上昇を追い風にアルコアやシュルンベルジェも値上がり。 教育機関を運営するデブライは、10年10-12月(第2四半期)の利 益がアナリスト予想を上回ったことから買い進まれた。一方、ボーイ ングは下落。同社が示した今年の利益見通しはアナリスト予想を下回 った。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の1296.63。ダウ工業 株30種平均は8.25ドル(0.1%)上昇の11985.44ドル。一時 は12020.52まで上げた。

INGインベストメント・マネジメント(運用資産5500億ドル) で資産配分責任者を務めるポール・ゼムスキー氏は、「株式市場にと っては願ってもない状況だ」と指摘。「FOMCは金融政策の柱であ る2つの責務に取り組み続ける。それはインフレと雇用であり、両方 とも当局が望む状況より悪い。FOMCは景気が十分に回復するまで 現行の軌道を維持するだろう」と述べた。

予想を上回る決算

S&P500種はこれで4営業日続伸となり、バーナンキ米連邦準 備制度理事会(FRB)議長が景気浮揚を目指して行動を取ると示唆 した昨年8月26日以降では24%上げている。ブルームバーグがまと めたデータによると、S&P500種銘柄で10日以降に決算を発表し た120社のうち、アナリストの予想平均を上回ったのは88社。21 日以降では、地銀のサントラスト・バンクス(本社、ジョージア州アト ランタ)やキーコープ(本社、オハイオ州クリーブランド)が利益見通 しを2倍以上に引き上げ、最大のポジティブサプライズとなっている。

アナリスト予想によれば、S&P500種構成銘柄の利益は2010 年に30%増と、伸び率は1995年以来の最大となった。今年は15% 増が見込まれている。

この日は、FOMCの声明発表後も株式相場は上昇を維持した。 声明は「経済の回復は継続しているものの、そのペースは労働市場の 状況を著しく改善させるには不十分であることが確認された」と指摘。 政策は2009年12月以降で初めて全会一致で決定された。

新築住宅販売

フィラデルフィア・トラストの最高投資責任者(CIO)、リチ ャード・シーシェル氏は、「FOMCが驚くほど悪い経済状況からの 脱出に極めて熱心に取り組んでおり、正しい方向に進み続けていると いうことが伝わってくるのは頼もしい」と指摘。「金利は低水準で維 持される上、刺激措置も実施されている。これに加えて、今朝方の住 宅統計は非常に心強い内容だった」と述べた。

昨年12月の米国での新築住宅販売は予想を上回った。米商務省が 発表した新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率換算)は前月比 18%増の32万9000戸。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト予想の中央値は30万戸だった。特に西部では前月比で72% 増加した。

レナーは3.1%高。スタンダード・パシフィックは2.2%値上が り。

エネルギー株と素材株指数はS&P500種の業種別10指数で値 上がり率上位となった。アルコアは2.2%、シュルンベルジェは

5.1%いずれも上昇。

ボーイング

デブライは13%急伸し、S&P500種の値上がり率トップ。10 -12月の純利益は8870万ドル(1株当たり1.25ドル)と、前年 同期の7250万ドル(同1ドル)から増加した。ブルームバーグがま とめたアナリスト19人の予想平均は1株当たり1.19ドルだった。

ボーイングは3.1%安。同社は11年通期の純利益が1株当たり

3.80-4ドルになるとした。これは年金費用の1株当たり58セント 増も含むという。ブルームバーグがまとめたアナリスト26人の予想平 均は4.53ドルだった。売上高は680億-710億ドルになるとした。 アナリスト予想は695億ドル。

◎米国債:下落、FOMCの決定受けインフレ加速懸念

米国債相場は下落。米連邦準備制度理事会(FRB)が開いた連邦 公開市場委員会(FOMC)では、6000億ドルの米国債購入計画を維 持したほか、景気回復のペースは失業率の低下には不十分との認識を示 した。これにより、インフレが加速するとの懸念が高まった。

昨年12月の新築住宅販売が予想を上回る増加となったことなど に反応し、この日の米国債は早くから下落していた。10年物インフ レ連動債(TIPS)は、消費者物価指数(CPI)が償還までの 10年間に年間平均2.28ポイントのペースで上昇するとの投資家見 通しを示す水準にある。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査 では今年は1.7%の上昇が見込まれている。

パイオニア・インベストメンツのバイスプレジデント、リチャー ド・シュランガー氏は、「6000億ドルの債券購入は今後も続く」と し、「焦点は高失業率だ。失業率が若干低下するまでは、現在のプロ グラムは全速力で実行されるだろう」と予想した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後5時現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.42%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は21/32下げて93 14/32。

30年債利回りは10bp上げて4.59%。一時12bp上げる場 面もあった。

全会一致

FOMC声明では、景気拡大が「継続しているものの、そのペー スは労働市場の状況を著しく改善させるには不十分だ」と指摘した。 政策は2009年12月以降で初めて全会一致で決定された。政策金利 は0-0.25%のレンジで維持された。

2年債と30年債の利回り格差は4営業日ぶりに拡大。金融緩和 が長期化していることでインフレ期待が上振れするとの懸念が背景に ある。利回り格差は3.96ポイントに達した。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオ ン(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・ サリバン氏は「長期債の利回り上昇は、インフレ期待および、政策ス タンスを踏まえ金融当局のインフレ目標が行き過ぎているかどうかを 投資家が再考していることを示唆している」と分析した。

「引き続き安定」

FOMC声明では、商品価格が上昇しているものの「長期におけ るインフレ期待はなお安定しており、基調的なインフレを示す指標の 低下傾向は続いている」と指摘した。

金融当局がインフレ指標として注目する、食品と燃料を除くコア 個人消費支出(PCE)価格指数は、昨年11月に前年同月比0.8% 上昇した。当局が好ましいとみるレンジは1.6-2%。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のポートフォリオマネジャー兼ストラテジスト、トニー・クレセンツ ィ氏は「FOMCがこの問題について言及する必要があると感じたこ と自体、当局がインフレを重要視しないよう努めているにもかかわら ず、インフレ圧力が弱まったのではなく高まったことを認めるものだ」 とし、「これはイールドカーブにとって重要な意味を持つ」と分析し た。

◎金先物:反発、前日の大幅安で売られ過ぎ感が台頭-1333ドル

ニューヨーク金先物相場は反発。3カ月ぶり安値を付けた前日の 展開は売られ過ぎとの見方が広がった。

金は昨年30%上昇した後、今月に入り6.2%下げている。相対力 指数(14日ベース)は34と、昨年7月以来の低水準となっている。 同指数は30を割り込むと、相場反発の兆候と受け止められる。

MFグローバルのアナリスト、トム・ポーリッキ氏(シカゴ在勤) は、「今の市場ではネガティブな材料がやや強調されているようだ」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は、前日比で70セント高の1オンス=1333.00ドルで終了し た。前日は昨年10月27日以来の安値となる1321.90ドルまで下 げていた。

◎原油先物:反発、新築住宅販売とFOMCで買い安心感

ニューヨーク原油先物相場は反発。新築住宅販売が予想を上回っ たほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)が景気浮揚のための刺激 策継続を決めたことが好感された。

商務省が発表した12月の新築住宅販売は前月比18%の大幅増加 となり、株式相場が上昇。FOMCは6月にかけて6000億ドルの国 債を購入する方針を維持した。エネルギー省が発表した週間在庫統計 で原油の増加幅が予想を上回ったことから、原油先物相場は上値を削 らされた。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチの マイケル・リンチ社長は、「経済に対してやや強気に傾くだけで、原 油市場に大きな違いをもたらす」と指摘。「きょうの在庫統計にはま ったく強気な要素はなかった」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比1.14ドル(1.32%)高の1バレル=87.33ドルで終了。今月 11日以来の大幅高となった。

◎欧州株:上昇、米金融当局の緩和策維持観測で-自動車堅調

欧州株式相場は上昇。米景気回復のペース加速が見られるが、米 連邦公開市場委員会(FOMC)は、引き続き景気刺激策を継続する 意向を示すとの観測が広がっている。

ブリュッセルの貴金属リサイクル業者ユミコアは、昨年5月以 来の大幅高。UBSによる株式投資判断の引き上げが好感された。 イタリアの食品会社パルマラットは上昇。一部投資家が既存の取締 役会の人事刷新を模索しているとの報道が手掛かりだった。ドイツ のスポーツカーメーカー、ポルシェと仏自動車ルノーを中心に自動 車株は上昇。オランダの人材派遣大手ランドスタッド・ホールディ ングは4.2%高。クレディ・スイス・グループが株式投資判断を引 き上げたのが強材料だった。

ストックス欧州600指数は前日比0.9%高の282.47で終了。 約1週間ぶりの大幅高だった。

スタンダードチャータード銀行の米エコノミスト、デービッ ド・シーメンス氏(ニューヨーク在勤)は、「FOMC声明は、前回 の会合以降で経済統計に全般的な改善が見られることを指摘するだろ う」と述べ、「緩やかなインフレ環境や高い失業率を理由に、米金融 当局は6000億ドルの国債購入計画を完了させると予想している」と 続けた。

ユミコアは6.4%高。UBSは同社の株式投資判断を「売り」 から「買い」に引き上げた。

パルマラットは5.5%値上がりした。

HSBCホールディングスがポルシェの株式投資判断を「アン ダーウエート」から「オーバーウエート」に引き上げたのが材料と なり、ポルシェは7.1%高。

ルノーは3.3%上昇、バークレイズ・キャピタルが株式投資判 断を「アンダーウエート」から「オーバーウエート」に引き上げた のが好感された。

◎欧州債:独国債が下落、2年債1年ぶり高利回り

欧州債市場では、ドイツ2年債利回りが約1年ぶりの高水準に上 昇。昨年12月の独輸入物価指数が過去29年余りで最大となる年間 の伸びを示したことから、インフレ期待が高まった。

独10年債利回りは8カ月ぶり高水準まで1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)未満となった。ドイツ連邦統計局が発表 した12月の独輸入物価指数は前年同月比12%上昇した。スペイン 国債は続落。同国の住宅ローン承認件数が減少したほか、格付け会社 フィッチ・レーティングスがスペインによる銀行の自己資本規制強化 について、投資家の信頼回復につながるかどうかは「依然として不透 明」だと指摘したことが影響した。独30年債は下落。同年債の入札 では、応札が20億ドルの供給額に満たなかった。

ロイズ・コーポレート・バンクの金利ストラテジスト、エリッ ク・ワンド氏は、独輸入物価の統計について、「インフレが輸入され ているのではないかという懸念を裏付ける新たな実例だ」と指摘。 「独国債の環境にとって悪材料だ」と述べた。

ロンドン時間午後4時26分現在、ドイツ2年債利回りは前日比 6bp上昇の1.32%。一時は1.33%と、昨年1月5日以来の高水 準を付けた。同国債(表面利率1%、2012年12月償還)価格は

0.095ポイント下げ99.420。ドイツ10年債利回りは4bp上昇 の3.18%。

◎英国債:下落、政策委員2人が利上げを主張

英国債相場は下落。イングランド銀行(英中央銀行)が26日公 表した金融政策委員会(MPC)の議事録で、インフレ率が目標を上 回る状況が続く中で2人の委員が利上げを主張したことが明らかにな った。

13日開催のMPCの議事録によれば、ウィール委員がセンタン ス委員と共に利上げを主張した。また、MPCはインフレリスクが上 向いたとの認識で一致したという。

インベステック・アセット・マネジメントの債券責任者、ジョ ン・ストップフォード氏は「特にインフレ率の上昇という観点で見た 中銀の信頼性の問題を考えると、リスクバランスは徐々に金利引き上 げを支持する方向に移りつつあるようだ」と指摘。「英国債相場は金 利期待の変化に反応している。年内に利上げがありそうだ」と述べた。

ロンドン時間午後4時半現在、10年債利回りは前日比6ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.68%。3日ぶりの 上昇となった。同国債(表面利率4.75%、2020年3月償還)価格 は0.47ポイント下げて108.20。2年債利回りは7bp上げて

1.25%。

インフレ見通しの指標となる10年物のブレークイーブンレート (通常国債とインフレ連動国債の利回り差)は一時4bp上昇の

3.14ポイントと、1日の上げとしては1週間で最大となった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor: 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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