日銀総裁:デフレ脱却の展望開けている-早晩回復復帰へ

日本銀行の白川方明総裁は25日午 後の定例会見で、デフレ脱却に至る展望が開けているとの見方を示す とともに、踊り場脱却の時期について「1-3月と確定的に言うのは 難しいが、早晩、景気テンポの鈍化した状況から徐々に脱し、緩やか な回復基調に復帰していく蓋然(がいぜん)性が高い」と述べた。

日銀は同日の金融政策決定会合で、2011年度の消費者物価指数 (除く生鮮食品、コアCPI)前年比について「国際商品市況高の影 響からやや上振れる」として、委員の見通し(中央値)を昨年10月の

0.1%上昇から0.3%上昇に引き上げた。

白川総裁は「8月に総務省で予定されている2010年基準への改定 により、下方修正される可能性があることは十分認識している」とし ながらも、「基準改定自体によって人々の支出行動が変わるわけでは ない」と言明。「大切なことは、デフレに脱却に至る展望が開けてい るか、すなわち、物価下落幅が縮小し、プラスに転化していくかど うかだが、そうした展望は開けていると判断している」と述べた。

白川総裁は「海外経済は新興国、資源国が高成長を続けているほ か、一時期強まった米経済の先行きに対する悲観的な見方も後退して おり、海外経済の成長率が再び高まりつつある」と指摘。「情報関連 財の在庫調整も世界的にIT(情報技術)関連需要が堅調に推移する 下で着実に進ちょくしていくことが見込まれる」と述べた。

望ましい方向に向かっている

白川総裁はその上で「輸出は先行き再び緩やかに増加していくと みている。自動車の駆け込み需要の反動も、自動車の販売動向、生産 指数の動き、企業からのヒアリング情報などを踏まえると、徐々に薄 まっていく方向にあるとみられる」と語った。

11年度のコアCPIを上方修正したことについては「主に国際商 品市況の上昇傾向を織り込んだものだ」と指摘。「大事なのは、物価 安定の下での持続的な成長経路に復帰していくこと」であり、今回の 中間評価は「そうした方向に向かっている」と述べた。さらに、「物 価の上昇が経済成長を伴うことを願っている」とした上で、「そうし た望ましい方向に向かっている」との見方を示した。

国際商品市況上昇が日本経済に与える影響については「背景を考 えると、新興国・資源国を中心に世界経済の成長がその分高まってい るため、日本の輸出増、設備投資も出てくるプラス要因だ」と指摘。 一方、輸出入の交換比率である交易条件からすると「それだけ輸入価 格が上がって実質購買力が低下し、国内支出を抑制する要因として働 いてくる。この両方をバランスよくみていく必要がある」と述べた。

長期金利の上昇幅は相対的に小さい

長期金利が上昇基調にあることについては「日本を含めて各国の 長期金利の動きは連動関係を全体に強めているという感じがする」と 指摘。「米国の景気について過度の悲観論から、いったん長期金利が 下がり、その過度の悲観論が後退し、それとともに米長期金利が上昇 し、つれて日本を含め各国の長期金利が上昇した」と述べた。

白川総裁はその上で「日本の長期金利の上昇幅は相対的には小さ い。これには日銀のいわゆる時間軸政策の影響もあるな、と捉えてい る」と語った。日銀は金融面で不均衡が生じないということを条件に、 物価安定が展望できるまで実質ゼロ金利政策を続けると表明している。 白川総裁はこの時間軸政策について「考え方はまったく変わっていな い」と述べた。

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