五十嵐副大臣:長期金利上昇に警戒感-国債残高は限度近く

五十嵐文彦財務副大臣はブルーム バーグ・ニュースのインタビューで、最近の長期金利の上昇に強い警 戒感を示すとともに、国債消化を促すため海外投資家の保有を増やす 必要があるとの考えを明らかにした。インタビューは25日に行った。

五十嵐副大臣は長期金利の動向について「じりじりと上昇してき ており、警戒を要する」と指摘。その上で、「日本も限度近くまで国 債残高が積み上がってきている。これから国債を買ってもらう先を少 し広げなければならない。外国にも買っていただかないといけない」 と強調した。財務省の資料によると、日本の国債は9割以上を国内投 資家が引き受けている。

日本政府が昨年末に発表した見通しによると、日本の国債発行残 高は11年度末にGDPを38%上回る668兆円程度、国・地方を合わ せた長期債務残高は同84%上回る891兆円程度と、いずれも過去最大 を更新する見込みだ。リーマン・ショック後の景気刺激策を優先し、 債務残高が増加傾向にある主要7カ国(G7)の中でも突出している。

長期金利の指標とされる新発10年物は、昨年10月上旬には一時

0.82%台と7年ぶりの低水準まで下げたが、その後2カ月は上昇に転 じ、12月中旬には一時1.295%をつけた。昨日25日午後には1.25% まで上昇した。

みずほ証券の末広徹マーケットアナリストは「欧州の債務危機で 財政に対する懸念が強まったことで、世界的に債務に対する見方が変 わってきた。次は日本では、という話が出てきやすい」とし、「日本 には人口減少問題があり、現在の国債の消化力も無限にあるようなこ とではない。そうなると債券を海外で買ってもらわなければいけない 状況になり、外貨建ての国債もという議論が出てくる可能性がある」 と指摘している。

後年度影響試算

財務省が2011年度一般会計予算案を基に14年度までの財政見通 しを示した「後年度歳出・歳入への影響試算」によると、13年度の新 規国債発行額に相当する財源不足は当初ベースで51.8兆円と50兆円 を上回ると想定している。ブルームバーグ・ニュースが26日入手した 関係資料で明らかになった。

試算では、財源不足は12年度に49.5兆円、14年度には54.2兆 円に膨らむのに対し、税収は12年度の41.5兆円から14年度には43.1 兆円に増加し、新規国債発行額が税収を上回る事態が続く見通しとな っている。

予算上の想定金利は2.0%

五十嵐副大臣は、11年度一般会計予算に盛り込まれた国債の元利 返済に充てる国債費の想定金利を2.0%に設定していることについて、 「それを超えると財政に影響が出てくる。2.0%に近づいてくるといろ いろ考えるべき点が出てくる」とした上で、「抜本改革をして財政健全 化の道筋を示していかないと、いつ急激な変化が起きるか分からない」 と危機意識を示した。

長期金利については日本銀行の白川方明総裁が同日の定例会見で、 「日本を含めて各国の長期金利の動きは連動関係を全体に強めている」 との認識を示し、「米国の景気について過度の悲観論の後退とともに米 長期金利が上昇し、つれて日本を含め各国の長期金利が上昇した」と 説明。日本の長期金利の上昇幅は相対的には小さいと述べた。

一方向に円高進む状況ではない

五十嵐副大臣は足元1ドル=82円台の円高水準で推移している 為替相場の動向について「一時のように、一方向に円高が進む状況で はなくなった」と指摘。「米国経済が強いということもあり、ドルが 一方的に弱くなるという状況でもない」と指摘。「注意してみていか なければならないのは事実だが、慌てて何かしなければならないとい うことではない」と語った。

一方で、為替市場への介入は「一度限りとは限らない」と述べ、 「急激な変化があったり、実態を反映しない投機的な極端な動きがあ った時には断固たる措置を取る」との政府方針をあらためて強調した。 政府・日銀は昨年9月15日、15年ぶりとなった円高・ドル安を受け て、6年半ぶりに2兆円規模の介入に踏み切った。

五十嵐副大臣は「介入は失敗ではなかった」と言明。その上で「 あれだけの規模の介入をやったことによって投機筋が警戒し、一方的 に買い進むことはしなくなった。心理的な規制が投機筋にかかった。 今もその効果がないわけではない」との見解を示した。

また、各国の財政危機問題を受けて神経質な動きを見せているユ ーロ相場について、「経済やソブリンリスクの問題があり、まだ安定 していない。全般的にどの国もユーロに対する見方が慎重になってい る。安定した評価をできる状況にない」との認識を表明。対ユーロで の市場介入の可能性については「すべて状況をみてということだ」と 述べるにとどめた。

--取材協力 日高正裕 赤間信行 Editor:Hitoshi Ozawa, Norihiko Kosaka

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