【クレジット市場】ギリシャ国債買い戻しだけで底を突く欧州救済基金

【記者:Jonathan Stearns】

1月26日(ブルームバーグ):欧州金融安定ファシリティー(E FSF)がユーロ圏高債務国の国債買い戻しを支援する案について、 各国財務相が検討している。ただ、債務危機の拡大を防ぐためにE FSFがこの役割を引き受けるためには、さらに資金が必要になる だろう。

最大4400億ユーロ(約49兆5000億円)の救済基金であるEF SFは、ギリシャを重点対象とする国債買い戻しプログラムを実行 するために現在認められている額を上回る最大2800億ユーロ(約 31兆5000億円)の支出を行う必要が出てくる。シルビオ・ペルッ ツオ氏など、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ (RBS)のアナリストが試算した。

ペルッツオ氏は24日の電話インタビューで、「ギリシャはなお 問題児だ。市場からの資金調達を再開すると予想される2012年にデ フォルト(債務不履行)リスクが著しく高まるためだ。極めて大量 の国債を買い戻すプログラムが必要となり、実行は困難だろう」と 語った。

欧州連合(EU)の昨年11月29日時点の予測によれば、ギリ シャの公的債務残高の国内総生産(GDP)比率は今年が150%、 来年は156%と、ユーロ圏諸国で過去最悪の水準に上昇する。同国 の名目の公的債務額は現在、3270億ユーロに上る。

RBSの試算では、ギリシャが債務負担を30%減らそうとすれ ば、実勢価格に基づいて約1840億ユーロ相当の国債を買い戻す必要 に迫られる。RBSは顧客に今週送付したリポートで、「それは非常 に大きな数字だ。他の諸国も買い戻しプログラムに最終的に頼るこ とになるとすれば、なおさらそうだ」と指摘する。

ユーロ圏の高債務国の包括的金融支援に最も多額の資金を拠出 するドイツ政府は、政治的に論議を呼ぶEFSFの拡充を行わず、 各国政府による4400億ユーロの現行の保証枠からの支出を優先す べきだという立場だ。EFSFがトリプルA格付けを維持するには 「資金バッファー」の確保が必要であり、実際の融資能力は約2500 億ユーロにすぎない。

RBSのアナリストは「EFSFに国債買い戻し実行の能力を 与えれば、EUがEFSFの創設と欧州中央銀行(ECB)による 国債購入を発表して以来の大きな動きとなるだろう。周辺諸国にも 大きな影響を与えることができるだろうが、意味のある規模で行わ れることが条件だ」と分析している。

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