ドルは対ユーロで2カ月ぶり安値、FOMC控え慎重-対円は82円前半

東京外国為替市場では、ドルが対 ユーロで約2か月ぶりの安値圏で推移した。米国で連邦公開市場委員会 (FOMC)や国債の入札を控えて、ドル買いには慎重な姿勢が強まっ た。

バークレイズ銀行の逆井雄紀FXストラテジストは、ユーロ圏でイ ンフレ懸念が生じて、利上げ期待が高まっている中、米国がQE2(量 的緩和第2弾)の継続を改めて示した場合は、金融政策の差が「際立っ てくる」と指摘。足元ではドイツと米国間の利回り格差が広がっており 、金融政策の違いが意識されれば、ユーロ高・ドル安が「後押し」され るとみている。

ただ、逆井氏は欧州周辺国の問題が残っており、「慎重姿勢」がく すぶっているとして、材料に乏しい東京市場では、一段のユーロ買いの 動きが出にくい面もあったと説明している。

ユーロ・ドル相場は午前の取引で一時1ユーロ=1.3684ドルと、 前日の海外市場で付けた昨年11月22日以来のドル安値1.3686ドル に迫る場面が見られた。午後はややユーロが伸び悩みとなり、午後3時 53分現在は1.3650ドル付近で取引されている。

一方、ドル・円相場は午前に1ドル=82円64銭をドルの上値に 82円34銭まで軟化。午後は値幅30銭のレンジ内での取引に終始し、 同時刻現在は82円48銭付近で推移している。

米金利動向を見極め

米連邦準備制度理事会(FRB)は25日から2日間の日程でFO MCを開く。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、米景気回復へ の信頼感が増す中で、今回のFOMCでは経済予測が見直される可能性 があると報じている。さらに、声明文は経済に対する慎重な楽観論を反 映し、6000億ドルの国債購入を維持する内容になる見通しだという。

岡三証券外国証券部シニアマネージャーの相馬勉氏は、FRBの金 融政策が奏功している状況下で、「当面は国債買い取り計画を変更する ことは考えにくい」と指摘。その上で、ドルの供給が過剰になる中、需 給要因でのドル先安観は根強いと説明している。

FOMCを控えたこの日の米国時間には、全米20都市を対象にし た昨年11月のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・ シラー住宅価格指数のほか、1月の消費者信頼感指数などの経済指標が 発表される。

また、今週は米国で25日の2年債(発行額350億ドル)のほか、 26日に5年債(発行額350億ドル)、27日には7年債(発行額290 億ドル)の入札が実施される。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、「きょうの米指標 もいまひとつ冴えない結果になる可能性があり、FOMCや米国債の入 札を控えてドルは全般的に下押しされやすい基調」とみている。

一方、この日は日本銀行が金融政策決定会合で、金融調節方針につ いて、資産買い入れ等基金のうち、長期国債や社債、指数連動型上場投 資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)など金融資産買い 入れの規模を「5兆円」に、新型オペ(固定金利方式の共通担保オペ) は「30兆円」にそれぞれ据え置いた。政策金利も「0-0.1%」に据 え置いた。いずれも全員一致。

EFSFが初の起債へ

欧州金融安定ファシリティー(EFSF)は25日、5年債を最大 50億ユーロ(約5630億円)相当発行する。ユーロ圏諸国が保証する EFSF債で調達された資金は、アイルランド救済費用に充てられる。

起債の事情に詳しい関係者3人が24日明らかにしたところでは、 EFSF債の利回りは2.85%前後で、指標のスワップ金利を8-10ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回る水準となる見込み。

岡三証券の相馬氏は、EFSFの債券発行を巡って、強気の見方が 増えていると指摘。ユーロに関しては、「特に売る理由がなくなってき ている」として、対ドルでは昨年11月の高値から年明けに付けた安値 までの下落分の半値戻しに当たる1.3575ドルを突破したことで、上値 を試す機運が高まっていると説明している。

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