米国債:下落、FOMCの決定受けインフレ加速懸念

米国債相場は下落。米連邦準備 制度理事会(FRB)が開いた連邦公開市場委員会(FOMC)では、 6000億ドルの米国債購入計画を維持したほか、景気回復のペースは 失業率の低下には不十分との認識を示した。これにより、インフレが 加速するとの懸念が高まった。

昨年12月の新築住宅販売が予想を上回る増加となったことなど に反応し、この日の米国債は早くから下落していた。10年物インフ レ連動債(TIPS)は、消費者物価指数(CPI)が償還までの 10年間に年間平均2.28ポイントのペースで上昇するとの投資家見 通しを示す水準にある。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査 では今年は1.7%の上昇が見込まれている。

パイオニア・インベストメンツのバイスプレジデント、リチャー ド・シュランガー氏は、「6000億ドルの債券購入は今後も続く」と し、「焦点は高失業率だ。失業率が若干低下するまでは、現在のプロ グラムは全速力で実行されるだろう」と予想した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後5時現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.42%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は21/32下げて93 14/32。

30年債利回りは10bp上げて4.59%。一時12bp上げる場 面もあった。

全会一致

FOMC声明では、景気拡大が「継続しているものの、そのペー スは労働市場の状況を著しく改善させるには不十分だ」と指摘した。 政策は2009年12月以降で初めて全会一致で決定された。政策金利 は0-0.25%のレンジで維持された。

2年債と30年債の利回り格差は4営業日ぶりに拡大。金融緩和 が長期化していることでインフレ期待が上振れするとの懸念が背景に ある。利回り格差は3.96ポイントに達した。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオ ン(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・ サリバン氏は「長期債の利回り上昇は、インフレ期待および、政策ス タンスを踏まえ金融当局のインフレ目標が行き過ぎているかどうかを 投資家が再考していることを示唆している」と分析した。

「引き続き安定」

FOMC声明では、商品価格が上昇しているものの「長期におけ るインフレ期待はなお安定しており、基調的なインフレを示す指標の 低下傾向は続いている」と指摘した。

金融当局がインフレ指標として注目する、食品と燃料を除くコア 個人消費支出(PCE)価格指数は、昨年11月に前年同月比0.8% 上昇した。当局が好ましいとみるレンジは1.6-2%。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のポートフォリオマネジャー兼ストラテジスト、トニー・クレセンツ ィ氏は「FOMCがこの問題について言及する必要があると感じたこ と自体、当局がインフレを重要視しないよう努めているにもかかわら ず、インフレ圧力が弱まったのではなく高まったことを認めるものだ」 とし、「これはイールドカーブにとって重要な意味を持つ」と分析し た。

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