1月25日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商 品相場は次の通り。

◎外国為替:ドル下落、米大統領の予算凍結案めぐる観測で

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対円で3日続落。オバマ米 大統領が非国防裁量予算の5年凍結を発表するとの見通しを受けて、米 国債利回りが低下した。

英ポンドは対ドルで約1カ月ぶりの大幅下落を記録した。英国の 昨年第4四半期国内総生産(GDP)が前期比で予想外に減少したの が材料となった。米10年債の上昇で利回りは一時0.09ポイント下 げて3.31%と、1月18日以来の低水準に押し下げられた。

みずほフィナンシャルグループのシニア為替トレーダー、柳原秀 敏氏(ニューヨーク在勤)は、一般教書演説が国債相場を押し上げた と述べ、それがドル・円相場に圧力をかけたと続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.3%下げて1ド ル=82円25銭(前日は82円53銭)。ドルは対ユーロで0.3%値 下がりして1ユーロ=1.3681ドルだった。前日は1.3638ドル。ユ ーロは対円で変わらずの112円54銭。

オバマ米大統領は、25日夜の一般教書演説で、財政赤字の削減 策として非国防裁量予算の5年間凍結を提案する。政府当局者が匿名 を条件に述べた。大統領は昨年の一般教書演説で国防・安全保障関連 を除く裁量的歳出の増加を3年間凍結させることを提案した。

FOMC

25-26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、6月末ま での6000億ドルの資産購入計画の継続が確認されるとみられている。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト98人の予想によると、 全員が米政策金利の据え置きを見込んでいる。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した1月の消費 者信頼感指数は60.6と、前月の53.3(速報値52.5)から上昇し た。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は54だった。 この統計発表後、ドルは対ユーロで上昇する場面もあった。

ユーロは今年に入り、対ドルで2.4%値上がりしている。欧州が ソブリン債問題を沈静化させるために長期的な対策を打ち出すとの観 測が背景だ。

アイルランド支援資金を調達す るため欧州の域内救済基金であ る欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が発行した5年債には、 発行額50億ユーロに対し、約500の投資家から445億ユーロという 「圧倒的」な額の注文があった。EFSFの発表によると、発行額全 体のうち20%超を日本政府が購入した。

「再びユーロ売りも」

INGグループの通貨取引ディレクター、ジョン・マッカーシー 氏は、「過去1週間半、ユーロは確実に恩恵を受けてきた」と述べた 上で、「一部の市場参加者は、ユーロを再び売りに出すかもしれない。 欧州周辺国の問題に対してこれといった解決策がないからだ」と続け た。

英ポンドは対ドルで1.1%安。一時は1.5%下落まで売り込ま れる場面もあった。

◎米国株:引けにかけて下げを埋める、一般教書演説への楽観広がる

米株式相場は取引終盤で下げを埋めた。S&P500種株価指数は これで3営業日続伸。オバマ米大統領が経済刺激に向けた計画を発表す るとの観測が背景。

アナリスト予想を上回る決算を発表したベライゾン・コミュニケ ーションズとトラベラーズが上昇。米最大の二輪車メーカー、ハーレ ー・ダビッドソンは3カ月ぶりの大幅高。同社の10年10-12月 (第4四半期)決算は赤字幅が縮小したほか、傘下の金融サービス部 門では黒字を計上した。一方、アメリカン・エキスプレス(アメック ス)とジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は決算が投資家の 失望を誘い下落。両銘柄を中心に相場は日中下げていた。

S&P500種株価指数は前日比0.1%未満上昇の1291.18。 一時は0.8%下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は3.33 ドル(0.1%未満)下落の11977.19ドル。一時記録した82ドル 安の大半を埋めた。

リッジワース・キャピタル・マネジメントのシニア投資ストラテ ジスト、アラン・ゲイル氏は「市場参加者は相場を押し下げようと試 みたが、強気派がそれを許さなかった」と指摘。「株式相場の基調は 上昇だ。一般教書演説に対して一定の期待も広がった。一部の投資家 はこのような日にショート(売り持ち)を建てることを望まなかった」 と述べた。

企業決算

S&P500種は2009年3月に付けた12年ぶり安値から最大 91%上昇。政府の刺激策や企業利益が市場予想を上回ったことが背 景。アナリスト予想によれば、同株価指数構成銘柄の利益は2010 年に30%増と、伸び率は1995年以来の最大となった。今年は 15%増が見込まれている。

米株式相場は午後の取引で下げを埋め始めた。米調査・資産運用 会社ビリニー・アソシエーツの創設者ラズロー・ビリニー氏がS&P 500種は2013年までに2854に上昇するとの自身の予想を再度示 したことがきっかけとなった。

ビリニー氏はこの日の米経済専門局CNBCとのインタビューで、 「09年3月にみられた今回の上昇局面の力強い始まりを考慮すれば、 これは長期の強気相場だと確信する」と発言。同氏は、S&P500 種が09年3月の安値676.53から322%上昇するとの、今月に初 めて示した予想を繰り返した。

市場ではオバマ大統領の一般教書演説を待ち受ける姿勢もみられ た。同演説では、財政赤字の削減や失業率の低下、米国の競争力強化 に焦点が絞られる見通し。

「警戒心」

ウェドブッシュ・セキュリティーズの株式トレーディングマネジ ングディレクター、マイケル・ジェームズ氏は、「市場の回復力や過 去数週間に急速な下落がなかったことを考慮すれば、市場参加者は一 般教書演説を前にショートを建てることに警戒心を抱いた」と述べた。

ブルームバーグがまとめたデータによると、10日以降に決算を 発表したS&P500種銘柄のうち、売上高がアナリスト予想を上回 ったのは76%。1株当たり利益が予想を上回ったのは88社中、 72%だった。デービッド・ビアンコ氏率いるBOAのストラテジス トによれば、売上高で予想を上回る企業数が、利益で予想を上回る企 業数よりも多くなるのは、09年に業績の持ち直しが始まって以降初 めて。

ベライゾンやトラベラーズが高い

ベライゾン・コミュニケーションズは1.6%高。米電話会社2 位の同社は、今年の売上高の伸びがアナリスト予想を上回るとの見通 しを示した。

トラベラーズは1.1%高と、ダウ30種平均では上昇率で上位 に付けた。同社の昨年10-12月(第4四半期)決算は、利益が前 年同期比30%減少した。一部投資結果を除いた営業利益は1株当た り1.89ドルと、アナリスト予想平均の1.66ドルを上回った。

ハーレー・ダビッドソンは8.1%高。同社の昨年10-12月 (第4四半期)決算は、赤字幅が4680万ドルに縮小した。金融サ ービス部門での黒字計上が寄与した。

アメックスは2.2%、J&Jは1.8%いずれも値下がり。

◎米国債:上昇、大統領が非国防裁量予算の凍結提案との観測

米国債相場は上昇。10年債と30年債の利回りは今年最大の下げ となった。オバマ大統領が過去最大規模の財政赤字の削減策として、非 国防裁量予算の5年間凍結を提案するとの観測が広がった。

財務省が25日実施した2年債入札(発行額350億ドル)では、 投資家の需要を測る指標の応札倍率が過去10回の入札の平均を上回っ た。政府当局者が匿名を条件に語ったところによると、オバマ大統領 は今夜の一般教書演説で、連邦財政赤字の削減策として非国防裁量予 算の凍結を提案する。米ニューヨーク連銀はこの日、77億ドル相当の 米国債を買い入れた。

グリーチャーのマネジングディレクター兼金利取引共同責任者、 ラス・サート氏は、「言葉が実行に移されるかどうかはまだ分からな いが、市場の期待は高まっている」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、30年債利回りは 一時、前日比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下と、 取引時間中としては昨年12月31日以来の大幅な下げとなった。ニュ ーヨーク時間午後4時8分現在は、4.50%と前日から6bpの低下と なっている。同年債(表面利率4.25%、2040年11月償還)価格は 30/32上げて95 31/32。

10年債利回りは一時10bp低下の3.31%と、12月29日以来 の大幅な下げとなった。既発2年債の利回りは5bp下げて0.58%。

オバマ大統領の提案

オバマ大統領の提案では、社会保障やメディケア(高齢者医療保 険制度)、メディケイド(低所得者向け医療保険制度)、国土安全保 障省、国防省に関連する支出および国債の利払いは対象に入っていな い。昨年の一般教書演説では、3年間の裁量支出凍結案を示しており、 今回はそれを2015年まで2年間延長させた格好となる。

5年間に延長された凍結案がどれほどの赤字削減効果をもたらす か、政府見通しについて当局者は明言を避けた。政府は2011年度の 財政赤字を1兆4000億ドルと見込んでいる。10年度の財政赤字は1 兆3000億ドルだった。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) 傘下、RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ジョン・ブ リッグス氏は「長期的な赤字をめぐる懸念がある。これについて口に することと、政策で対応するのとでは大きな違いがある。だがトーン の変化は米国債にはプラスだ」と述べた。

2年債入札

2年債入札では、最高落札利回りは0.65%と、入札直前の市場予 想の0.663%を下回った。応札倍率は3.47倍と、過去10回の入札 の平均(3.35倍)を上回った。

間接入札者の落札全体に占める比率は27%。過去10回の平均は

34.5%だった。

直接入札者の比率は14.9%。過去10回の入札の平均は15.8% だった。

RBSのブリッグス氏は2年債入札について、「好調だが、つま らない入札だった。次は5年債の入札がある」と述べた。

財務省はあす5年債(発行額350億ドル)、27日に7年債 (290億ドル)の入札を実施する。

◎金先物:3営業日ぶりに上昇、前週の下落を受けた投資買いが入る

ニューヨーク金先物相場は反落。代替資産としての金買いが振る わず、ほぼ3カ月ぶりの安値に沈んだ。

ブルームバーグが顧客1000人を対象に今月20-24日に実施し た世論調査によれば、世界の投資家の景気先行き観は一段と明るくな っている。今後6カ月で金保有を減らすとの回答は、増やすとの回答 の2倍に近かった。また金市場でバブルが発生しているとの回答は半 数を超えた。

米ニュースレター「ガートマン・レター」のエディターとして知 られるエコノミスト、デニス・ガートマン氏は、「金を買い持ちして おきたいとの投資家の衝動は急速に冷めてしまった。風向きはロング に対して、向かい風に変わった」と述べた。同氏は金保有を年初から 3分の2ほど減らしたという。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は、前日比で12.20ドル(0.9%)安の1オンス=1332.30 ドルで終了した。一時は昨年10月27日以来の安値となる1321.90 ドルまで下げた。

◎原油先物:8週間ぶり安値、景気回復足踏みの兆候で

ニューヨーク原油先物相場は続落。米国と英国の景気回復足踏み の兆候を受け、8週間ぶりの安値に沈んだ。

11月の米住宅価格指数が1年ぶりの大幅な下落となったほか、 昨年第4四半期の英米国内総生産(GDP)は予想外のマイナス成長 となった。原油先物は今月12日に1バレル=91.86ドルの2年3カ 月ぶり高値を付けて以来、6営業日下げている。

BNPパリバ・コモディティ・フューチャーズのブローカー、ト ム・ベンツ氏(ニューヨーク在勤)は、「予想外の英GDP縮小がこ の日の大きな材料だった」と指摘。「すでに圧迫されていた原油市場 に、米住宅価格指数がさらに弱気シグナルを与えた」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比1.68ドル(1.91%)安の1バレル=86.19ドルで終了。終値と しては昨年11月30日以来の安値となった。月初来では5.7%の値 下がり。

◎欧州株:下落、予想外の英景気縮小を懸念-スペインの銀行株に売り

欧州株式相場は3営業日ぶりに下落。昨年10-12月(第4四半 期)の英経済が予想に反してマイナス成長となったことが懸念された。 またスペインの銀行の資本強化を目指した計画がソブリン債危機の緩 和につながらなかったことから、銀行株が売られた。

スペインの銀行株では、バンキンテルが5.2%、サンタンデール 銀行が3.5%それぞれ下げた。欧州最大の半導体メーカー、STマイ クロエレクトロニクスは4.5%安。携帯通信合弁事業のSTエリクソ ンの赤字が膨らんだことが嫌気された。

一方、スウェーデンの無線ネットワーク機器メーカー、エリクソ ンは2.5%上昇。10-12月期売上高がアナリスト予想を上回ったこ とが買いにつながった。

ストックス欧州600指数は前日比0.7%安の280.10で終了。 今週発表される米経済統計で経済成長ペースの加速が示されるとの楽 観的な見方から、前日の同指数はプラスだった。

コメルツ銀行のシニア株式ストラテジストのマーカス・ウォルナ ー氏(フランクフルト在勤)は、「ソブリン債危機は1年を通じて現 れては消える問題で、ボラティリティを引き起こすだろう」と述べた。 ただ、「企業利益はギリシャやアイルランドと関係なく、強い業績を 伴う堅調な決算期を迎えている。一部の顧客は株式購入を考えている が、株価下落を待っているところだ」と続けた。

英政府統計局(ONS)がこの日発表した10-12月期の国内総 生産(GDP)は前期比0.5%減少。ブルームバーグがまとめたエコ ノミスト33人の予想中央値は0.5%増だった。7-9月(第3四半 期)は0.7%増加していた。

25日の西欧市場では、18カ国中13カ国で主要株価指数が下落。 スペインのIBEX35指数は1.4%下げた。

◎欧州債:独2年債が下落、米消費者信頼感の改善で

欧州債市場でドイツ2年債相場が下落。1月の米消費者信頼感 が8カ月ぶり高水準に上昇したことを背景に、欧州で最も安全とされ るドイツ国債に対する需要が後退した。

ドイツ10年債相場は一時上昇したものの、上げ幅を消した。欧 州の高債務国向けの救済基金である欧州金融安定ファシリティー(E FSF)が発行した債券の購入資金を確保するため、投資家が保有し ていたドイツ国債を売却したとの観測が背景にある。スペイン国債も 下落。同国政府が国債入札を実施したほか、銀行の資本強化策が投資 家の懸念緩和につながらなかったことが要因だった。

スミス・アンド・ウィリアムソン・インベストメント・マネジメ ント(ロンドン)の債券担当ディレクター、ロビン・マーシャル氏は、 「米消費者信頼感が極めて力強く、若干影響を及ぼした」と述べ、 「EFSF債発行引き受けにドイツが部分的に関与しているという点 で、EFSF債の発行によってドイツ国債の信用希薄化が起きた可能 性がある」と語った。

ロンドン時間午後4時37分現在、ドイツ2年債利回りは前日比 2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.27%。同国 債(表面利率1%、2012年12月償還)価格は99.50。ドイツ10 年債利回りは3.15%と、前日からほぼ変わらず。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードがこの日発表した1月 の消費者信頼感指数は60.6と、前月の53.3から上昇し、ブルーム バーグがまとめたエコノミスト予想中央値(54)を上回った。

EFSFによると、この日発行した5年債の利回りは2.89%と、 指標のスワップレートに6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上乗せとなった。当初に提示していた8-10bpのレンジを下回った。 500超の投資家から445億ユーロの注文があり、日本政府が発行額の 5分の1余りを購入した。

スペイン10年債利回りは前日比10bp上昇の5.35%。ドイツ 10年債とのスプレッド(上乗せ利回り)は12bp拡大し220bpと なった。

◎英国債:上昇、10年債利回り3.63%-利上げ観測後退

英国債相場は上昇した。昨年10-12月(第4四半期)の英経済 が予想に反して縮小し、1年半で最悪のマイナス成長となったことか ら、2011年に政策金利が引き上げられるとの観測が後退した。

英政府統計局(ONS)がこの日発表した10-12月期の国内総 生産(GDP)は前期比0.5%減少。ブルームバーグがまとめたエコ ノミスト33人の予想中央値は0.5%増だった。7-9月(第3四半 期)は0.7%増加していた。

コメルツ銀行の通貨ストラテジスト、ルッツ・カーポウィッツ氏 (フランクフルト在勤)は、「経済データは強い失望を誘うもので、 イングランド銀行(英中央銀行)の利上げが極めて困難となった」と 語った。

10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の3.63%。同国債(表面利率4.75%、2020年3月 償還)価格は0.35ポイント上げ108.64。2年債利回りは12bp 低下の1.19%と、2009年8月以降で最大の下げとなった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor:Tsueno Yamahiro ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Mariko Rakuyama 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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