新興市場の消費関連株、記録的な割高水準-インフレで消費後退に警戒

新興市場の消費関連株が記録的な 割高水準で取引されている。その一方で、食料品やエネルギー価格の 高騰で、ブラジル・サンパウロから中国・上海まで新興市場各地の家 計支出は抑制されつつある。

ブルームバーグのデータによると、MSCI新興市場指数のうち 消費関連銘柄の株価動向を表すMSCI新興市場コンシューマー・デ ィスクレショナリー(一般消費財)指数採用銘柄の株価純資産倍率 (PBR)は先週2.6倍と、15年ぶり高水準となった。マカオのカ ジノ運営会社ウィン・マカオ(永利澳門)の予想株価収益率(PER) は過去最高の28倍。インド最大のスポーツ型多目的車(SUV)メ ーカー、マヒンドラ・アンド・マヒンドラのPBRは世界の同業他社 を53%上回っており、ブラジルのアパレルメーカー、 エーリングもPBRが競合他社より高水準だ。

経済成長と供給不足から、国連食糧農業機関(FAO)の食料価 格指数は昨年12月に過去最高に達し、市場調査会社ユーロモニタ ー・インターナショナルによるとBRICs(ブラジルとロシア、イ ンド、中国)の購買力が低下。28億の人口を抱えるBRICs諸国 では所得に占める食料品支出の割合が19%と、米国の6%を大幅に 上回るという。モルガン・スタンレーによれば、2001年以降のイン フレ加速期には、一般消費財セクターは10業種中でパフォーマンス が下から2番目だった。

アルテミス・インベストメント・マネジメントで約170億ドル (約1兆4000億円)の運用に携わるジェーコブ・デツシュレック氏 (ロンドン在勤)は14日に電話インタビューに答え、「インフレが 予期せぬ事態を招いている」と指摘。「アジアでの消費支出の大きな 部分を占める食料品やエネルギー価格の高騰で、現在の状況にストッ プのかかる恐れがある」と述べた。

MSCIと米バンク・オブ・アメリカ(BOA)の集計データに よると、MSCI新興市場コンシューマー・ディスクレショナリー指 数はここ1年間で36%上昇し、世界の20業種中で上昇率トップと なっている。

モルガン・スタンレーは、原油など仕入れコストが出荷価格を上 回るペースで上昇し、ホテルや自動車メーカー、小売り企業の利益は 圧縮されるとみている。同社のアジア・新興市場担当チーフストラテ ジスト、ジョナサン・ガーナー氏は14日付の調査リポートで、消費 関連株は「過剰に保有」されており、今後恐らく相場全体のパフォー マンスを下回ることになると予想した。

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