NTTデ社長:海外買収は今後1年が勝負-3000億円調達も

システム構築で国内2位NTTデー タは、円高により円建ての買収額を抑制できる今後1年間に力点を置い て、海外企業の買収戦略を展開する方針。日系企業の進出が目立つもの の、拠点が無いブラジル市場進出などのため、起債を原資として最大で 総計3000億円を投ずる可能性がある。山下徹社長が25日、ブルームバ ーグ・ニュースのインタビューで語った。

同社は現行の中期経営計画で、日本経済の停滞を背景に海外進出す る顧客企業を支援するため海外のサービス体制を強化する方針。前期 (2010年3月期)は700億円だった海外売上高を、13年3月期に連結 売上高の2割に当たる3000億円まで増やす目標に沿って、M&A(企 業の合併・買収)を相次ぎ展開、昨年末にはインドやカナダに拠点を持 つ米IT(情報技術)サービス大手キーンを約1000億円で買収した。

山下氏は来期の海外売上高に関し「キーン買収で2000億円に行く かと思っていた」ものの、連結業績での加算分が円高で目減りするため 「良くて1800億円程度だ」と説明。13年3月期の3000億円達成には海 外投資の追加が「かなり必要」と述べた。

さらにM&Aは円高が続く公算が大きい「ここ1年ぐらいが勝負」 と強調。資金調達手法としては「どの程度社債で借りられるかだが、あ まりすると格付けが落ちる。計2000億-3000億円では」と語った。

同社長はこの規模は中計目標達成に必要な目安で、総額だと強調。 「いろいろなパイプラインに乗っているものが幾つかある」と述べ、複 数の買収案件を交渉中と認めた。しかし、キーンと同じ1000億円規模 の案件が含まれるかは言及を避けた。個別の買収額は「最長15年くら いで投資回収にめどがつく値段」以内に抑える意向を示した。

最優先はブラジル

みずほインベスターズ証券の水元英正アナリストは「中計目標の達 成には1000億円程度の売上高上乗せが必要で、追加のM&Aは考えら れる」としながらも業績面では「買収後の相乗効果をどう上げられるか がポイントだ」とコメントしている。

山下氏は最優先の進出先として、拠点を持たない中南米地域、特に 「非常に成長率が高く、コンピューター技術も進んでいるブラジル」を 挙げた。その上で「日系企業が一生懸命進出している」状況で「このタ イミングを逃すと、われわれとしてはビジネスチャンスがなくなる」、 「日系企業の進出サポートの観点からすれば、ブラジルにも拠点がない と日本で仕事ができない」と強調。しかし、必ずしもブラジル企業を買 収するとは限らない、とも語った。

ブラジル中央銀行の統計によると、同国の経済成長率は10年に

7.3%と過去20年以上で最大となり、今年は4.5%拡大する見通し。日 系企業ではトヨタ自動車が昨年9月に、同国3番目の工場の建設を開始。 日産自動車も10日に、同国でのシェアを15年までに5%に伸ばす意向 を明らかにしている。

海外が4割

同社長はインドに関しては、キーン買収に伴い同国でのNTTデー タのグループ社員が「9000人」規模に達し現地での人材育成システムも 整ったと説明し、「買収しないと大変困る状況ではない」と述べた。

このほか山下氏は、相次ぐ買収に伴いグループ人員約5万人の4割 程度が外国人となったことから、今年4月にも日本と海外各地の拠点と の連携強化のため組織改編を行う意向を示した。関連して「米国などで は買収した企業の人員が入り乱れ、ブランドも分散している」と説明。 「地域別の統括会社を実体のある組織としたい」と述べた。

同社の親会社である国内通信最大手NTTは、10月に南アフリカ 共和国のITシステム構築大手ディメンション・データ・ホールディン グスを買収。鵜浦博夫NTT副社長は昨年11月のブルームバーグとの インタビューで、ディメンション買収でグローバル戦略のカバーがかな り進んだものの「南米がまだ若干弱い」と語っていた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE