米大統領:裁量的支出の凍結提案、赤字削減で-一般教書演説

オバマ米大統領は25日、一般教書 演説を行い、米国の財政赤字は持続不可能だと述べ、グローバル市場 における米国の競争力を確保する投資を継続しつつ一部の連邦支出の 伸びを凍結させる方針を表明した。

同大統領は米議会で演説し、非国防の裁量的支出凍結を提案し、 これによって向こう10年間で4000億ドル(約33兆円)の歳出削減に なると述べたほか、国防予算780億ドルの追加削減を打ち出した。

大統領は「米政府は歳出が歳入を超えた事実に向き合う必要があ る。これは持続不可能だ」と指摘した。演説は62分間にわたった。

大統領はまた、歳出を抑制しつつ、米国の教育向上や技術革新の 奨励、道路や鉄道、通信網の建設に予算をシフトさせるよう呼び掛け た。大統領は「問題となっているのは、新たな雇用や産業がこの国で 根を下ろすのか、それ以外の地域で根を下ろすのかだ」と述べた。

2012年の大統領選挙をにらみ、オバマ大統領は演説の重点を米経 済の加速に必要な措置に置いた。民主・共和両党に対し、財政赤字の 削減に向けた取り組みなどでの「共同責任」にさらに注力するよう求 めた。

共和党案

昨年の中間選挙で下院を制した共和党は、大統領の予算凍結案が 歳出抑制に必要な水準には届かないと批判している。共和党は非国防 支出を削減して今年の予算を政府が金融危機やリセッション(景気後 退)対策を打つ前の2008年の水準に戻す案を提示している。同案では、 オバマ大統領が昨年提示した3兆8000億ドルの予算案を1000億ドル 削減する必要がある。

これに対し大統領は、全面的な大幅削減には警戒感を示し、「技術 革新や教育への投資を骨抜きにして赤字を削減するのは、超満員の航 空機からエンジンを取り外して軽くするようなものであり、最初は高 く飛べてもすぐに衝撃を受けることになる」と指摘した。

今回の凍結案では、社会保障やメディケア(高齢者医療保険制度)、 メディケイド(低所得者向け医療保険制度)、国土安全保障省、国防総 省に関連する支出および国債の利払いは対象外となる。

法人税引き下げ

大統領はまた、財政赤字を増やさない限り、法人税率を下げなが ら税制の抜け穴を封じて法人税を簡素化することを支持した。民主、 共和両党との争点の一つである医療制度改革法の見直しについては議 論の余地があるとの立場を示した。

大統領はさらに、35年までに米国の電力の8割をクリーンエネル ギーで賄う目標の設定を要請。15年までに電気自動車の利用を100万 台に拡大する方針も表明した。

米経済の現状については70年余りで最悪のリセッションから立 ち直り、市場の「活性化」や企業収益の伸びにつながっていると述べ た上で、1年半以上9%台で高止まりする失業率の低下に向けてなす べきことはまだ多いと語った。

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